業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の促進や感染拡大防止策等の効果による新規感染者数の減少に伴い、10月以降、緊急事態宣言が解除され個人消費に持ち直しの動きが見られたものの、感染症拡大の長期化の影響により個人消費の低迷や経済活動が制限されるなど、総じて厳しい状況で推移しました。

当アパレル・ファッション業界におきましても、緊急事態宣言の再発出などにより、店舗の臨時休業や時短営業、外出自粛の影響などによる来店客数の減少が長期化し、厳しい状況が続きました。

このような状況の中、当社グループは、経営環境の変化に対応すべく、EC事業のさらなる強化や重点ブランドの新規出店を推し進めるなど売上高の増加に努めるとともに、不採算ブランドの廃止や不採算店舗の閉鎖、仕入の抑制や経費の削減など、徹底した効率経営を推し進めてまいりました。

その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は410億6千5百万円前年同期比10.9%増)、営業利益は27億2千5百万円前年同期比328.1%増)、経常利益は29億7千3百万円前年同期比250.6%増)、経常利益率は7.2%、親会社株主に帰属する当期純利益は19億9千1百万円前年同期比361.1%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績の概況は次のとおりであります。

 

(アパレル関連事業)

「日本」につきましては、店舗の時短営業や臨時休業等により厳しい環境が続きましたが、主力ブランドの「イル ビゾンテ」において新規出店策を推し進めるとともに、「A.P.C.」ではコラボレーション商品の販売を行うなど、効果的な販促活動を実施した結果、主力ブランドの売上高は前年同期を上回りました。また、EC事業においては、他社サイトへの新規出店に加え、店舗と自社ECサイトとの在庫連携機能を強化するなど、引き続きお客様の利便性向上に取り組んだことにより前年同期から売上高が増加しました。その結果、売上高は210億7千4百万円前年同期比4.9%増)、営業利益は11億3千5百万円前年同期比148.4%増)となりました。

「韓国」につきましては、11月以降、新型コロナウイルスの新規感染者数が増加しておりますが、ワクチンのブースター接種が進んでいることなどにより、店舗への来店客数が回復傾向に向かう中、株式会社アイディールックにおいては、インポートブランドの店舗での販売やプロモーションを強化した自社ECサイト「I.D.LOOKモール」での販売が好調に推移いたしました。株式会社アイディージョイにおいては、店舗数の拡大を推し進め、売上高が増加いたしました。その結果、売上高は177億5千6百万円前年同期比18.1%増)、営業利益は18億9千3百万円前年同期比171.2%増)となりました。

「欧州」につきましては、主力である卸売事業は引き続き堅調に推移いたしましたが、変異株の影響による新規感染者数の増加に伴ってイタリアやフランスの直営店舗の来店客数が回復せず、厳しい状況が続きました。その結果、売上高は39億3千2百万円前年同期比23.3%増)、営業利益は1億6千8百万円前年同期比60.8%減)となりました。

「その他海外」(香港・中国・米国)につきましては、ルック(H.K.) Ltd.(香港)において、度重なる外出制限が発出されるなど、厳しい環境が続きました。米国においては、直営店舗の来店客数が徐々に回復傾向にあります。その結果、売上高は4億1千6百万円前年同期比5.6%増)、営業損失は1億7千7百万円前年同期は1億2千7百万円の営業損失)となりました。

これらの結果、アパレル関連事業の売上高は431億7千9百万円前年同期比11.6%増)、営業利益は30億1千9百万円前年同期比107.4%増)となりました。

 

(生産及びOEM事業)

「生産及びOEM事業」につきましては、株式会社ルックモードにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響により、株式会社ルックが展開するオリジナルブランドの受注が減少したことに加え、OEM事業の取扱高が減少いたしました。その結果、売上高は22億3千5百万円前年同期比8.4%減)、営業損失は2千万円前年同期は6千5百万円の営業損失)となりました。

 

(物流事業)

「物流事業」につきましては、株式会社エル・ロジスティクスにおいて、主にEC物流の取扱高が増加したことにより、売上高が増加いたしました。その結果、売上高は12億4千8百万円前年同期比4.3%増)、営業利益は8千1百万円前年同期比88.2%増)となりました。

 

(飲食事業)

「飲食事業」につきましては、株式会社ファッショナブルフーズ・インターナショナルが運営する「ジェラテリア マルゲラ」において、緊急事態宣言の発出にともなう店舗の臨時休業や時短営業の実施により、店舗での売上高は減少いたしましたが、宅配サービス等の売上高は伸長いたしました。その結果、売上高は5千6百万円前年同期比27.7%増)、営業損失は2千5百万円前年同期は3千万円の営業損失)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年1月1日
 至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

アパレル関連事業

 

 

 

日本

(百万円)

336

82.8

韓国

(百万円)

2,229

83.3

欧州

(百万円)

1,919

133.3

その他海外

(百万円)

アパレル関連事業計

(百万円)

4,485

99.1

生産及びOEM事業

(百万円)

2,189

88.2

物流事業

(百万円)

飲食事業

(百万円)

13

109.8

合計

(百万円)

6,688

95.3

 

(注) 1.金額は製造原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の他に商品仕入が11,047百万円あります。

 

② 受注状況

当社グループは主に見込生産を行っており、婦人服生産の一部のみ受注生産を行っておりますが、全体に占める割合が僅少であるため記載を省略しております。

 

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年1月1日
 至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

アパレル関連事業

 

 

 

日本

(百万円)

21,045

105.0

韓国

(百万円)

17,729

118.4

欧州

(百万円)

1,368

141.5

その他海外

(百万円)

416

105.6

アパレル関連事業計

(百万円)

40,559

111.5

生産及びOEM事業

(百万円)

402

82.5

物流事業

(百万円)

47

52.4

飲食事業

(百万円)

56

127.7

合計

(百万円)

41,065

110.9

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産

当連結会計年度末の資産につきましては、現金及び預金が33億2千8百万円受取手形及び売掛金が6億7千8百万円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ41億5千5百万円増加し、508億7千7百万円となりました。

② 負債

負債につきましては、借入金、未払法人税等、未払消費税等がそれぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ20億7千1百万円増加し、245億5千3百万円となりました。

③ 純資産

純資産につきましては、自己株式の増加により2億5百万円減少しましたが、利益剰余金が17億6千万円為替換算調整勘定が4億3千9百万円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ20億8千3百万円増加し、263億2千4百万円となりました。

この結果、自己資本比率は、51.7%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、下記のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は27億7千7百万円となり、増加要因として非資金項目である減価償却費12億8千3百万円、たな卸資産の減少6億2千6百万円など、減少要因として売上債権の増加6億2千4百万円などにより、40億4千7百万円の収入前年同期は19億5千万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出7億6千5百万円、無形固定資産の取得による支出2億2千9百万円などにより、10億9千5百万円の支出前年同期は19億2千7百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額2億3千2百万円、自己株式の取得による支出2億5百万円などがありましたが、借入金の純増額8億8千4百万円があったことなどにより、2億5千6百万円の収入前年同期は2億1千5百万円の支出)となりました。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、上記のキャッシュ・フローに、現金及び現金同等物に係る換算差額9千8百万円の増加により、前連結会計年度末に比べ33億6百万円増加し、93億6千5百万円となりました。

 

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループでは、事業活動の維持・拡大を図るための事業投資、設備投資及び運転資金などの資金需要に対する適切な資金の確保と適正水準の流動性の維持に努めております。

当社グループの主な資本の財源は営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金であります。

資金の流動性を確保するため、運転資金などの資金需要に対して、自己資金のほか、複数の金融機関と当座貸越契約を締結しております。

また、中長期的な経営基盤の構築を目的として、2020年度においてシンジケートローン契約を締結し、借入期間の長期化により、資金調達のより一層の安定化と金融費用の圧縮を行っております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大及び影響の長期化に備え、金融機関からの長期借入を行うなど、事業活動を行う上で十分な運転資金を調達しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

また、新型コロナウイルス感染症の影響に係る会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

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