当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
2022年3月期は新型コロナウイルス感染症の拡大による停滞状況から、ワクチン接種が進展したことにより経済活動に回復の兆しが見え始めているものの、世界的な物流の混乱、半導体の不足とそれに伴う自動車業界の生産低迷、原油価格等の原材料価格の上昇など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。このような環境のもとKIMOTOグループでは、働き方ガイドライン「New Work Style GUIDE」に基づき、従業員や家族の安全に配慮し「世の中に貢献し、お客様に喜んでいただける製品を提供する」ことを念頭に事業を進めております。
フィルム事業は、新型コロナウイルス感染症や世界的な半導体不足の影響が懸念されましたが、タッチパネル関連製品、ディスプレイを中心とした車載関連製品及び5G携帯端末に使用される電子部品の工程用製品が順調に推移いたしました。また、お客様の需要に応える高付加価値製品の提案に注力したことにより、案件の増加にも繋がりました。しかしながら、今後も世界的な物流の混乱や半導体不足による影響が考えられることから当面注視が必要と思われます。新たな取り組みとして、環境に配慮した素材を使用する新製品開発の着手や液状製品の販売を行い、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム(IATF16949)の品質基準を満たした質の高い提案と当社独自の技術力を活かして、世の中に貢献し利益向上に努めてまいります。
データキッチン事業は、国の施策である「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に伴う公共事業のBIM/CIM原則適用への対応などにより、土木・建築業界において3D関連のBIM/CIMをはじめとした売上増加に寄与しました。今後はモノづくりの現場へDXの提案を行うことで新たなビジネスモデルを構築し、土木・建築業界においては従来の高品質なデータサービスのみならずドローンなどによるデータ取得(計測・撮影)ビジネスやAR、VR、メタバースなどのビジネスにも注力いたします。
売上は半導体不足や物流の混乱が懸念される中、タッチパネル関連製品、車載関連製品及び電子部品の工程用製品が順調に推移いたしました。また土木・建築業界において、国土交通省の施策である BIM/CIM原則適用に向け3Dデータの利活用が増加しており、新規顧客及び都道府県からの需要拡大により3D関連の売上増加に寄与しました。営業利益においても原材料価格高騰の影響が懸念されましたが、高付加価値製品の販売強化、低収益品の統合及び生産業務効率化による製造原価低減に努めた結果、増収増益となりました。なお、第4四半期連結会計期間において連結子会社である瀋陽木本実業有限公司(中国)が所有する固定資産を譲渡した結果、特別利益(固定資産売却益)として187百万円を計上しております。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は12,235百万円(前連結会計年度比5.9%増)、営業利益は695百万円(同72.8%増)、経常利益は815百万円(同55.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は684百万円(同38.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当連結会計年度における売上高は11,210百万円(前連結会計年度比6.0%増)、営業利益は928百万円(同96.1%増)となりました。
当連結会計年度における売上高は508百万円(前連結会計年度比15.8%減)、営業損失は284百万円(前連結会計年度の営業損失は117百万円)となりました。
当連結会計年度における売上高は4百万円(前連結会計年度比46.0%減)、営業損失は23百万円(前連結会計年度の営業利益は2百万円)となりました。
当連結会計年度における売上高は512百万円(前連結会計年度比39.8%増)、営業利益は72百万円(同110.0%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 日本における受注残高はフィルム事業、データキッチン事業及びコンサルティング事業の金額を記載して
おります。日本以外の受注残高につきましては、見込み生産を行っているため記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
当連結会計年度末における資産、負債、純資産の状況は以下のとおりであります。なお、比較増減額はすべて前連結会計年度末を基準としております。
総資産は前連結会計年度末に比べ992百万円増加し、23,819百万円となりました。主な変動要因は、現金及び預金の増加1,512百万円、受取手形及び売掛金の減少283百万円、機械装置及び運搬具(純額)の減少274百万円であります。
負債は前連結会計年度末に比べ291百万円増加し、5,157百万円となりました。主な変動要因は、電子記録債務の増加325百万円、未払法人税等の増加211百万円、流動負債その他に含まれる設備関係債務の増加77百万円、支払手形及び買掛金の減少316百万円であります。
純資産は前連結会計年度末に比べ700百万円増加し、18,661百万円となりました。主な変動要因は、利益剰余金の増加448百万円、為替勘定調整勘定の増加204百万円であります。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.4ポイント下降し、78.3%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に対して11.9%増加し、13,926百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,573百万円の資金の増加(前連結会計年度は1,251百万円の資金の増加)となりました。主な増加要因として、税金等調整前当期純利益996百万円、減価償却費605百万円、売上債権の減少289百万円があり、主な減少要因として、固定資産除売却損益181百万円、法人税等の支払額123百万円がありました。
投資活動によるキャッシュ・フローは28百万円の資金の減少(前連結会計年度は271百万円の資金の減少)となりました。主な増加要因として、有形固定資産の売却による収入47百万円、無形固定資産の売却による収入64百万円があり、主な減少要因として、有形固定資産の取得による支出126百万円がありました。
財務活動によるキャッシュ・フローは235百万円の資金の減少(前連結会計年度は427百万円の資金の減少)となりました。減少要因として、配当金の支払額235百万円がありました。
当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入れのほか、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましても自己資金を基本としております。
(4) 重要な会計上の見積り、判断及び仮定
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っております。見積り及び判断は、継続的に評価され、過去の経験及び他の要因(状況により合理的であると認められる将来事象の発生見込みを含む)に基づいております。
会計上の見積りの結果は、その定義上、通常は関連する実際の結果と一致することはありません。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下の通りです。
①繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②従業員給付
当社グループが採用する退職給付制度は、数理計算上の仮定に基づいて算定されております。数理計算上の仮定には退職給付制度に係る確定給付債務の現在価値及び割引率等様々な変数についての見積り及び判断が求められます。
③金融商品の公正価値
金融資産及び金融負債の公正価値は、金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、またはその他の適切な評価方法により見積っております。
④引当金
引当金は、前回の引当金計上時に行った見積り実績の参照又は適切な場合には、専門家のアドバイス等を考慮して評価を行っております。賞与引当金は、当社グループの現在の業績値又は将来業績の予想値との比較に基づき算定しております。
⑤固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失の金額に影響を及ぼす可能性があります。
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