業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

(単位:百万円)

 

令和3年3月期

令和4年3月期

実績

対前年同期増減額

対前年同期増減率

実績

対前年同期増減額

対前年同期増減率

売上高

43,707

△935

△2.1%

42,885

△822

△1.9%

営業利益

△3,802

△3,989

△4,635

△832

経常利益

△2,067

△2,314

2,669

4,736

親会社株主に帰属する当期純利益

△4,067

△1,580

1,574

5,642

当連結会計年度における連結業績は、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響による度重なる営業時間の短縮や、不要不急の外出自粛、変異株の出現による消費マインドの低下等により、来店客数の減少が継続したため、売上高、営業利益とも前年実績を下回りました。一方で経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金等7,264百万円を営業外収益に計上したことにより、前年実績に対し改善し黒字転換いたしました。

このような環境の下、当社グループは、フィロソフィー(企業哲学)である「私たちは、食を通じて社会に貢献します。」を実現すべく、従業員、お客様の安全を確保しながら、「コロナ影響からの早期回復と既存事業の収益力強化」を基本方針とする新中期経営計画の達成に向けて、テイクアウトやデリバリー需要の増加に対応した各種施策や、運営コストの削減を継続して実施いたしました。また、コロナ禍による生活様式の変化に対応するため、宅配寿司専門業態「宅配にぎり長次郎」を併設した「にぎり長次郎」の新規出店や、中食事業の新業態1号店となる「サトマルシェ河内小阪店」をオープンしたほか、インバウンド需要の低下により売上高が減少していた「めしや宮本むなし」業態の「炭火焼干物定食しんぱち食堂」への業態転換や、株式会社家族亭においては、サービスエリア事業に注力するため「高速道路事業部」を立ち上げ、今期新たに4ヵ所、合計で全国5ヵ所のサービスエリアの運営を開始するなど、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた各種施策に注力いたしました。

 

(財政状態)

当連結会計年度末における総資産は、35,492百万円(前連結会計年度末比4,490百万円の増加)となりました。

流動資産は、17,865百万円(前連結会計年度末比3,322百万円の増加)となりました。これは主に、現金及び預金の増加3,403百万円、未収入金の減少335百万円、売掛金の増加304百万円などであります。

固定資産は、17,468百万円(前連結会計年度末比1,192百万円の増加)となりました。これは主に、繰延税金資産の増加377百万円、リース資産(純額)の増加309百万円、建物及び構築物(純額)の増加292百万円などであります。

流動負債は、8,576百万円(前連結会計年度末比1,566百万円の増加)となりました。これは主に、未払法人税等の増加514百万円、未払金の増加422百万円、流動負債その他の増加352百万円などであります。

固定負債は、12,526百万円(前連結会計年度末比1,476百万円の減少)となりました。これは主に、社債の減少935百万円、長期借入金の減少913百万円、リース債務の増加332百万円などであります。

純資産は、14,390百万円(前連結会計年度末比4,400百万円の増加)となりました。

 

〔当社グループ 業態別店舗数〕

業態名

前連結会計

年度末

出店実績

閉店実績

当連結会計

年度末

当連結

会計年度

出店計画

和食さと

206(-)

2(-)

1(-)

207(-)

家族亭※

68(8)

1(-)

2(-)

67(8)

にぎり長次郎※

65(-)

2(-)

1(-)

66(-)

得得・とくとく

68(55)

-(-)

5(5)

63(50)

天丼・天ぷら本舗 さん天

44(1)

-(-)

-(-)

44(1)

かつや

39(14)

2(-)

-(-)

41(14)

めしや 宮本むなし

41(2)

-(-)

3(-)

38(2)

宅配寿司業態

10(4)

1(-)

-(-)

11(4)

ひまわり・茶房ひまわり

9(-)

-(-)

-(-)

9(-)

からやま

4(-)

2(-)

-(-)

6(-)

M&S FC事業※

19(-)

2(-)

1(-)

20(-)

その他

16(-)

5(-)

3(-)

18(-)

国内合計

589(84)

17(-)

16(5)

590(79)

18

海外店舗

20(13)

3(3)

2(-)

21(16)

国内外合計

609(97)

20(3)

18(5)

611(95)

27

( )内はFC・のれん分け及び合弁事業店舗数

※「家族亭」業態には「花旬庵」「三宝庵」「家族庵」「蕎旬」「蕎菜」業態を含んでおります。

※「にぎり長次郎」業態には「CHOJIRO」業態を含んでおります。

※「M&S FC事業」は、M&Sフードサービス株式会社が運営する「ポポラマーマ」「ミスタードーナツ」「ドトールコーヒー」「大釜屋」「しんぱち食堂」業態の合計店舗数です。

※出店実績、閉店実績には、業態転換3店舗を含んでおります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,403百万円増加し、12,834百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、4,705百万円(前連結会計年度は3,532百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,188百万円、減価償却費1,471百万円、減損損失471百万円、法人税等の支払額452百万円などであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、1,861百万円(前連結会計年度は882百万円の収入)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,746百万円、差入保証金の回収による収入249百万円、差入保証金の差入による支出181百万円などであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、550百万円(前連結会計年度は同3,202百万円)となりました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行による収入2,733百万円、長期借入金の返済による支出1,018百万円、社債の償還による支出1,015百万円などであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績はなく、記載を省略しております。

 

b.仕入実績

原材料の仕入高、使用高

 

仕入高(千円)

前年同期比(%)

使用高(千円)

前年同期比(%)

店舗飲食原材料

14,264,962

△7.6

14,207,847

△3.3

合計

14,264,962

△7.6

14,207,847

△3.3

(注)1 当社グループは、外食事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

2 上記仕入額の内訳は次のとおりであります。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

魚貝類及び加工品

4,716,374

△3.7

肉類及び加工品

2,466,803

△14.9

米及び調味料

1,760,892

△19.0

野菜・果物

1,210,248

△13.0

酒及び飲料水

863,846

△21.8

玉子及び加工品

760,249

△7.9

乾物類

286,620

+0.4

その他

2,199,927

+18.0

合計

14,264,962

△7.6

 

c.受注実績

当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、受注実績は記載しておりません。

 

d.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。

地域

金額

(千円)

構成比

(%)

前年

同期比

(%)

客席数

(千席)

構成比

(%)

前年

同期比

(%)

来客数

(千人)

構成比

(%)

前年

同期比

(%)

期末

店舗数

(店)

関西地区

31,549,752

73.6

98.1

10,055

68.6

98.7

23,968

73.9

97.6

372

関東地区

4,980,054

11.6

96.6

2,138

14.6

96.8

4,007

12.4

98.1

71

中部地区

4,817,236

11.2

98.3

2,075

14.2

98.7

3,697

11.4

95.8

61

国内その他

439,092

1.0

180.5

126

0.9

132.0

493

1.5

177.6

7

海  外

260,833

0.6

71.7

250

1.7

88.0

247

0.8

75.8

5

その他売上

838,203

2.0

94.6

-

-

-

-

-

-

-

合計

42,885,172

100.0

98.1

14,646

100.0

98.4

32,414

100.0

97.9

516

(注)1 客席数は各店舗の客席数を営業日数で換算しております。

2 当社グループは、外食事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

3 期末店舗数は直営店舗のみ記載しております。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 ア 経営成績の状況に関する分析

「和食さと」業態におきましては、コロナ禍からの収益力改善に向けた取り組みとして、主に若年層の新規顧客獲得を図るため、「和食さと初代アンバサダー」として渋谷凪咲さんを迎え、TVCMやWEB広告、折込チラシなど様々な媒体でのプロモーションを開始いたしました。また、イートイン売上高の回復施策として、産地や旬の食材にこだわった「北海道フェア」、「早春フェア」などの期間限定フェアを実施した他、引き続きテイクアウト、デリバリー需要の増加に対応するため、期間限定でテイクアウト天丼の半額販売を実施する等、顧客ニーズに合わせた強化施策を実施いたしました。

「天丼・天ぷら本舗 さん天」業態におきましては、来店頻度の向上を目指した取り組みとして、LINEを活用したキャンペーンや、「新春感謝祭」、「さん天の日!お客様感謝祭」を実施した他、わかさぎや桜海老といった旬の食材を取り入れた商品や、肉みそや豚肉を使った若者向け商品を販売いたしました。また、新規顧客獲得を目的として人気お笑いタレントを起用したTVCMを放映いたしました。

「にぎり長次郎」業態におきましては、テイクアウト、デリバリー需要の増加に対応するため、にぎり長次郎のブランド力を宅配業態にも活かすことを目的とし、姉妹店である宅配寿司専門店「にぎり忠次郎」の一部店舗の屋号を「宅配にぎり長次郎」へ変更した他、新年の祝いに合わせた「祝い寿司重」や、節分には数の子や穴子等の魚介類をふんだんに使用した「福寿巻」を販売する等、お持ち帰り商品の販売促進策を継続して行い、テイクアウト、デリバリー売上高の獲得に注力いたしました。また、「長次郎20周年アニバーサリー」として、活けの「車海老」や肉厚な「ほたて」を使用した寿司や、デザートでは「春の創作どら焼き」等を販売し、イートイン売上高の回復にも注力いたしました。

「家族亭」・「得得」業態におきましては、新規顧客獲得に向けた取り組みとして、期間限定のキャンペーンを継続して実施するとともに、新たな顧客層の固定化と来店頻度の向上を目的として、LINE公式アカウントの登録者数獲得に引き続き注力いたしました。

「家族亭」業態では、冬の味覚「牡蠣」を使用した「牡蠣入り鍋焼きうどん」を期間限定で販売した他、新潟県の食材を使用した産地フェア「越後新潟 雪どけの恵み」を実施いたしました。また、テイクアウト強化策として、ボリューム感がある「海老天丼と山菜うどんのダブル弁当」を販売する等、テイクアウト需要の増加に対応いたしました。

「得得」業態では、冬の定番「鍋焼きうどん」や「蟹」を使用した「かにの玉子とじあんかけうどん」を中心とした冬季限定メニューの販売を実施いたしました。また、期間限定「生活応援テイクアウトフェア」として「かつ丼」と「かつ丼とうどんのダブル弁当」をお得な価格で販売し、テイクアウト売上高の獲得に注力いたしました。

「めしや 宮本むなし」業態におきましては、新規顧客獲得に向けた取り組みとして、「牛すき鍋定食」、「しっかり辛い味噌チゲ定食」などを期間限定で販売いたしました。また、来店頻度の向上を目指し、LINEを活用した情報発信や、会員限定割引クーポンの配布などの集客プロモーションに注力した他、テイクアウト、デリバリーキャンペーンなどを継続して実施いたしました。

「かつや」業態におきましては、新規顧客獲得に向けた取り組みとして、「デミチキンカツフェア」や、「ロースカツと豚スタミナ焼肉フェア」の期間限定商品の販売や、「ロースカツ&ヒレカツ祭り」を実施し、人気の定番商品4品を店内・テイクアウトともお得な価格で販売いたしました。

 

イ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、原材料費、人件費の更なる高騰が挙げられます。当社グループといたしましては、海外も含めた原材料の調達先の多様化、幅広く和食チェーンを展開している当社グループの強みを活かした安価な原材料の利用、メニュー作成段階で調整、物流コストの抑制等を行い、原材料費の抑制に努めております。また、人件費の高騰については、労働集約型からの脱却による効率的な店舗運営実現のために、人的資源をより生産性の高い業務に集約させながら、AI・ロボットが生み出す付加価値と、人が提供するサービスの融合による、新たな付加価値の創造に取り組みます。具体的には、自動発注システムの導入、入店から注文、決済までの流れを効率化するアプリの開発や、AI・ロボットを活用した店舗の生産性改善を目指し、順次実験を進めてまいります。

次期については新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループにおきましても、主に来店客数の減少による影響を受けており、このような状況の長期化に対応するため、引き続きキャッシュ・フローを最大限に意識した経営に注力し、株式会社家族亭との物流統合によるグループシナジーの創出や、家賃の減免や店舗への配送頻度の見直し等の固定費圧縮を継続して取り組む一方、新規出店投資の再開、テイクアウト、デリバリーの販売強化、中食事業への取り組みを更に進めることで、将来に向けた事業基盤の強化を進めてまいります。

 

ウ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入の他、人件費、水道光熱費及び地代家賃を中心とした販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新店や改装といった店舗設備に係るものであります。

短期運転資金は自己資金によって賄う事を基本としており、また、設備資金の調達につきましては、自己資金ないし金融機関からの調達により賄っております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は12,652百万円となっており、現金及び現金同等物の残高は12,834百万円となっております。また、コミットメントライン契約の締結により2,981百万円の融資枠を設定しており、流動性を十分に確保するよう対処しております。

 

エ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響からの早期回復と、ウィズコロナ、アフターコロナを踏まえた既存事業の収益力強化を第一の経営課題とし、令和3年5月に新中期経営計画を策定いたしました。

この中期経営計画の中で、下記のとおり各年度の売上、経常利益、店舗数の数値目標を設定し、令和8年3月期には売上74,000百万円、経常利益3,000百万円を目指すこととしております。

令和8年3月期までの各年度の数値目標は下記のとおりであります。

 

(中期経営計画)

 

令和4年3月期

令和5年3月期

令和6年3月期

令和7年3月期

令和8年3月期

売上高(百万円)

51,000

58,000

62,000

68,000

74,000

経常利益(百万円)

△1,200

1,100

1,600

2,200

3,000

店舗数

630店舗

650店舗

690店舗

740店舗

800店舗

 

(実績値・業績予想値)

 

令和4年3月期

(実績)

令和5年3月期

(業績予想)

売上高(百万円)

42,885

58,000

経常利益(百万円)

2,669

1,100

店舗数

611店舗

637店舗

 

当社グループは、外食産業の単一セグメントであるため、セグメントの業績に関する記載を省略しております。

 

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