(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、下半期にはワクチン接種の進展などによる持ち直しがみられたものの、全体としては新型コロナウイルス感染症の影響により、設備投資が減少するなど大幅に下押しされ厳しい状況となりました。
当社グループが主に関連いたします建設業におきましては、公共工事や民間設備投資も下半期にかけて持ち直しが見られたものの、物流の停滞などにより新型コロナウイルス感染症拡大前の水準までには回復いたしませんでした。
このような状況のもと、鋲螺部門におきましては仕入価格の上昇にあわせた販売価格の改定、全社的な経費削減、在庫管理システムの改善などにより業務効率の向上に努めました。また、工具分野ではインターネット販売における粗利率の向上などに取り組みました。その結果、当部門の売上高は15,939百万円となりました。
コンクリート製品関連金物部門におきましては、災害復旧工事関連及び各地道路工事、大型都市部再開発案件などを積極的に受注しました。その結果、当部門の売上高は3,313百万円となりました。
以上のことから、当社グループの当連結会計年度の売上高は、19,252百万円(前期比1.6%増)となりました。損益面では営業利益が158百万円(前期は営業損失57百万円)、経常利益は395百万円(前期比2,070.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は258百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失132百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ11百万円増加し、1,967百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、28百万円(前連結会計年度は601百万円の資金の獲得)となりました。
支出の主な内訳は、売上債権の増加額803百万円、たな卸資産の増加額219百万円であり、収入の主な内訳は、仕入債務の増加額489百万円、税金等調整前当期純利益395百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,170百万円(前連結会計年度は1,115百万円の資金の使用)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出2,593百万円、投資有価証券の取得による支出644百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、3,196百万円(前連結会計年度は221百万円の資金の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、長期借入による収入5,598百万円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の純減少額2,050百万円であります。
当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における仕入実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下の通りであります。
(1) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、19,252百万円となり、前連結会計年度に比べ302百万円(前期比1.6%)増加となりました。これは、公共工事や民間設備投資が下半期にかけて持ち直したことや、災害復旧工事関連及び各地道路工事、大型都市部再開発案件などを積極的に受注したことによります。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は15,230百万円となり、前連結会計年度に比べ210百万円(前期比1.4%)増加となりました。これは、売上高増加による仕入高の増加によるものであります。この結果、売上総利益は、4,022百万円となり、前連結会計年度に比べ92百万円(前期比2.3%)増加となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、3,864百万円となり、前連結会計年度に比べ123百万円(前期比3.1%)減少となりました。これは、当社グループが進めている物流施設への投資の一環とした、全国の各支店倉庫への自動倉庫導入等により減価償却が増加しましたが、運送会社見直しによる荷造運送費の減少や、営業活動による出張等の自粛による旅費等が減少しました。この結果、営業利益は158百万円(前期は営業損失57百万円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は334百万円となり、前連結会計年度に比べ71百万円(前期比27.1%)増加となりました。これは受取配当金の増加や、有価証券運用益の増加によるものであります。営業外費用は、97百万円となり、前連結会計年度に比べ89百万円(前期比48.0%)減少となりました。これは前連結会計年度にあった新物流倉庫建設のためのシンジケートローン契約によるシンジケートローン手数料によるものであります。この結果、経常利益は395百万円となり、前連結会計年度に比べ376百万円(前期比2,070.5%)増加となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、258百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失132百万円)となりました。
当社グループは適切な流動性の維持、事業活動のための資金確保、および健全なバランスシートの維持を財務方針としております。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,307百万円(10.7%)増加し、13,539百万円となりました。これは、電子記録債権が599百万円、有価証券が312百万円、商品が219百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて2,832百万円(23.5%)増加し、14,900百万円となりました。これは、建設仮勘定が2,445百万円、投資有価証券が575百万円それぞれ増加したことによるものであります。主な要因として、建設仮勘定の増加は新物流倉庫建設によるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて4,140百万円(17.0%)増加し、28,439百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,228百万円(10.8%)減少し、10,113百万円となりました。これは、短期借入金が2,050百万円減少し、支払手形及び買掛金が489百万円増加したことによるものであります。主な要因として、短期借入金の減少は新物流倉庫建設に伴う繋ぎ融資の長期借入金への振替によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて5,360百万円(228.2%)増加し、7,709百万円となりました。これは、長期借入金が5,411百万円増加し、繰延税金負債が41百万円減少したことによるものであります。主な要因として、長期借入金の増加は新物流倉庫建設の為の借入金によるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて4,131百万円(30.2%)増加し、17,823百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて8百万円(0.1%)増加し、10,615百万円となりました。これは、利益剰余金が111百万円、退職給付に係る調整累計額が33百万円それぞれ増加し、その他有価証券評価差額金が136百万円減少したことによるものであります。
キャッシュ・フローの状況については、「(経営成績等の状況の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、固定資産への投資資金であります。運転資金の主な内容は商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。固定資産への投資資金の主な内容は全国拠点への自動倉庫の導入や新物流倉庫への投資であります。
資金の調達については、自己資金または、金融機関からの借入等を基本方針として調達しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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