課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「誠実と信用」「進取と創造」「人間尊重」の3つを経営理念としております。社会的存在としての企業にとり継続性は主要な命題のひとつと考えますが、「誠実と信用」の理念のもと、当社グループは「産業とくらし」分野における技術専門集団として、長年にわたり株主様や取引先様をはじめ多くのステークホルダーから厚い信頼をいただいております。

 創業以来350年を超える長い歴史と伝統をもつ当社グループは、「進取と創造」の理念のもと、経営環境の変化に臨機に対応し、常に積極果敢の経営を心掛けております。

 また、当社グループは「人間尊重」をあらゆる企業活動の基本と位置づけ、CS(顧客満足度)向上を最優先とする経営戦略を展開し、多くのお客様からご支持をいただいております。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

 今後の経済情勢につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学リスクの影響や原油価格の高騰による影響など、国内・世界経済ともに不透明な経済環境が続くと思われます。一方、欧米を中心にアフターコロナを見据えた経済活動の正常化が進み、各国においても財政・金融政策などにより経済の回復が期待されます。特にAI/IoT・ロボット技術を用いた自動化や省人化、カーボンニュートラルを見据えた環境・省エネへの設備投資需要にはより一層の拡大が見込まれます。

 このような状況の中、中期経営計画「Growing Together 2023」の最終年度をむかえ、「成長事業戦略」「コア事業戦略」「経営基盤の強化」の諸施策を実行し、業界トップレベルの収益構造をもつ『つなぐ 複合専門商社グループ』への成長を目指してまいります。

 また、環境負荷削減の実現に向けたグローバルな経済活動が急速に広がり、企業には持続可能な社会の実現に向けた取り組みの必要性が求められている中、TCFDへの賛同を表明し事業活動を通じた「ESG」「SDGs」に向けた取り組みを強化してまいります。

 

1.「ユアサビジョン360」の概要

 創業360周年を迎える2026年のありたい姿として、業界トップレベルの収益構造を持つ複合専門商社グループへの成長を目指します。2026年3月期の定量計画としては、連結売上高6,000億円、連結経常利益200億円、経常利益率3.3%を目指します。

 

2.中期経営計画「Growing Together 2023」の進捗と今後の取り組みについて

 「成長事業戦略」「コア事業戦略」「経営基盤の強化」を基本方針として、「総合力」「チャレンジ」「コミュニケーション」をキーワードに、成長事業(=社会課題解決ビジネス)の発掘・育成を行うとともに、真の働き方改革による生産性向上を実現します。

 

(1)成長戦略の推進に向けて

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(2)サステナビリティ推進について

[サステナビリティ推進委員会によりESGアクションプランを推進します]

 当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、サステナビリティに関する方針及び活動計画等を取締役会に答申し、ESGの重要課題を含めたサステナビリティに資する経営の推進を図ることを目的としてサステナビリティ委員会を設置するとともに、総合企画部内のサステナビリティ推進室に専任担当者を配置しております。

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[E(環境)S(社会)G(ガバナンス)の各項目における諸施策を実行します]

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(3)デジタルトランスフォーメーション(DX)推進について

[DX推進により「コト売り」のデジタル商社を目指します]

●データを起点にしたビジネスを推進

データ活用に向けたデータ整理と収集の開始

「モノ売り」から「コト売り」への変革に向け、あらゆる顧客接点でデータを収集し、蓄積されたデータから顧客の感情や行動を分析し顧客視点の新しいビジネスモデルを構築するためのデータ整理・収集を開始しました。

●DX推進体制の強化

DX推進部を創設

DX戦略立案と、データを蓄積活用できるシステム構築のため、IT知識をもつ営業経験者とシステム構築経験者で構成されるDX推進部を2022年4月に新設しました。

DX人材育成の促進

デジタルと戦略の融合を目的として、全国より選出したDX推進メンバーを中心に経営戦略策定の基礎知識や各種分析手法の習熟に向けた研修を開始しております。

 

(4)コーポレートガバナンスの強化

[プライム市場上場会社として、コーポレートガバナンス・コードに沿った対応を強化します]

① TCFD提言への賛同(新規)

TCFD提言に賛同し、気候変動に関する情報開示に向けた取り組みをスタート(2022年3月)

② 社外取締役の割合:3分の1以上(継続)

2021年より独立社外取締役比率37.5%を維持

③ 政策保有株式の縮減(継続)

意義や資本コスト等を踏まえた合理性について検証し、保有の合理性が認められなくなったと判断される銘柄については売却しております。

・2022年3月期の売却実績 16銘柄 991千株

売却の結果、2022年3月期末の政策保有株式が連結純資産に占める割合は6.83%となりました。

④ 取締役会の監督機能強化(継続)

ガバナンス諮問委員会の答申を受け、取締役会付議基準を見直し

 

(5)資本政策(株主還元方針)

 事業活動を通じて創出した利益を、財務基盤の健全性を維持しつつ、成長に向けた投資に充てることにより、1株当たり利益を増大させ、株主価値の向上を図ります。

[株主還元方針]

 連結株主還元率(配当・自己株式取得)は33%以上を目標とします。

[自己株式の取得]

 株主還元及び資本効率の向上と経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能にするため、1,700,000株を上限に、2022年5月16日から2023年5月12日までに総額40億円の自己株式を取得いたします。

 

●中期経営計画「Growing Together 2023」の詳細については、以下の当社ホームページ「IR・株主情報」に掲載しておりますので、併せてご参照ください。

 

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