当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和され、景気持ち直しの動きが見られております。今後、経済活動の正常化が進み、さらに景気回復が期待される一方で、ウクライナ情勢や物価の上昇及び金融資本市場の変動等による経済への影響を注視する必要があります。
このような状況にあって当社は、先行受注増大を目的として、前事業年度に新設した東京ショールームに引き続き、宮城県仙台市に東北ショールームを新設し、積極的なPR活動を行いました。また、多様な働き方に対応可能な製品として、コラボレーションスペースをフレキシブルに生み出せるパーティション「corocoro(ころころ)」や、視線を遮り、集中できる作業空間を創造する「Atrium(アトリウム)」等を開発し、市場投入いたしました。営業部門においては、新製品群のPR活動を充実させ、短期間に完了する案件と先行物件への営業活動の強化を図り、見積及び受注獲得の拡大に向けて取り組んでまいりました。また、設計指定の獲得に向けて、本社技術者による営業支援にも注力しております。生産部門においては、業務のデジタル化を図り、最新設備の導入やIoTの活用による生産性向上への取り組みを一層進めてまいりました。
経営成績につきましては、これらの活動の結果、受注高が好調に推移し前事業年度と比較して12.5%の増加となりました。また、売上高としましては、用途別では、オフィス需要の回復もあり、官公庁向け、民間向けともにオフィスが好調に推移いたしました。品目別では、可動間仕切が好調で、ロー間仕切も堅調に推移いたしました。
売上高全体としましては、345億41百万円となり、前事業年度と比較して2.9%の増加となりました。受注残高におきましては、前事業年度比15.2%の大幅な増加となりました。
利益面につきましては、営業部門における個別工事案件ごとの適正な予算管理、生産部門及び設計部門における生産性の向上等に努めたものの、原材料価格の上昇による影響を大きく受け、売上総利益率が32.7%(前事業年度比2.4ポイント悪化)となり、営業利益は17億80百万円(前事業年度比24.2%減)、経常利益は18億47百万円(前事業年度比23.4%減)、当期純利益は12億40百万円(前事業年度比23.4%減)となりました。
なお、当事業年度の品目別の売上高、受注高及び受注残高の状況につきましては、次のとおりであります。
当事業年度における品目別生産実績は次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格で表示しています。
2 その他の主なものは、既存間仕切の解体・移設組立であります。
当事業年度における品目別受注実績は次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格で表示しています。
2 その他の主なものは、既存間仕切の解体・移設組立であります。
当事業年度における品目別販売実績は次のとおりであります。
(注) 1 その他の主なものは、既存間仕切の解体・移設組立であります。
2 前事業年度及び当事業年度のいずれにおいても、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
当事業年度末における資産総額は421億43百万円となり、前事業年度末より5億85百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金12億19百万円、棚卸資産1億60百万円等の増加と受取手形3億73百万円、電子記録債権2億78百万円等の減少による流動資産の増加8億20百万円及び有形固定資産1億50百万円の減少等による固定資産の減少2億34百万円によるものであります。
負債総額は67億43百万円となり、前事業年度末より1億22百万円の増加となりました。これは主に買掛金1億34百万円、流動負債「その他」に含まれる未払消費税等1億42百万円等の増加と未払金1億44百万円等の減少による流動負債の減少21百万円及び退職給付引当金1億28百万円等の増加による固定負債の増加1億44百万円によるものであります。
また、純資産につきましては、353億99百万円となり、前事業年度末より4億62百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金4億36百万円の増加によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度におけるキャッシュ・フローにつきましては、内部留保の充実を図りつつ、運転資金、設備投資、株主還元等へ資金を充当しております。
その結果、当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は112億46百万円となり、前事業年度末より5億30百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動により増加した資金は28億71百万円(前事業年度は32億56百万円の増加)となりました。これは主に、税引前当期純利益18億47百万円の計上、減価償却費10億70百万円、売上債権の減少額5億63百万円等による増加と、法人税等の支払額6億52百万円等による減少によるものであります。
投資活動により減少した資金は15億35百万円(前事業年度は6億97百万円の減少)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出9億85百万円、定期預金の預入及び払戻による純支出6億円等による減少と、保険積立金の払戻による収入84百万円等による増加によるものであります。
財務活動により減少した資金は8億5百万円(前事業年度は8億4百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払によるものであります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち、主なものは製造原価、工事原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要は、各工場の既存機械装置の維持更新および、本社建屋の維持更新等の設備投資によるものであります。運転資金及び設備資金の資金調達につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で対応しております。
(6) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は、事業効率向上と株主価値の最大化を図るため資本効率重視の経営を目指しており、売上高経常利益率、総資産経常利益率の2つの指標についてともに10%以上達成することを、経営目標として掲げております。当事業年度においては、売上高経常利益率は5.4%(前事業年度比1.8ポイント悪化)、総資産経常利益率は4.4%(前事業年度比1.4ポイント悪化)となりました。中長期的な会社の経営戦略に基づく諸施策を実施し、当社が目標として掲げている経営指標を達成できるように努めてまいります。
当社の中長期的な経営戦略につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおりであります。
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