(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当事業年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、徐々に経済活動の回復の兆しが見られました。しかしながら、新たな変異株による感染再拡大の懸念に加え、半導体の供給不足や原材料価格の高騰など、サプライチェーンの停滞等が続く中、ロシア・ウクライナ情勢が経済に与える影響も加わり、先行き不透明な状況が続いております。
当社が属するスクリーン印刷用製版業界におきましては、主要顧客である電子部品業界において、半導体不足が懸念されるものの、5Gを主とした通信関連向けの部品やEV等の自動車関連向けの各種電子部品等の需要が増加いたしました。
このような状況のもと、当社におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を講じ、お客様とのリモート等による営業活動を積極的に行いつつ、対面による営業活動も徐々に再開しております。
以上の結果、売上高につきましては、製品売上高20億90百万円(前事業年度比15.3%増)、商品売上高1億97百万円(前事業年度比17.8%増)となり、売上高合計22億87百万円(前事業年度比15.5%増)となりました。
利益面におきましては、売上高の増加の影響により、営業利益3億1百万円(前事業年度比99.7%増)、経常利益3億55百万円(前事業年度比99.1%増)、当期純利益2億90百万円(前事業年度比160.6%増)となりました。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて3億80百万円増加し、43億97百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、4億15百万円(前事業年度3億48百万円)となりました。これは主に、税引前当期純利益3億27百万円に加え、減価償却費1億55百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動で使用した資金は、25百万円(前事業年度4億12百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入4億18百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出4億23百万円や有形固定資産の取得による支出1億3百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動で使用した資金は、36百万円(前事業年度36百万円)となりました。これは、配当金の支払額36百万円によるものであります。
③資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料等の製造費用、販売費及び一般管理費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
当事業年度末の現金及び現金同等物は、43億97百万円であり、短期運転資金及び設備投資、全ての資金を自己資金で賄っております。なお、当事業年度末における借入金はございません。
また、予定されている設備投資は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、全て自己資金で調達する予定であります。
④生産、受注及び販売の実績
当社は、スクリーン印刷用のマスク製造及び販売を行う事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
a.生産実績
品目別の名称 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前事業年度比(%) |
スクリーンマスク(千円) |
2,296,247 |
116.1 |
合計(千円) |
2,296,247 |
116.1 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
b.商品仕入実績
品目別の名称 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前事業年度比(%) |
スクリーン印刷用資機材(千円) |
159,360 |
115.3 |
合計(千円) |
159,360 |
115.3 |
(注)1.スクリーン印刷用資機材の商品仕入実績が、前事業年度に比べ増加しておりますが、これはスクリーン印刷関連設備の受注の増加によるものであります。
c.受注実績
品目別の名称 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|||
受注高(千円) |
前事業年度比(%) |
受注残高(千円) |
前事業年度比(%) |
|
スクリーンマスク |
2,118,548 |
117.2 |
91,241 |
143.6 |
スクリーン印刷用資機材 |
260,461 |
178.2 |
77,133 |
559.1 |
合計 |
2,379,010 |
121.8 |
168,375 |
217.7 |
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.スクリーン印刷用資機材の受注残高が、前事業年度に比べ大幅に増加しておりますが、これはスクリーン印刷関連設備の受注の増加によるものであります。
d.販売実績
品目別の名称 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前事業年度比(%) |
スクリーンマスク(千円) |
2,090,849 |
115.3 |
スクリーン印刷用資機材(千円) |
197,124 |
117.8 |
合計(千円) |
2,287,973 |
115.5 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
太陽誘電株式会社 |
217,599 |
11.0 |
233,571 |
10.2 |
和歌山太陽誘電株式会社 |
198,464 |
10.0 |
256,433 |
11.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、重要な変更はありません。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績は、以下のとおりであります。
(売上高)
製品売上高は、前事業年度比15.3%増の20億90百万円となりました。
商品売上高については、スクリーン印刷用資機材の売上が増加したため、前事業年度比17.8%増の1億97百万円となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高合計は前事業年度比15.5%増の22億87百万円となりました。
(利益)
当事業年度の営業利益につきましては、売上高の増加の影響で1億50百万円増加し、3億1百万円となりました。経常利益については、有価証券利息33百万円と為替差益26百万円が発生したことで、1億76百万円増加し、3億55百万円となりました。
以上の結果、当期純利益につきましては、1億78百万円増加し、2億90百万円となりました。
当社の当事業年度の財政状態は、以下のとおりであります。
(資産)
当事業年度末における流動資産は52億66百万円となり、前事業年度末に比べ1億51百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が3億49百万円増加したことによるものであります。固定資産は41億81百万円となり、前事業年度末に比べ3億21百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が2億96百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は94億47百万円となり、前事業年度末に比べ4億72百万円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は5億89百万円となり、前事業年度末に比べ1億48百万円増加いたしました。固定負債は4億37百万円となり、前事業年度末に比べ13百万円増加いたしました。
この結果、負債合計は10億27百万円となり、前事業年度末に比べ1億62百万円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は84億19百万円となり、前事業年度末に比べ3億10百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が2億53百万円増加したことや評価・換算差額等の増加56百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は89.1%(前事業年度末は90.4%)となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、主要顧客である電子部品業界の動向や、同業他社との受注競争の激化などが考えられます。
また、電子部品業界におきましては、技術革新のスピードが速く、製品の高精度化が著しいことから、当社は、お客様の要求する高精度な製品をより効率的に生産・販売ができるように取り組んでまいります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項」に記載しております。財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
お知らせ