課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 

 

当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。

我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定など医療費抑制のための様々な施策が推進されております。また、改正医薬品医療機器等法が段階的に施行され、2022年1月には「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」が改訂されるなど、これらのガイドラインや制度改正の趣旨を踏まえた対応が求められております。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大は、人々の生活様式を一変させ、「新たな日常」に対応した医療提供体制の再構築が喫緊の課題となっております。

このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化や課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。

中期的な収益性向上のための施策として、医薬品卸売事業につきましては、デジタル社会を見据え、患者様、医療機関、在宅医療・介護に携わる専門職等の利便性を向上させる顧客支援システムの開発・提案に一層取り組んでまいります。また、22,000軒以上の調剤薬局が参画する薬局共創未来との連携強化を図るとともに、TBCダイナベースを起点とした治験物流やメーカー物流の推進、さらにバイオ医薬品・遺伝子治療薬・再生医療等製品・バイオシミラーといった今後の成長が期待される事業領域にも挑戦してまいります。

調剤薬局事業につきましては、店舗数の拡大や調剤報酬改定への対応を進めることで収益の確保を図ってまいります。また、DXの推進により薬剤師業務の効率化と患者様の利便性の向上を図るとともに、オンライン服薬指導の体制強化やSNSを活用した服薬フォロー、物販の拡大など健康サポート薬局としての機能を強化してまいります。また、地域医療に密着したサービスの提供と、高度な薬学管理知識を有する薬剤師の育成により、それぞれ地域連携薬局と専門医療機関連携薬局としての機能を果たすことで調剤薬局事業の高付加価値化を推進してまいります。

医薬品製造販売事業におきましては、自社ブランドでの新たな製品を発売するなど引き続き製品ラインナップの拡大を図り、独自の検証により品質を担保した後発医薬品を安定的に提供することで、患者様や医療機関の信頼に応えてまいります。

また、当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスというそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けた取り組みを推進しております。医薬品等の流通を担う立場として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題と捉え、物流センターからお得意先への直送や配送回数の適正化、共同物流など配送効率の向上に取り組んでまいります。また、性別・国籍・年齢等を問わない幅広い人材活用と、社員一人ひとりの人権・人格を尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成してまいります。さらに、関連法規を遵守し健全な事業活動を行うべくガバナンスの一層の強化を図るなどESG経営を推進してまいります。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。

このような取り組みを推進することで、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。

 

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