文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは経営の基本的な考え方、目指すべき姿として「常に高い志を持ち、社会のルールを守り、持続的成長・発展を通じ、豊かな社会の実現に貢献する。」を掲げ、株主・顧客・従業員・社会の視点から見た企業価値の向上を図ることを通じて、豊かな社会の実現に貢献していくことを基本的な姿勢としております。
(2) 経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2022年3月期から2024年3月期までの3年間の中期経営計画「ONE TAKANO」を策定し、計画に基づき、経営を進めております。
中期経営計画「ONE TAKANO」の概要および目標指標は以下のとおりであります。
①中期経営計画基本方針
「構造改革とプロセス改革により、高付加価値事業へシフトし、新たな成長路線を構築する」
②中期経営計画スローガン
「ONE TAKANO」 ~総合力を発揮する。~
③中期経営目標
2024年3月期目標 連結売上高 26,300百万円
連結営業利益 1,700百万円(売上高営業利益率 6.5%)
④全社的重点施策の概要
(1) 高付加価値な商品・サービスへのシフト
・技術的優位性を追求し、研究開発型経営を指向
・AI、IoT、センサー、ソフトウェアを組み込んだ高付加価値な商品・サービスの開発提供
(2) 重点分野の設定と資源の重点配分による成長の加速
・医療機器関連事業分野
・半導体等関連事業分野
・ニューノーマル(新常態)関連事業分野
・海外展開の強化(中国拠点・北米拠点の機能拡充と強化)
(3) 生産性向上に向けたプロセス改革による組織・運用の見直し
・クロスファンクション組織を通じた会社全体の総合力の発揮
・プロセスの徹底的デジタル化
・DX(デジタルトランスフォーメーション)によるモノづくり革新と間接業務改革
・次世代の人材育成と人事制度の見直し
(4) M&A・コラボレーション等の推進
・事業構造改革のスピードをあげるため、オープンイノベーション・コラボレーション・M&Aを積極化
(5) ESG・SDGs等に関する体制整備と施策実行
(3) 経営環境
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の浸透や、新しい生活様式、働き方の定着等により、経済活動の安定化が期待されるところでありますが、原材料価格の高騰や部材調達の難航、不安定な為替相場など景気の先行きについては不透明な状況は継続しております。
当社グループの主力製品が関係するオフィス家具業界においては、新しいオフィスのあり方に対応した製品分野の需要の増加が期待され、また検査計測装置業界におきましては、FPDメーカー各社の設備投資が減少する一方で、半導体製造業界向けの検査装置については旺盛な需要が見られ、これに対応すべく事業構造の変換を図ってまいります。産業機器事業におきましても引き続き好調な半導体製造装置・医療機器向けのアクチュエータの増産に向けて体制を整えてまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
以上のような経営環境のなか、当社グループでは、原材料価格の高騰や部材調達の難航等による経営上の影響を最小化させるための施策を継続実施するとともに、中期経営計画「ONE TAKANO」に定める重点施策の着実な実行を図り、プロセス改革と事業構造改革を進めてまいります。
当社グループの主力製品であるオフィス用椅子が含まれる住生活関連機器事業においては、上記の現状認識のもと、製品設計・機能・コスト等の抜本的な見直しを通じて、需要を喚起し、販売の拡大に繋がりうる新しい働き方に即した新製品の開発を行うこと、グローバルな調達体制を整備しコストダウンを推進すること、ロボット・3Dプリンター等の新しい設備やIoTの活用等により、製造ラインの更なる合理化と生産性の向上を果たすことおよびニューノーマルな働き方に則した製品分野の事業展開に注力することを重要な課題として認識しております。また、事業横断的な営業情報活用により、既存事業のノウハウを活かせる新製品・新分野の事業化、販売拡大を行うことも重要な課題として認識しております。
当社グループのもう一つの主力製品である検査計測装置が含まれる検査計測機器事業においては、上記の現状認識のもと、従来のFPD向け検査装置を中心とした事業構造から、半導体・高機能フィルム・電池部材・自動車関連分野等の検査装置分野に資源をシフトし、早期の販売拡大を通じてバランスのとれた事業構造を構築することを重要な課題と認識しております。
また、新規事業の事業化スピードの向上を図り、早期に新規事業を立ち上げ、将来の成長性を確保することを重要な課題として認識しております。
財務上の課題としましては、当社グループは現時点資金的な課題を抱えているものではございませんが、当社グループでは、万が一、新型コロナウイルス感染症にかかる経営上の影響が甚大となった場合においても、事業の継続を可能とするための資金的な手当てを行っておくことを重要な課題として認識しております。
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