業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。

 

(a) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて91億43百万円増加し、737億36百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて32億44百万円増加し、362億15百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて58億98百万円増加し、375億20百万円となりました。

 

(b) 経営成績

経営成績の概要は、次のとおりであります。

当連結会計年度の経営成績は、前年同期比で大幅な増収増益を達成いたしました。特に営業利益につきましては中期経営計画「廣済堂大改造計画2020」の最終年度である2022年度の目標31億円を1年前倒しで達成したほか、当連結会計年度より導入いたしました連結納税制度の効果により、親会社株主に帰属する当期純利益が顕著に増加しております。その結果、連結売上高は353億61百万円(前年同期比12.3%増)、連結営業利益は37億29百万円(同84.8%増)、連結経常利益は36億10百万円(同98.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は36億43百万円(同326.5%増)となりました。

 

(売上高)

各事業領域で新型コロナウイルスの感染拡大の影響が継続しましたが、情報・人材両セグメントでのBPO案件の受注拡大や、人材セグメントでのHRテック事業及び人材派遣事業の受注が堅調に推移、そして、葬祭セグメントでの友引日営業による稼働数の増加等により、全セグメントで売上高が前連結会計年度に比べ増収となりました。その結果、連結売上高は353億61百万円(前年同期比12.3%増)となりました。

(営業利益)

全セグメントでの増収に加えて、情報セグメントでの印刷工場再編の効果、特に西日本における利益率の改善や、葬祭セグメントにおける業務効率化等により、 連結営業利益は37億29百万円(同84.8%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度は、当連結会計年度より導入いたしました連結納税制度の効果により法人税等の増加があったものの、売上高及び営業利益の大きく増加したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益が増加しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は36億43百万円(同326.5%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(イ) 情報セグメント

情報セグメントは、情報ソリューション事業で構成されており、出版・商業印刷を始めとする印刷関連ソリューションと、IT受託開発を中心としたITソリューション、データ入力代行やコールセンター業務などお客様の事業をサポートするBPOサービス、そして、環境配慮型の商品・サービスの提案を行うプロダクト営業といった事業を展開しています。

当連結会計年度におきましては、従来から減少傾向にある出版印刷及び新聞印刷での減少が継続したほか、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続し、旅行パンフレットやプロモーション・イベント等のサービスは回復傾向が見られたものの、完全な回復までに至りませんでした。他方、過年度の実績が評価され、官公庁や自治体からのBPO案件受託が大幅に拡大したほか、印刷工場再編の効果が表れ、西日本を中心に利益率の改善がみられました。これらにより、情報セグメント全体としては前連結会計年度に比べ、増収増益となりました。

以上の結果、売上高は191億20百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益は3億77百万円(前年同期比130.6%増)となりました。

 

(売上高)

出版印刷及び新聞印刷は依然厳しい事業環境にありますが、自治体からのBPO案件受託の大幅な拡大等の影響を大きく受けた結果、前年同期比3.4%増191億20百万円となりました。

(セグメント利益)

印刷工場再編の効果があらわれ特に西日本における利益率の改善等により前年同期比130.6%増3億77百万円となりました。

(セグメント資産)

2021年10月1日の会社分割により、不動産等の固定資産が親会社の㈱広済堂ホールディングスの保有となったこと等により、前年連結会計年度に比べ76億80百万円減少の155億45百万円となりました。

 

(ロ) 人材セグメント

人材セグメントは、人材サービス事業で構成されており、求人媒体・HRテック事業を始めとして、人材紹介・人材派遣、RPO(リクルートメントプロセスアウトソーシング)、海外(ベトナム等)における、人材紹介、人材育成・研修、日本語教育、留学サポート等の事業を手掛けており、人材の発掘から採用、教育・研修までトータルな人材ソリューションを提供しております。

当連結会計年度は、求人媒体事業において、新型コロナウイルス感染症の影響として、製造業や医療介護領域では回復がみられたものの、販売・飲食などでは苦戦が継続しました。他方、人材派遣事業については全体としては概ね堅調に推移し、HRテック領域での収益改善がみられました。また、BPOサービスにおいては大型案件を受注し、前連結会計年度に比べ大幅に業績を伸長させております。これらにより、人材セグメント全体としては前連結会計年度に比べ大幅な増収増益となり、一昨年に迫る水準まで業績が回復いたしました。

以上の結果、売上高は68億56百万円(前年同期比47.0%増)、セグメント利益は3億41百万円(前年同期セグメント損失65百万円)となりました。

 

(売上高)

新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、HRテックや求人媒体、人材紹介領域における長期プランの販売や求人案件数の伸び悩みがあったものの、人材派遣サービスの堅調な推移や、大型BPO案件の受注等により、前連結会計年度に比べ大幅に増収となり、前年同期比47.0%増68億56百万円となりました。

(セグメント利益)

売上高の大幅な伸長により大幅な増益となり、前連結会計年度に比べ407百万円増加セグメント利益3億41百万円となりました。

(セグメント資産)

主に売掛金の増加により、前年連結会計年度に比べ7億70百万円増加の42億53百万円となりました。

 

 

(ハ) 葬祭セグメント

葬祭セグメントは、エンディング関連事業で構成されており、当社子会社の東京博善㈱により、火葬炉併設の総合斎場を都内6カ所で運営すると共に、2022年3月より当社子会社の㈱広済堂ライフウェルにて葬儀業を開始しております。

当連結会計年度におきましては、昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の蔓延による来場者の減少や葬儀の簡素化、酒類提供の自粛などにより業績に一定の影響がありました。しかし、業務の効率化や修繕費用の見直し、友引日営業の実施などにより火葬件数及び式場利用率が向上し、前連結会計年度に比べ増収となりました。また、主として修繕費の抑制による原価低減により、セグメント利益につきましては前連結会計年度に比べ大幅な増益となりました

以上の結果、 売上高は93億84百万円(前年同期比12.6%増)、セグメント利益は30億83百万円(同26.5%増)となりました。

 

(売上高)

火葬取扱い件数の増加や友引日営業の実施等により、 前年同期比12.6%増93億84百万円となりました。

(セグメント利益)

増収の影響及び修繕費の抑制による原価低減等により、前年同期比26.5%増30億83百万円となりました。

(セグメント資産)

当連結会年度の当期純利益等による現預金の増加等により、前年連結会計年度に比べ17億4百万円増加の 396億39百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、215億97百万円と、前連結会計年度末に比べて85億4百万円(65.0%)の増加となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、36億60百万円の資金の増加となり、前連結会計年度が31億10百万円の増加であったことに比べて、5億50百万円の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、7億円の資金の減少となり、前連結会計年度が56百万円の資金の増加であったことに比べて、7億57百万円の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、55億40百万円の資金の増加となり、前連結会計年度が158億38百万円の資金の減少であったことに比べて、213億79百万円の増加となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報

13,968

△7.1

人材

4,743

55.3

合計

18,711

3.4

 

(注) 1.葬祭は、生産実績の記載が困難であるため、省略しております。

2.セグメント間取引は消去しております。

 

 

(b) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

情報

15,167

△8.4

8,497

158.2

人材

6,221

△7.6

合計

21,388

△8.2

8,497

158.2

 

(注) 1.葬祭は、受注の記載が困難であるため記載を省略しております。

2.セグメント間取引は消去しております。

 

(c) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報

19,120

3.4

人材

6,856

47.0

葬祭

9,384

12.6

合計

35,361

12.3

 

(注) 1.セグメント間取引は消去しております。

2.相手先別販売実績については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 経営成績等

(イ) 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて91億43百万円増加しております。主な要因は、第三者割当による増資や借入等による現金及び預金の増加によるものであります

(負債合計)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて32億44百万円増加しております。主な要因は、借入金等の増加によるものであります。

(純資産合計)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて58億98百万円増加しております。主な要因は、第三者割当による増資、親会社株主に帰属する当期純利益36億43百万円を計上したことによるものであります。

 

 

(ロ) 経営成績

当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (b)経営成績」に記載のとおりであります。

 

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」をご参照ください。

 

(ハ) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ85億4百万円(前年同期比65.0%増)増加し、当連結会計年度末には215億97百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、36億60百万円の資金の増加となり、前連結会計年度が31億10百万円の増加であったことに比べて、5億50百万円の増加となりました。これは主に、減少要因である売上債権の増減額が増加したものの、増加要因である税金等調整前当期純利益の増加及び引当金の増減額が増加したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、7億円の資金の減少となり、前連結会計年度が56百万円の資金の増加であったことに比べて、7億57百万円の減少となりました。これは主に、増加要因である有価証券の償還による収入があったものの、減少要因である関係会社株式の取得等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、55億40百万円の資金の増加となり、前連結会計年度が158億38百万円の資金の減少であったことに比べて、213億79百万円の増加となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が増加したこと、株式の発行による収入等によるものであります。

 

(b) 資本の財源及び資金の流動性

(イ) 資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造やシステム開発に関わる原材料等の仕入れ及び外注費等の経費、各事業についての一般管理費等の運転資金需要、印刷事業と葬祭事業における設備投資等の設備資金需要、事業成長のためのM&Aやアライアンス等の事業投資を目的とした資金需要であります。

 

(ロ) 財政政策

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と新株の発行及び自己株式の処分等により資金調達を行っており、資金調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう、金利スワップなどの手段を活用しております。また、国内金融機関と総額55億円のコミットメントラインを締結することで、流動性の補完にも対応可能とし、グループ全体の借入金等の削減も図っております。

 

 

② 中期経営計画「廣済堂大改造計画2020」2年目の総括

当社グループは中期経営計画(2020~2022年度)「廣済堂大改造計画2020」に基づき、重要な経営課題である「収益構造の大改造」、「事業構成における大改造」、「経営基盤強化に向けた大改造」に取り組んでまいりました。当計画において、連結売上高400億円、連結営業利益31億円を達成目標としております。

中期経営計画2年目において実行した重点施策は以下のとおりです。

・印刷、企画、IT、BPO等を含む複合型ソリューション提供の強化

・求人媒体における紙からWeb、HRテックへの転換加速

・都内6カ所で火葬場併設斎場を運営する東京博善との連携強化

・当社の純粋持株会社化

これらの施策を、新型コロナウイルスの感染拡大が発生・継続した事業環境において、顧客、取引先、従業員の安全確保を図りながら事業活動を継続し、収益基盤の抜本的改革を着実に実行、収益改善を行うことが出来ました。

以上の結果、当連結会計年度において、連結売上高353億円、連結営業利益37億円となり、営業利益については目標を前倒し達成いたしました。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りを用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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