当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発動により、引き続きウイルスの感染状況に左右される状況となりました。海外においてはワクチン接種の進展により経済活動再開の動きが見られたものの、感染が再拡大している地域も多くあり、総じて先行きが見通せない状況が続きました。
こうした経済情勢の下、当社グループの属するアウトドア・スポーツ・レジャー業界は、フィッシングやゴルフなどの分野が、これからの時代にマッチしたアクティビティとして支持をいただき、市況は堅調に推移しました。その一方で、当社においては、コロナ禍や国際的な物流網の混乱により、製品供給の遅れや一時的な生産調整を余儀なくされましたが、生産計画の見直し等により影響を最小限に留めるよう、鋭意努めてまいりました。その結果、当連結会計年度におきましては、売上高は1,206億8千4百万円(前期比20.3%増)となりました。利益面におきましても、売上の増加に伴い、営業利益は123億4千9百万円(前期比66.7%増)、経常利益は129億9千7百万円(前期比81.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は95億6千7百万円(前期比99.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の内部売上高及び振替高を含んでおります。
日本地域におきましては、昨年度からのコロナ禍が続く中、フィッシングやゴルフの市況は依然堅調に推移いたしました。一方で製品の供給面では生産遅延や物流の混乱で遅れが生じましたが、多様な市場ニーズに対応した製品を投入したこと等により、売上高は825億4千4百万円(前期比14.5%増)、セグメント利益は88億1千2百万円(前期比48.2%増)となりました。
米州地域におきましては、コロナによる規制の緩和を受け個人消費が回復する中、現地のニーズに合った新製品が好調に推移し、売上高は101億2千9百万円(前期比26.3%増)となりました。一方利益面では国際的な物流の逼迫、費用の高騰が利益を圧縮しましたが、増収効果でマイナス面を吸収し、セグメント利益は1億9千4百万円(前期比15.5%増)となりました。
欧州地域におきましては、コロナによる規制解除が進み、経済が回復する中で、アウトドア・スポーツ・レジャーの市況も堅調に推移しました。このような中当社は、地域のニーズに合った新製品が好評を博し、売上高は135億5千3百万円(前期比28.0%増)、セグメント利益は10億7千1百万円(前期比81.1%増)となりました。
アジア・オセアニア地域におきましては、コロナの感染状況により各国毎の市況にばらつきはあるものの、総じて市況は堅調に推移いたしました。そのような中、市場に適合した新製品の発売やマーケティングの強化により、売上高は427億7千万円(前期比36.7%増)、セグメント利益は50億3百万円(前期比83.2%増)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
2 金額は販売価格によっております。
当社グループは、主に過去の実績と将来の需要の予測による見込生産をしております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当社グループにおいては、当該割合が100分の10以上となる相手先はないため記載を省略しております。
当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末と比べて129億5千2百万円増加の906億8千2百万円となりました。
流動資産は88億3千5百万円増の591億2千6百万円となりました。売上拡大に伴い、棚卸資産が増加したことが主な要因です。固定資産は41億1千7百万円増加し、315億5千6百万円となりました。生産工場の土地及び建物構築物、生産用機械装置等の取得により増加致しました。
負債合計は532億4百万円と前連結会計年度末と比べ30億5千2百万円増加しました。流動負債は67億5千3百万円増の409億9千6百万円、固定負債は37億1百万円減の122億7百万円となりました。主な要因は借入金の返済を行った一方で、生産拡大により、仕入債務が増加したことによるものです。
純資産合計は前連結会計年度末と比べて99億円増の 374億7千8百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことが主な要因です。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ20億8百万円減少し、71億4千9百万円(前連結会計年度末は91億5千7百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を計上した一方、棚卸資産が増加したことにより、69億5千6百万円の収入(前連結会計年度は158億4千2百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、土地の購入や生産設備や新製品生産用金型を中心とした設備投資を行ったことから、68億4千7百万円の支出(前連結会計年度は33億7千6百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済や配当金の支払により、24億7千万円の支出(前連結会計年度は83億5千6百万円の支出)となりました。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、本社においては金融機関とのコミットメントライン契約による安定的な資金調達を行うとともに、グループ全体での資金効率を高めるため、本社管理の下、グループ間での資金融通を実施しております。
設備投資や長期運転資金の調達については金融機関からのスワップ等利用した長期固定資金の調達を基本としており、長期に亘り良好な関係を築いてきた複数の金融機関から相対借入に加え、シンジケート・ローンを活用した調達を実施しております。
今期においては、売上高の伸長に伴い、営業活動によるキャッシュフローは増加しましたが、棚卸資産の増加や生産増強のための設備投資を行ったため、期末の現金及び現金同等物の残高は減少しました。しかしながら、金融機関からは安定的に資金供給を受けており、将来必要な運転資金や設備投資資金は安定的に確保できるものと考えております。
今後もコストを抑えた安定資金を調達するため調達方法の多様化を図ってまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、本報告書「第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、実際の結果は、見積りに含まれる不確実要素によりこれらの見積りと異なる場合があります。
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