業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度の売上高は、前年同期比 10.0 %減の 42 37 百万円となりました。主として、アパレル事業において、不採算店舗閉鎖による店舗数の減少や新型コロナウイルス感染症の影響で店舗売上が低調に推移したことと、ネット通販での前年の大幅伸長からの反動減が要因となり減収となりました。

売上総利益率は、アパレル事業においては、製造原価の低減と格下げ率の抑制による売上総利益率の改善に取り組みましたが、円安による原価上昇と販売不調による格下げ販売の増加により改善につなげることはできず、アパレル事業では前年同期に対し 4.0 ポイントの悪化、全体では 3.7 ポイントの悪化となりました。売上総利益額は、減収に伴い前年同期比 17.2 %減の 17 96 百万円となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、前期における店舗の休業や勤務時間短縮に伴う人件費等の減少の反動増がありましたが、不採算店舗の閉鎖による店舗経費の減少、ネット通販に係る運送費の減少等により、前年同期比 9.4 %減の 23 61 百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業損失は5億 64 百万円(前年同期は営業損失4億 37 百万円)、経常損失は6億9百万円(前年同期は経常損失 4 34 百万円)となりました。

加えて、前掲の事業ポートフォリオの転換、アパレル事業の大幅縮小に伴い発生が見込まれる従業員に対する退職金、在庫評価損等、総額2億7百万円の構造改革費用及び引当金を計上し、主にアパレル事業の縮小に伴い回収が見込めない資産について 63 百万円の減損損失を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は8億 92 百万円(前年同期は当期純損失4億 16 百万円)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第 29  2020 年3月 31 日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第 30  2021 年3月 26 日)を当連結会計年度の期首より適用しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載しております。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

アパレル事業

当期における既存店ベースの売上高は、インショップ業態では前年同期比6.0%減、テナントショップでは同7.2%減となりました。特に第2四半期(7月~9月)における新型コロナウイルス感染症の急拡大と2度にわたる緊急事態宣言の発出により、消費マインドが低迷したことが影響し低調な推移となりました。下期に入り感染者数が大幅に減少し、緊急事態宣言も解除されたことで消費マインドは持ち直しつつあり、第3四半期後半からは気温の冷え込みが強まり冬物の動きが活性化し、年度末にかけて春物の動きも好調であったことにより、既存店売上も前年を上回るペースまで回復しました。

当期における出退店については、インショップ1店舗、 n.o.u.s ショップ1店舗、アウトレットショップ 1 店舗の新規出店と、インショップ7店舗、 n.o.u.s ショップ1店舗、テナントショップ1店舗の退店を実施し、当期末の店舗数は 217 店舗となりました。

以上の結果、店舗業態の売上高は、前年同期比 7.8 %減の 22 20 百万円となりました。

ネット通販につきましては、前年の第1四半期において売上高が大幅増となった反動減が大きく、 9 月以降は持ち直しの動きが見られるものの、当期の売上高は、前年同期比 36.9 %減 6 66 百万円となりました。

卸業態については、一般専門店向け卸販売は減少となりましたが、業績好調な量販専門店への卸販売は、取り組み強化に努めた結果、堅調な推移となり、当期の売上高は前年同期比 15.1 %増の 11 82 百万円となりました。

以上のとおり、当期におけるアパレル事業の売上高は、前年同期比 9.5 %減の 40 68 百万円となりました。

 

その他事業

当社は、保育園事業においては、特徴ある保育園運営を目指して当社の独自サービスである「らくらく保育」の全園展開や幼児教育等のサービスの拡充に取り組んだ結果、充足率も前期を上回る推移となりました。

ウェアラブルIoT事業においては、導入園の拡大に向けて保育博への出展や代理店の拡大など、営業強化に注力した結果、当期における導入及びトライアル実施施設は 15 園増加し 45 園となりました。

2021 年2月に開始した不動産事業においては、安定した収益を確保しており、年度を通じて収益に貢献しました。

以上の結果、当期におけるその他事業の売上高は、不動産事業の売上高が純増となりましたが、保育園事業における運営受託の契約形態を変更したことにより、前年同期比 20.8 %減の1億 69 百万円となりました。

 

以上のとおり、当連結会計年度の業績は、減収、大幅な赤字拡大と非常に厳しいものとなりました。このような状況を踏まえ、前記のとおりの事業ポートフォリオの転換により、全社的な収益構造を抜本的に変革し、 2023 年3月期の単年度の黒字化、将来的な成長と安定的な財務基盤の構築を実現し、企業価値の回復と向上に努めてまいる所存であります。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

アパレル事業

2,307,576

102.8

その他事業

9,662

26.5

合計

2,317,239

101.6

 

(注) 金額は、製造原価及び仕入価額であります。

 

② 受注実績

当社は受注生産を行っておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

アパレル事業

4,068,909

90.5

その他事業

169,041

79.2

合計

4,237,950

90.0

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

イオンリテール㈱

1,086,068

23.1

848,792

20.0

 

 

 

(2) 財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べ、1億43百万円減少し24億62百万円となりました。主な増加は現金及び預金が99百万円、主な減少は売掛金が57百万円、商品及び製品が1億25百万円であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ7億39百万円減少し、1億25百万円となりました。主な減少は、有形固定資産7億41百万円であります。その主な内容は、不動産事業拡大に向けたM&A資金の一部を調達するために、当社が所有する収益物件の建物及び土地を売却したことによるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は前連結会計年度末に比べ6億86百万円増加し、19億48百万円となりました。主な増加は、支払手形及び買掛金84百万円、事業ポートフォリオの転換によるアパレル事業の縮小に伴う事業構造改革引当金1億99百万円、1年内返済予定の長期借入金を含めた借入金3億72百万円であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は前連結会計年度末に比べ6億86百万円減少し、5億18百万円となりました。約定弁済及び収益物件の売却に伴う返済により長期借入金が6億64百万円減少しております

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ、8億82百万円減少し1億19百万円となりました。主として親会社株主に帰属する当期純損失8億92百万円によるものです。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の28.5%から3.8%となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、4億68百万円と前年同期と比べ99百万円(27.0%)の増加となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、2億72百万円の支出(前連結会計年度は2億47百万円の支出)となりました。税金等調整前当期純損失8億89百万円と前期に対し4億78百万円の赤字拡大となりましたが、減価償却費39百万円、減損損失63百万円、事業構造改革引当金1億99百万円、棚卸資産の減少1億58百万円、仕入債務の増加84百万円等の要因により、キャッシュ・フローのマイナスは、前期に対し24百万円の拡大となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、 6 47 百万円の収入(前連結会計年度は5億 70 百万円の支出)となりました。有形固定資産の売却による収入7億 86 百万円と有形固定資産の取得による支出 95 百万円、無形固定資産の取得による支出 16 百万円が主たる内容であり、収入は不動産事業拡大に向けたM&A資金調達のための物件売却によるものであり、支出は主に物流センター新設に伴うマテハン機器の購入及び倉庫管理システムの購入によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億 76 百万円の支出(前連結会計年度は 10 56 百万円の収入)となりました。主な増減要因は、短期借入金の純増1億 71 百万円、長期借入れによる収入 62 百万円、長期借入金の返済5億 26 百万円、第 16 回新株予約権の発行及び第 16 回新株予約権行使による株式発行収入 18 百万円です。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金需要の主なものは製品仕入のほか、店舗運営に関わる人件費や家賃等の営業費用であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金によって充当しております。また、物流設備やNET通販にかかるシステムの設備投資資金については、借入金に加え、第三者割当増資や新株予約権行使により調達しております。

当社グループは、取引金融機関との緊密な関係維持に努めており、定期的に業績改善に向けた取組み状況等に関する協議を継続しつつ、状況を判断しながら第三者割当増資や新株予約権の発行を行うなど、安定的で機動的な資金調達の維持向上に努めております。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うことから、実際はこれらと結果が異なる場合があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウィルス感染症の拡大可能性やこれに伴う顧客の動向、市場に与える影響等を予想することは極めて困難ではありますが、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき会計上の見積りを行っております。

 

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