(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、日銀の金融緩和策や政府による経済政策の継続等を背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善等から緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら国内における人手不足の深刻化、海外では米中間の貿易摩擦問題からの影響、英国のEU離脱における混乱等も見られ、景気の先行につきましては懸念される状況となっております。
食品流通業界におきましても、個人消費の一定の回復傾向は見られたものの、水産物においては主要魚種の漁獲低迷が継続し、魚価の高止まりと物流コスト等の上昇が続くなか、消費には低価格志向と多様化が続いており、依然として厳しい経営環境となっております。また、築地市場の豊洲への移転に伴い、当社は昨年10月より豊洲市場での業務を開始いたしました。習熟面を含めた種々の改善点は依然あるものの、大きな混乱はなく移転を完了できたものと認識しております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、水産物卸売事業の取扱数量減少を主要因として、売上高は前年同期に比べ(以下同じ)3.3%減収の109,435百万円となり、魚価の高止まりを背景とする仕入コストの上昇等により、営業利益は34.6%減益の362百万円、経常利益は27.2%減益の427百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、豊洲市場に設置した省エネ設備に対する補助金等の特別利益52百万円を計上し、同補助金に対する固定資産圧縮損及び移転に伴う一時費用等の特別損失110百万円を計上したこと等により、64.8%減益の261百万円となりました。
当連結会計年度における事業別の概況は、次のとおりであります。
[水産物卸売]
取扱品目の単価は上昇したものの、主要魚種の漁獲低迷と引き続く天候不順や災害等による調達環境の悪化から取扱数量が減少し、売上高は4.1%減収の100,592百万円となり、魚価の高止まりと物流コスト上昇を背景とする仕入コストの上昇等により、セグメント利益は64.9%減益の123百万円となりました。
[不動産賃貸]
2017年11月より稼働を開始した新規賃貸マンションが寄与し、売上高は354百万円と6.9%の増収となり、セグメント利益は180百万円と20.0%の増益となりました。
[水産物その他]
主要水産物の単価高と新規顧客の取扱い伸長等により、売上高は8,487百万円と7.0%の増収となり、セグメント利益は58百万円と12.4%の増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは売上債権やたな卸資産の 増加 等 により、2,383百万円の支出(前連結会計年度は2,244百万円の収入)となりました。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは固定資産の取得等により、140百万円の支出(前連結会計年度は708百万円の支出)となり、財務活動によるキャッシュ・フローは短期借入金の増加等により、1,791百万円の収入(前連結会計年度は1,448百万円の支出)となりました。
この結果、現金及び現金同等物期末残高は732百万円減少し、1,333百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 |
種類別 |
数量(トン) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
受託品 |
22,683 |
88.5 |
20,146 |
91.7 |
水産物卸売 |
買付品 |
77,088 |
96.4 |
76,744 |
99.7 |
|
小計 |
99,772 |
94.5 |
96,891 |
97.9 |
不動産賃貸 |
|
- |
- |
- |
- |
水産物その他 |
|
- |
- |
8,097 |
111.5 |
合計 |
99,772 |
94.5 |
104,989 |
98.8 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.本表における仕入高は、水産物卸売業の受託品については販売高から販売手数料を控除した金額を、水産物卸売業の買付品及び水産物その他事業については仕入金額を計上しております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 |
種類別 |
数量(トン) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
受託品 |
22,683 |
88.5 |
21,317 |
91.7 |
水産物卸売 |
買付品 |
75,560 |
93.3 |
79,274 |
97.1 |
|
小計 |
98,244 |
92.1 |
100,592 |
95.9 |
不動産賃貸 |
|
- |
- |
354 |
106.9 |
水産物その他 |
|
- |
- |
8,487 |
107.0 |
合計 |
98,244 |
92.1 |
109,435 |
96.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの売上高は、不動産賃貸事業において、2017年11月より稼働を開始した新規賃貸マンションが寄与し、前連結会計年度と比べ(以下同じ)6.9%の増収、水産物その他事業において、主要水産物の単価高と新規顧客の取扱い伸長等により7.0%の増収となったものの、主力である水産物卸売事業において、主要魚種の漁獲低迷と引き続く天候不順や災害等による調達環境の悪化から取扱数量が7.9%減少したこと等により4.1%の減収となり、全体でも3.3%減収の109,435百万円に留まりました。
利益面は、魚価の高止まりと物流コスト上昇を背景とする仕入コストの上昇等により売上総利益が5.0%減少し、販売費及び一般管理費は2.2%減少したものの、営業利益は34.6%減益の362百万円となりました。
なお、セグメント別の業績については、「 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 」をご参照ください。
当連結会計年度における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ(以下同じ)、売上債権やたな卸資産等が増加したことにより、1,312百万円増の23,091百万円となりました。
有利子負債は1,886百万円増の7,781百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、85百万円増の9,533百万円となり、自己資本比率は41.3%(前連結会計年度末43.4%)となりました。
なお、キャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの資金政策として、グループの資金調達を当社に集約することによって効率化を図っております。また、内部留保の充実等により、有利子負債の圧縮を目指しております。
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