業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナワクチンの接種や治療薬の開発が進み、社会経済活動の正常化に向けた期待感が高まる一方、足元ではオミクロン株による新型コロナウイルス感染症の再拡大が第6波として全国に広がることに加えて、原油価格の高騰による電力料金や配送料の値上げが及ぼす影響が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 食品小売業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染者数の増減の状況に合わせて販売動向は変化し、巣ごもり需要の高まりなどの消費傾向は続いているものの、食料品・日用品の需要の高まりは前年同期に比べ緩やかなものとなりました。また、来店購買頻度の低下やネット購買の増加など、感染症拡大の影響を受けた消費者の購買行動の変化は現在も継続しており、食品を取り扱うEC事業者やドラッグストアなどを含め、業種・業態を超えた企業間の競合は一層激化しております。

 このような環境のなか、当社は、「持続的な企業価値向上のために組織と経営をスピーディーに改革し、収益体質強化とグループ一体経営を推進する」をスローガンに掲げ、2022年2月期から2024年2月期までの3ヶ年にわたる第2次中期経営計画をスタートいたしました。基本戦略として、「成長戦略」「競争力の強化」「収益力の強化」「グループ連携の強化」「人材力の強化」「DX(デジタルトランスフォーメーション)の促進」「ESG経営」「資本政策」の8つの項目を定め、当社グループが長期的に目指す経営ビジョンの実現に取り組んでおります。

 これらの基本戦略のうち、当連結会計年度における主な取り組み内容は次のとおりです。

 

基本戦略

取り組み内容

成長戦略

新規出店及び既存店の計画的改装によるシェアの拡大を図り、スーパーマーケット事業及びディスカウントストア事業において5店舗の新設、17店舗の改装を行ったほか、株式取得や事業譲受により6店舗を新たに加え、その他の事業においてもスポーツクラブ1店舗の新設を行いました。

競争力の強化

商品開発、共同調達を拡大するとともに、生鮮強化型の店舗開発による改装を進めております。

収益力の強化

売上総利益率の改善に努めるほか、新チルドセンターの稼働による物流効率の見直しやグループ物流システムの構築に向けた取り組みを実施しております。

グループ連携の強化

さらなるシナジー創出と経営効率向上のため、商品の共同調達、共同開発、コスト削減による利益の拡大を進めてまいりました。

DXの促進

ワークフローやWebによる年末調整システムの導入による業務効率の改善、レジ機能付きショッピングカートによるスマートストア開発などを進めております。

ESG経営

商品製造数の適正化や地域のフードバンク活動への支援を通じた食品ロスの削減、環境対応型冷蔵ケース設置や節電の推進によるCOの削減に取り組むほか、プラスチックごみの削減のため、ペットボトル、食品トレーなどのリサイクル活動を推進しております。当連結会計年度の取り組みの一例として株式会社丸久では、山口県と民間企業による“ONE FOR OCEAN~海洋プラスチックごみアップサイクル事業~”に参加し、海岸に漂着した海洋プラスチックごみの清掃活動を行うとともに、回収したプラスチックごみを原料の一部として製造した買い物かごを2021年12月より同社の3店舗に導入するなど、社会貢献活動や環境保全活動を進めております。

 

 また、新たな販売チャネルの構築に向けた取り組みとして、移動販売事業においては、株式会社丸久で12台運行しておりました移動販売車を当連結会計年度より順次「とくし丸」へ切り替えており、2022年2月末現在、6台の「とくし丸」を稼働させております。今後、山口県内での運行車両数を増加させるとともに、株式会社マルミヤストアも参画し事業エリアの拡大を計画しております。このほか、ネットスーパー事業において、現在、株式会社丸久が山口県全域、広島県の一部地域を対象に、生鮮食品から一般食品、雑貨まで商品を自宅にお届けする「マルキュウらくらく便」は、地域の買物支援サービスとして高齢者を中心としたお客様に支持されており、行政や福祉協議会とも連携を図りながら取り組みを進めております。今後は、こうした取り組みを九州エリアにも拡大してまいります。

 株式会社アークス、株式会社バローホールディングス及び当社の3社間で結成した「新日本スーパーマーケット同盟」では、4つの分科会を通じて、具体的な相乗効果の実現に向けた取り組みを行ってまいりました。引き続き、共同仕入・共同販促・共同販売や消耗資材及び什器備品のコストの削減に取り組むほか、DXの促進と業務効率化に向けた情報共有や、SDGsの推進への取り組みを開始しております。

 これらの結果、当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりとなりました。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ45百万円増加し、1,143億77百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ25億30百万円減少し、402億62百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ25億76百万円増加し、741億14百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、営業収益が2,395億19百万円(前年同期比1.0%減)、営業利益が53億72百万円(前年同期比35.9%減)、経常利益が62億15百万円(前年同期比33.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が33億71百万円(前年同期比31.7%減)となりました。

 

c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況は次のとおりです。

 

(a) スーパーマーケット事業

(営業政策)

 株式会社丸久は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めながら多様化するお客様のニーズにお応えするため、販売商品の見直しを図り、お客様目線での品揃えを徹底いたしました。また、冷蔵・冷凍設備、ケースの入れ替えを前連結会計年度より実施しており、店舗設備を更新することで、CO削減に向けた電力使用量の低減に取り組みました。

 株式会社マルミヤストアは、「商圏内のシェアを上げる」「人財育成と生産性の向上」「ESG経営の推進」「グループ連携と資源の共有」を4つの柱として様々な取り組みを実施いたしました。

 株式会社新鮮マーケットは、「大分県内における生鮮特化型スーパーマーケットNO.1」をスローガンに掲げ、販売点数増加に継続して取り組んでおります。生鮮在庫の適正化による鮮度・品質の向上、廃棄ロス削減による利益率の改善とへの意識向上、平日(月・水・金曜日)の開店時の売場改善による買上点数及び売上の向上に努めました。

 株式会社マルキョウは、「美味しい商品をより安く」「食のデザイン化」「食のプレミアム化」を掲げ、消費者の多様化に合わせ、生鮮商品を中心とした付加価値カテゴリーや商品の開発強化を図り店舗運営を行ってまいりました。鮮魚部門では、「お魚屋さんの惣菜」「お魚屋さんの寿司」の開発、精肉部門ではブランド肉の拡充、カット技術の向上、青果部門ではカットフルーツの品揃え強化、フルーツを使用したスイーツの開発に取り組み、惣菜・寿司部門では手づくり商品の開発を増やしてまいりました。また、売上構成比の高い加工食品部門では、多様化するニーズに合わせ単品の販促とカテゴリーの販促を強化し、お客様に喜んでいただける店舗づくりを行ってまいりました。

 

(事業譲受及び取得による企業結合)

 当社グループのさらなる事業の拡大のため、当連結会計年度において事業譲受及び株式の取得による企業結合を行いました。

 株式会社マルミヤストアは2021年3月に株式会社小野商店(大分県宇佐市)より、スーパーマーケット2店舗の事業譲渡を受けました。また、同年3月には株式会社戸村精肉本店(宮崎県日南市)の株式を取得し、同社を連結子会社といたしました。これにより、九州地方におけるドミナント化を進め、経営基盤の強化を図っております。

 なお、株式会社戸村精肉本店のみなし取得日を2021年5月31日としており、当連結会計年度において含まれる同社の経営成績は2021年6月1日以降のものであります。

 

(プロセスセンターの稼働及び物流体制の構築)

 株式会社丸久は、丸久プロセスセンターの稼働を2020年10月に開始し、生鮮商品の強化及び差別化を図るとともに、従来、店舗にて製造を行っていた一部の生鮮食品をセンター製造・供給へ切り替え、店舗運営の効率向上を図りました。これにより当連結会計年度においては、商品製造拠点の一元化により物流体制の最適化が実現したほか、施設・設備の刷新によりフードディフェンス(食品防御)が強化されており、より一層安心・安全な商品を提供しております。

 また、当社グループでは物流体制の構築を進めており、当連結会計年度において、株式会社丸久は旧デリカセンターの資産を活用し商品物流の新たな拠点として、新チルドセンターの稼働を開始いたしました。株式会社マルミヤストアにおいては、株式会社バローホールディングスの傘下の子会社と連携して九州エリアにおける物流機能の集約・再編に取り組んでおり、同エリアでの物流網確立と物流収支の改善に取り組んでおります。

 

(店舗展開)

 当連結会計年度において店舗の新設、改装及び閉鎖を次のとおり実施いたしました。

 株式会社丸久は、2021年4月にアルク八幡西店(北九州市八幡西区)、同年12月に丸久高千帆店(山口県山陽小野田市)を新設いたしました。また、2021年1月に閉鎖したピクロス田布施店(山口県田布施町)の建替えを実施し、同年3月に、新小型フォーマットとして丸久田布施店(山口県田布施町)を開店いたしました。同年8月にはサンマート美和店(山口県岩国市)、同年9月にアルク光井店(山口県光市)、丸久久米店(山口県周南市)、同年10月にアルク西宇部店(山口県宇部市)、アルク光店(山口県光市)、同年11月に丸久大島小松店(山口県周防大島町)、丸久徳地店(山口県山口市)、2022年1月にサンマート人丸店(山口県長門市)、丸久上木部店(山口県防府市)、同年2月に丸久厚狭店(山口県山陽小野田市)を改装しております。なお、同年11月には改装のためアルク防府店(山口県防府市)を休業しており、当連結会計年度末の営業店舗数は88店舗(うち「アルク」は43店舗)となっております。

 株式会社マルミヤストアは、2021年3月に株式会社小野商店より譲り受けたスーパーマーケット2店舗を、マルミヤストア安心院店(大分県宇佐市)、院内店(大分県宇佐市)としてそれぞれ開店いたしました。このほか、改装のため同年8月より休業しておりました三重店(大分県豊後大野市)を同年10月に開店するとともに、2022年2月に鶴町店(宮崎県日向市)を閉鎖しており、当連結会計年度末の営業店舗数は43店舗となっております。また、株式会社新鮮マーケットの営業店舗数は14店舗であります。なお、当連結会計年度より連結子会社となった株式会社戸村精肉本店は、スーパーとむら油津店、吾田店、飫肥店、星倉店(いずれも宮崎県日南市)を営業しており、当連結会計年度末の営業店舗数は4店舗であります。

 株式会社マルキョウは、2021年12月に大村松並店(長崎県大村市)を新設いたしました。また、2021年3月にマルキョウ空港通り豊店(福岡市博多区)、同年4月に杷木店(福岡県朝倉市)、同年7月に小郡店(福岡県小郡市)、同年8月に朝倉店(福岡県筑前町)、同年9月に久山台店(長崎県諫早市)、同年11月に高田店(福岡県糸島市)をそれぞれ改装しております。なお、同年11月に大村店(長崎県大村市)、諫早店(長崎県諫早市)を閉鎖し、当連結会計年度末の営業店舗数は84店舗となっております。

 これらにより、スーパーマーケット事業における当連結会計年度末の営業店舗数は、233店舗となっております。

 

 以上の結果、スーパーマーケット事業における当連結会計年度の経営成績は、営業収益2,189億50百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益53億74百万円(前年同期比34.9%減)となりました。

 また、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、1,025億70百万円(前年同期比0.1%減)となりました。

 

(b) ディスカウントストア事業

(営業政策)

 株式会社アタックスマートは、節約志向が継続するなかで、「誠心誠意価格でお答えします」をスローガンに掲げ、九州エリアにおけるドミナント戦略とEDLP(エブリデイ・ロープライス)による価格戦略を柱に、経営成績の向上に取り組んでまいりました。

 

(店舗展開)

 当連結会計年度において店舗の新設を次のとおり実施いたしました。

 株式会社アタックスマートは、2021年5月にアタックスサエラ店(熊本県甲佐町)新設いたしました。

 これにより、ディスカウントストア事業における当連結会計年度末の営業店舗数は32店舗となっております。

 

 以上の結果、ディスカウントストア事業における当連結会計年度の経営成績は、営業収益202億58百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益2億86百万円(前年同期比33.2%減)となりました。

 また、当連結会計年度末におけるセグメント資産は、43億95百万円(前年同期比7.5%減)となりました。

 

(c) その他事業

 保険代理業を行う株式会社RPG保険サービスは、顧客満足度の向上と信頼を高めるために、営業力強化とコンプライアンスの徹底に注力いたしました。また、当社グループ内で情報共有を密に行い販路を広げ、経営基盤の強化と業務品質の向上に努めております。

 スポーツクラブ事業を行う株式会社丸久は、2021年4月にスポーツクラブ2号店となるアクトスWill_G黒崎(北九州市八幡西区)を新設いたしました。同店舗では新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言下においても、感染症対策を徹底し営業を継続しており、順調に会員数を獲得しております。

 なお、当連結会計年度より食品製造業を営む株式会社戸村フーズ及び株式会社戸村牧場が当社グループの連結子会社に加わり、同社の経営成績をその他事業の区分に含めております。株式会社戸村フーズのみなし取得日を2021年5月31日としており、当連結会計年度において含まれる同社の経営成績は2021年6月1日以降のものであります。また、株式会社戸村牧場のみなし取得日を2021年11月30日としており、当連結会計年度において含まれる同社の経営成績は2021年12月1日以降のものであります。

 

 以上の結果、その他事業における当連結会計年度の経営成績は、営業収益5億65百万円(前年同期の営業収益は88百万円)、営業利益96百万円(前年同期の営業利益は3百万円)となりました。

 また、当連結会計年度末におけるセグメント資産は10億99百万円(前年同期のセグメント資産は2億81百万円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、期首残高よりも31億62百万円減少し、158億72百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、50億10百万円(前年同期比59.1%減)となりました。

 これは、主に税金等調整前当期純利益50億74百万円、減価償却費39億30百万円、法人税等の支払額34億20百万円、減損損失10億73百万円などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、67億80百万円(前年同期比10.6%増)となりました。

 これは、主に店舗の開設と改装に伴う固定資産の取得による支出58億25百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億92百万円などによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、13億92百万円(前年同期比5.3%増)となりました。

 これは主に、配当金の支払額9億21百万円、リース債務の返済による支出4億34百万円、借入れと借入金の返済による純減額36百万円などによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

営業収益(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット事業

218,792,880

△1.4

ディスカウントストア事業

20,216,475

1.8

その他事業

510,347

475.9

合  計

239,519,703

△1.0

(注)1 上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部営業収益又は振替額は含まれておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態に関する分析・検討内容

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ、45百万円増加し、1,143億77百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ、22億77百万円減少し、319億46百万円となりました。これは、主として受取手形及び売掛金が4億51百万円、商品が4億14百万円それぞれ増加した一方、現金及び預金が31億60百万円減少したことなどによるものであります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ、23億23百万円増加し、824億30百万円となりました。これは、主として建物及び構築物が7億92百万円、土地が15億57百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ、25億30百万円減少し、402億62百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ、24億74百万円減少し、283億93百万円となりました。これは、主として未払法人税等が14億63百万円減少したことなどによるものであります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ、55百万円減少し、118億69百万円となりました。これは、主として長期借入金が2億29百万円増加した一方、リース債務が3億19百万円減少したことなどによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ、25億76百万円増加し、741億14百万円となりました。これは、主として利益剰余金が24億50百万円、その他有価証券評価差額金が1億4百万円それぞれ増加したことなどによるものであります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、2.2ポイント上昇し、64.8%となりました。

 

② 経営成績に関する分析・検討内容

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前年同期に比べ0.9%減少の2,367億82百万円となりました。

 当連結会計年度におけるスーパーマーケット事業及びディスカウントストア事業の売上高、客数及び客単価の前年同期比の月次推移は以下のとおりであります。

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前年同期比

(%)

2021年

2022年

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

全店

売上高

96.8

92.3

97.0

101.6

100.0

98.0

100.2

101.0

100.6

98.7

99.5

103.4

既存店

売上高

95.6

90.9

95.5

98.9

97.3

95.2

98.3

98.9

96.7

95.2

96.9

100.4

客数

93.0

93.7

96.8

99.9

98.6

94.6

99.7

98.3

95.5

95.5

98.1

97.8

客単価

102.8

96.9

98.7

99.0

98.7

100.7

98.6

100.6

101.2

99.8

98.8

102.7

(注)1 当社グループの事業セグメントのうち、スーパーマーケット事業及びディスカウントストア事業の売上高を集計したものであり、その他事業における売上高は含んでおりません。

2 「全店売上高」には、営業店舗の売上高のほか、プロセスセンターやネットショップの売上高等、当社の子会社の全ての売上高が含まれております。

3 2021年6月より、新規連結子会社となった株式会社戸村精肉本店の売上高が含まれております。

 当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による内食需要の高まりは徐々に低減していき、とりわけ前年同期に販売が好調であった2021年3月から同年5月にかけて反動減が顕著に表れました。また、1回目の緊急事態宣言の発出以後、観光や帰省など外出を自粛する動きが見られたものの、国内においてもワクチン接種率が高まり、次第に人の往来が再開し始めることで客数増加への期待感がありましたが、当連結会計年度においては当社グループの主力販売期間であるお盆、歳末において台風の発生や降雪があり、これらの期間に客数の獲得が進まなかったことも経営成績へ影響を及ぼしました。2021年12月頃からオミクロン株の発生や感染者数の増加が起こるなど、新型コロナウイルス感染症の収束の見通しは依然不透明でありますが、今後も店舗の売上高については感染者数の増減の状況に合わせて推移するものと見られます。

 一方、当連結会計年度において、株式会社戸村精肉本店、株式会社戸村フーズ及び株式会社戸村牧場が新たに当社グループの連結子会社となったことにより、生鮮食品を主として売上高の増加がありました。当連結会計年度における部門別の売上高は次のとおりであります。

 

部  門

当連結会計年度売上高(千円)

前年同期比(%)

生鮮食品

103,058,920

1.2

加工食品

121,820,666

△2.2

住居関連品

8,683,670

△5.1

衣料品・その他

3,219,363

△7.4

合  計

236,782,622

△0.9

(注)1 上記の金額は外部顧客に対するもので、連結子会社間の内部営業収益又は振替額は含まれておりません。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(営業費用)

 当連結会計年度の売上原価は、前年同期に比べ0.6%減少の1,796億93百万円となりました。売上高に対する売上原価の百分比は、前年同期に比べ0.3ポイント上昇し75.9%となりました。売上原価減少の主な要因は、売上高の減少に伴う仕入高の減少によるものであります。一方、売上原価率上昇の要因については、円安の為替相場や、原料費及び物流費の高騰に伴う商品の仕入価格の上昇等によるものであります。

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ3.5%増加の544億53百万円となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の百分比は、前年同期に比べ1.0ポイント上昇し23.0%となりました。主な増減要因として、当連結会計年度においては、社員給料をはじめとした人件費の増加、店舗及びセンターの新設・改装により取得した固定資産にかかる減価償却費の増加、電力料の増加があったほか、子会社の取得関連費用の発生がありました。このほかの増減については、概ね収益の増減に比例したものであったと判断しておりますが、今後も引き続き、生産性の向上やコストの見直しにより営業費用の抑制に努めていく所存であります。

(営業利益)

 営業総利益の減少が11億83百万円に対して、販売費及び一般管理費の増加が18億28百万円であったことから、当連結会計年度の営業利益は前年同期に比べ35.9%減少の53億72百万円となりました。売上高に対する営業利益の百分比は、前年同期に比べ1.2ポイント低下し2.3%となりました。

(経常利益)

 受取配当金の増加などにより営業外収益が前年同期に比べ2.8%増加の10億38百万円となった一方、当連結会計年度において貸倒引当金繰入額を計上するなど営業外費用が前年同期に比べ70.1%増加の1億96百万円となり、当連結会計年度の経常利益は前年同期に比べ33.0%減少の62億15百万円となりました。売上高に対する経常利益の百分比は、前年同期に比べ1.3ポイント低下し2.6%となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度においては、固定資産売却益など3億50百万円を特別利益に計上いたしました。一方、減損損失や固定資産除却損など14億90百万円を特別損失に計上しております。

 これらにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ31.7%減少の33億71百万円となりました。売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益の百分比は、前年同期に比べ0.6ポイント低下し1.4%となりました。

 

 なお、セグメントごとの経営成績の状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、成長性、収益性などの経営指標を重視し、第2次中期経営計画(2022年2月期から2024年2月期)のもと、売上高経常利益率、自己資本当期純利益率(ROE)などの経営指標について目標設定を行いました。第2次中期経営計画においては、2022年2月期の連結経営成績の目標を営業収益2,366億円、経常利益63億円、EBITDA91億円、売上高経常利益率2.7%、ROE4.9%として設定しておりました。

 これらの経営上の目標について、当連結会計年度における達成状況は以下のとおりとなりました。

 

指標

2022年2月期

(計画)

2022年2月期

(実績)

2022年2月期

(計画比)

営業収益

2,366億円

2,395億円

29億円( 1.2%)

経常利益

63億円

62億円

△0億円(△1.3%)

EBITDA(注)

91億円

93億円

2億円( 2.2%)

売上高経常利益率

2.7%

2.6%

△0.1ポイント

ROE

4.9%

4.6%

△0.3ポイント

(注) EBITDAの数値は、営業利益に減価償却費を加えて算出しております。

 

 当連結会計年度においては、株式の取得による連結子会社の増加や、店舗の新設による営業店舗数の増加により、営業収益は計画値を29億円上回る2,395億円となり、目標達成となりました。このほか、営業利益に減価償却費を加えることにより求めるEDITDAについても、計画値を2億円上回る93億円となり、目標達成しております。

 一方、経常利益については、減価償却費、営業外費用の増加により、計画値を84百万円下回り、62億円となりました。また、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の減少に伴い、売上高経常利益率、ROEについても、計画値に及びませんでした。これらについては、当社の第2次中期経営計画に掲げる「成長戦略」「収益力の強化」等の重点戦略の取り組みを進めるとともに、今一度当社グループ各社において費用増加の原因分析及び対策を行い、利益確保に努めてまいる所存であります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因

 食品小売業界におきましては、EC事業者やドラッグストアをはじめとして様々な業種・業態による食料品の取扱いが拡大し、企業間の競合は年々激化しております。当社グループが店舗展開する地域においても、少子高齢化や人口減少によりシェアの維持及び拡大は一層大きな課題となっており、競合する店舗の出店及び退店の状況が当社グループの収益に大きく影響を与えております。

 また、新型コロナウイルス感染症拡大の状況に加え、円安の為替相場の推移、地政学的リスクの高まりなど、不安定な社会情勢が国内経済へ与える影響は当社グループの事業活動に波及しており、今後も商品の仕入価格の上昇や物流費、電力料の増加による利益圧迫が懸念されます。

 これらの状況は消費者の購買行動にも影響を及ぼすものと見られ、企業収益や雇用環境の悪化、物価上昇による消費マインドの落ち込みが危惧されます。消費者の価値観や生活様式も絶えず変化をしており、これらの変化を迅速に捉え、対応していくことが今後ますます重要になるものと考えられます。

 これらの事業環境の変化、社会的状況の推移は、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼしているものと判断しております。なお、このほか経営成績に影響を与える要因となる事項については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑤ キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性

 キャッシュ・フローの状況及びキャッシュ・フロー指標の推移は次のとおりであります。

回次

第67期

第68期

第69期

決算年月

2020年2月

2021年2月

2022年2月

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

7,976,730

12,241,062

5,010,575

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

△6,463,926

△6,133,184

△6,780,490

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

△1,504,893

△1,322,350

△1,392,375

現金及び現金同等物の

期末残高

(千円)

14,249,476

19,035,002

15,872,712

自己資本比率

(%)

62.7

62.6

64.8

時価ベースの

自己資本比率

(%)

28.9

51.7

49.3

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率

(年)

1.8

1.2

3.0

インタレスト・

カバレッジ・レシオ

(倍)

134.1

213.8

88.1

(注)1 各指標の算出方法は以下のとおりです。

自己資本比率

:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率

:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ

:営業キャッシュ・フロー/利払い

2 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。

4 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象にしております。

5 利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&A等によるものであります。また、今後の資金需要の動向についても、概ねこれまでと同様の状況が続くと考えております。

 当社グループは、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入により、設備資金等は自己資金、金融機関からの長期借入及びリースにより調達しております。今後は、資金調達方法の多様化についても、随時検討を進めてまいります。

 資金調達の状況について、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は149億12百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は158億72百万円となっております。

 このほか、キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 連結財務諸表の作成においては、過去の実績や現在の状況を勘案して、合理的な基準に基づいて会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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