当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が依然として続き、経済活動の自粛等により企業活動に大きな影響を及ぼしました。ワクチン接種の普及により景気回復の兆しが見られたものの、変異株の感染再拡大に加え、地政学的リスクの高まりにより、世界経済に深刻な懸念が生じております。
国内の新車総販売台数(軽を含む)は、堅調な受注状況のなか、半導体不足やコロナ禍によるサプライチェーンの混乱での減産により供給が追い付かず、前年比9.5%減の約422万台で、3年連続の前年割れとなりました。内訳は、登録車が同8.2%減の約266万台で、軽自動車においても同11.5%減の約155万台となりました。
このような景況下、当社では、感染防止対策を継続し、地域密着型営業を推進しながら異業種を含めた新規開拓に一層注力するとともに、引き続き付加価値の高いオリジナル商材等の更なる拡販に努めました。また、人員の拡充とサービス体制の強化により、新たな需要に対応したビジネスモデルの構築に注力いたしました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用による、当連結会計年度の売上高に与える影響は軽微であり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益への影響はありません。
これにより、当社グループの売上高は306億93百万円(前年比111%)、営業利益は64億83百万円(同120%)、経常利益は69億66百万円(同116%)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億89百万円(同121%)となりました。
当期末の配当金につきましては、1株当たり36円とさせていただきたく存じます。すでに中間配当金として1株当たり34円をお支払いいたしておりますので、通期の1株当たりの配当金は普通配当で前期比10円増配の70円となります。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
(自動車部品・用品等販売事業)
当セグメントにおきましては、国内部門では、新車販売の減少による影響を受けましたが、感染防止対策を継続しながら地域密着型営業を一層強化し、新商品および高付加価値商材の拡販と新規開拓に注力しました。また、中之島R&Dセンターを活用し、更に性能を高めた新商品の開発を進めるとともに、法改正を見据えたアルコール検知器の拡販およびブランド構築に努めました。
海外部門では、需要の回復がみられるなか、コロナ禍によるコンテナ船不足や運賃の高止まり等の影響を受けましたが、顧客・仕入先はもとより物流業者とも連携し需要に対応するとともに、引き続き現地拠点やオンラインを活用した新規提案に努めました。
連結子会社のセントラル自動車工業株式会社は、主力商品であるCPCブランド商材の生産および前期より生産を開始した新商品・新規ブランド商材の増産に加え、新規アイテムの追加により生産量が増加しましたが、生産設備の増設と人員の増員により迅速に対応いたしました。
これにより、売上高は250億22百万円(前年比111%)、セグメント利益につきましては60億72百万円(同109%)となりました。
(自動車処分事業)
当セグメントにおきましては、連結子会社の株式会社ABTは、コロナ禍による交通量減少や安全装置の普及のなか、前年度とほぼ同水準の取扱い台数となりましたが、中古車市場の活況や鉄スクラップ相場の高騰を追い風とし、効率的かつ安定した事業運営に努めました。
これにより、売上高は56億70百万円(前年比113%)、セグメント利益につきましては4億9百万円(前年同期セグメント損失1億76百万円)となりました。
なお、前連結会計年度においては、株式会社ABTの子会社化に伴う無形固定資産の減価償却費4億25百万円を計上しておりましたが、当該無形固定資産の償却につきましては、2020年11月をもって終了しております。
目標とする経営指標に対する達成状況につきましては、次のとおりであります。
①売上高営業利益率
当社グループの売上高は306億93百万円(前年比111%)、営業利益は64億83百万円(同120%)となり、売上高営業利益率は21.1%と前連結会計年度を1.5ポイント上回りました。これは主に、国内部門にて地域密着型営業と付加価値の高いオリジナル商品の販売増によるものです。今後とも増収を目指し、国内部門・海外部門ともに新規取引先の開拓と付加価値の高いオリジナル商品の販売を強化してまいります。
当社グループの自己資本は367億79百万円(前年比110%)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億89百万円(同121%)となり、ROEは前連結会計年度を0.8ポイント上回る13.3%となりました。当社はROEの向上のためには親会社株主に帰属する当期純利益を増加させることを最も重視しており、今後とも安定した増益を目指してまいります。
配当性向における達成状況につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
仕入及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は、仕入価格で表示しております。
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額は、販売価格で表示しております。
2 主要な販売先については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等) 関連情報 3 主要な顧客ごとの情報」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末の財政状態を分析しますと、
①総資産合計は433億87百万円と前連結会計年度末に比べて40億1百万円増加しております。
増加の主なものは、現金及び預金が34億98百万円、有価証券が10億円であります。
減少の主なものは、のれんが3億81百万円であります。
②負債合計は65億74百万円と前連結会計年度末に比べて7億25百万円増加しております。
増加の主なものは、未払法人税等が2億34百万円、流動負債のその他が2億70百万円、退職給付に係る負債が1億67百万円であります。
③純資産合計は368億12百万円と前連結会計年度末に比べて32億75百万円増加しております。
増加の主なものは、親会社株主に帰属する当期純利益が46億89百万円であります。
減少の主なものは、配当金の支払いにより利益剰余金が12億16百万円であります。
これにより自己資本比率は、85.1%から84.8%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは54億33百万円の資金の増加(前期比18億22百万円の資金の増加)となりました。
増加の主なものは、税金等調整前当期純利益69億66百万円によるものであります。
減少の主なものは、法人税等の支払額20億33百万円によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは10億18百万円の資金の減少(前期比71百万円の資金の増加)となりました。
減少の主なものは、投資有価証券の取得による支出6億27百万円、定期預金の預入による支出2億24百万円、有形固定資産の取得による支出1億94百万円によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、11億35百万円の資金の減少(前期比2億53百万円の資金の減少)となりました。
減少の主なものは、配当金の支払額12億14百万円によるものであります。
この結果、当期末の現金及び現金同等物の期末残高は137億64百万円(前期末に比べて32億98百万円の資金の増加)となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
資金需要のうち主なものは、M&Aや研究開発のための設備投資、新商品の開発費用等にかかわるものであります。短期運転資金は自己資金を基本としており、十分な手元流動性を有しております。
なお、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は137億64百万円であります。
永続的な企業存続のために、財務基盤を強化するとともに、必要な投資資金の確保を実現するために、保有する現預金は十分な水準であるべきと考えております。急激な環境の変化や多様化する顧客ニーズに迅速に対応するためには、自己資金を基本としながらも状況に応じて金融機関からの借入を行います。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等は不確実性が大きく感染収束までの期間が不透明であり、これらの事態や規模について、今後の影響を具体的に見積ることが難しい要素もありますが、現時点において入手可能な情報を基に検証等を行っております。
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