文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、創業以来の「お客様最優先」の経営理念のもと、「Enjoy Fashion! Enjoy Life!」をテーマに掲げ、「ファッションアパレル専門店をコアとしたライフスタイル提案企業」として独自のポジショニングにおいて、日本を代表するファッション専門店となることを目指しております。
(2) 経営環境及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、日本国内に166店(2022年2月末現在)の店舗を有し、市場環境や顧客ニーズの構造変化に対応すべく主要投資分野であるデジタルテクノロジーの融合を推進する等諸課題に取り組んでおりますが、世界規模で新型コロナウイルス感染症が拡大し、国内経済への影響が見通し難い中、当社業績における影響額の合理的な見積もりは非常に困難な状況であります。その為、2023年2月期の業績予想につきましては未定とし、予測可能となった時点で公表させていただきます。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、前事業年度において営業損失34億円、当期純損失31億3千9百万円、営業キャッシュ・フローで14億5千7百万円の支出を計上し、当事業年度においても営業損失21億5千3百万円、当期純損失21億4千6百万円、営業キャッシュ・フローで22億1千9百万円の支出を計上したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると判断しております。
このような状況ではありますが、 当社は当該事象を解決するための対応として今後の資金繰りに支障が生じないよう取引金融機関と連携をとっており、総額14億6千7百万円の当座借越契約に加えて、11億5千万円のシンジケーション形式によるコミットメントライン契約、短期借入金3億7千3百万円、長期借入金11億9千6百万円の借入を行っております。コミットメントライン契約については2022年6月に期限を迎えますが、金融機関と継続に向けた協議を行うことにより、引き続き十分な運転資金を確保できるものと判断しております。
なお、コミットメントライン契約の財務制限条項として、事業年度の末日における純資産の部の金額を正の値に維持することと定めておりますが、金融機関から当事業年度末における判定を免除いただくことについて承諾を得ております。
以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
また、 2020年2月期より推進しております事業構造改革の更なる掘り下げと徹底実行の1年と位置づけ、新常態への適合の追求により、強固な黒字体質への変革に向け取組んでまいります。
①事業構造改革の重点施策(2020年2月期発表)
・MDプロセス改革
・PB戦略の刷新
・Eコマース売上の拡大加速
・デジタルトランスフォーメーションの推進
・業務効率化・コスト圧縮
・新たな成長戦略の企画・実行
②2023年2月期基本方針
『新生タカキューに向けて』
商品ポートフォリオの最適化、販売チャネル改革により 新生タカキューを創造
《商品面》
カジュアルシフト
・更なるオフィスカジュアル化に対応する取扱い商品の拡大
スーツ、ドレスシャツの着実な販売
・高粗利率なビジネス販売による利益の確保
オーダーシフト
・オーダーの比重を高め在庫を持たないビジネスモデルを拡大 《営業面》
《営業面》
商売の原点回帰を通じてお客様に寄り添い満足していただく
・ コーディネイト提案でお客様に満足していただく
・プライベートブランドでお客様に満足していただく
・気分が上がる接客と感動でお客様に満足していただく
・会員制度でお客様に満足していただく
・便利なお買物の提案でお客様に満足していただく
《 販売チャネル 》
Eコマース販売の拡大
・拡大するEコマース販売ニーズの刈り取り、店頭接客によるOMO利用の促進
新業態実店舗の検討
・実店舗の坪効率化 40坪・20坪タイプのショールーム店舗の実験
・顧客接点を重視した店舗づくり
当社は、以上の施策を実行することにより、事業の継続と営業効率の向上を図り、事業構造改革及びデジタルトランスフォーメーションの推進、コーポレートガバナンスやサスティナビリティへの取り組み強化等を実行し、商売の原点回帰による店舗事業の復活とEコマース事業の収益化を実現し、ステークホルダーの皆さまのご期待に沿えるよう、企業価値の向上に努めてまいります。
なお、当事業年度末において8億7千6百万円の債務超過となりましたが、更なるコスト圧縮等の収益改善や現在検討中の資本政策を早期に実行することにより、当該債務超過を解消するよう努めてまいります。
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