当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社において開示対象となる報告セグメントは、フードサービス事業の単一事業であるため、セグメント情報の記載を省略しております。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により全国的に緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が発出され厳しい状況が続いておりましたが、ワクチン接種の普及等の効果もあり、新規感染者数が減少に転じ、社会活動に緩やかな回復の兆しがみられる状況となっておりました。しかしながら2022年年初からはオミクロン株の急激な感染拡大が続き、まん延防止等重点措置が改めて発出されました。さらに、国際情勢の緊迫化、原油価格や原材料価格の高騰など、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当外食業界においても、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い外食需要が再び減少に転じるなど、先行きの見通せない大変厳しい経営環境が続いております。また、テイクアウトやデリバリー販売といった感染動向に左右されにくいビジネス展開に取組む企業の増加など、外食業界をとりまく環境が大きく変化しております。
このような環境のもと、当社は持続的成長且つ収益基盤の安定化に向けた収益力向上を実現するため、以下の取組みを行っております。
ア 営業施策による売上高・客数向上
当事業年度は、全店舗コロナ禍により営業時間の短縮を行ってまいりましたが、2021年12月27日より全店22時閉店と営業時間の延長を図ることにより今まで以上の売上額を獲得できております。
さらに2022年1月より営業開始時刻を1時間前倒しすることで今まで取り逃がしていたお客様のさらなる集客につながっており、引き続き積極的に営業時間の見直しをテイクアウトやデリバリー需要も含めて検討してまいります。また、新たな商品カテゴリーとして2022年2月より導入しました「丼」の販売が好調であり多数の新規客の獲得につながっております。今後も市場や競合他社との差別化を目指して「うどん」「丼」以外の商品カテゴリーの導入を検討するとともに、テイクアウトやデリバリーにおいても注文率の高い「うどん弁当」を核とした販売拡大や昨年導入した自社アプリを積極的に活用したデジタルマーケティングを強化してまいります。
イ 原価低減活動の継続実施と生産性のさらなる向上による収益性向上
当社は、2020年8月より収益性をさらに高める観点から、本社の遊休施設を活用して「カミサリー」(食品加工工場)を設立することで、店舗オペレーションの効率化による収益性の向上を図ってまいりました。
今後は、カミサリーの効果を活かした社内加工品目数を増やすことで、さらなる収益性・生産性の向上を目指してまいります。
また、当社の主要食材である小麦・食用油が著しく値上がりしていることから主要食材に依存しない新カテゴリーの「丼」の売上構成比を増加させることにより、原価率上昇を抑制してまいります。
ウ 業績管理の日次・月次でのきめ細かい分析とスピーディーな経営判断による業績向上
店舗の業績管理においてきめ細かい分析とスピーディーな経営管理・判断を行うべく、スーパーインテンデント(3~4店舗を統括する責任者)制度の導入により個店の経営指導力の強化を図るとともに、スーパーインテンデントの管理業務を支援する情報処理システムを導入し、適切なコストコントロールを全店舗で行い収益改善並びに業績向上を目指してまいります。
当事業年度は新規出店を行っていないため、店舗数は27店舗で前事業年度末から変更ありません。
以上の結果、当事業年度の売上高は1,746,344千円(前期比7.8%減)、営業損失は301,677千円(前期は営業損失643,484千円)、経常損失は114,810千円(前期は経常損失458,264千円)、当期純損失は158,712千円(前期は当期純損失252,380千円)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末比94,328千円増加し、271,105千円となりました。その要因は営業活動により83,240千円減少、投資活動により270,592千円増加、財務活動により93,024千円減少したことによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度末比1,001,084千円増加して△83,240千円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は減損損失49,326千円、未払消費税等の増加額40,234千円、その他の資産の減少額33,314千円、税引前当期純損失△148,655千円、未払金の減少額△58,475千円、法人税等の支払額△42,125千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度末比500,475千円減少して270,592千円となりました。投資活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は有形固定資産の売却による収入221,999千円、差入保証金の回収による収入111,470千円、資産除去債務の履行による支出△49,870千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度末比22千円増加して△93,024千円となりました。財務活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は短期借入れによる収入200,000千円、短期借入金の返済による支出△200,000千円、関係会社長期借入金の返済による支出△93,000千円であります。
記載すべき事項はありません。
当事業年度における仕入実績を品目別に示すと次のとおりであります。
(注) 金額は、仕入価格によっております。
当社はフードサービス事業であり、受注高及び受注残高について記載すべき事項はありません。
当事業年度における販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、販売高は、当該会計基準を適用した後の金額となっております。
2 上記は、既存店の販売実績を比較したものとなっております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社において開示対象となる報告セグメントは、フードサービス事業の単一事業であるため、セグメント情報の記載を省略しております。
資産は、前事業年度末比360,954千円減少して1,200,291千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加94,328千円、未収入金の減少77,828千円、建物(純額)の減少45,281千円、土地の減少206,518千円、差入保証金の減少109,820千円によるものです。負債は、前事業年度末比1,802,217千円減少して1,039,464千円となりました。主な要因は、未払金の減少88,636千円、関係会社長期借入金の減少1,693,000千円等によるものです。純資産は、前事業年度末比1,441,263千円増加して160,827千円となりました。主な要因は、繰越利益剰余金の増加10,172,413千円、資本金の減少50,000千円、資本準備金の減少3,043,367千円、その他資本剰余金の減少5,097,758千円、別途積立金の減少540,000千円等によるものです。この結果、当事業年度末の自己資本比率は、前事業年度末比95.4ポイント増加して13.4%となりました。
当社は、資本効率の向上のため指標として営業利益、売上高営業利益率、自己資本当期純利益率を重視した経営に努めており、2022年3月期の営業利益はマイナス301,677千円、売上高営業利益率はマイナス17.3%、自己資本当期純利益率は自己資本(期首及び期末の合計)がマイナスとなったため記載できないこととなりました。
主な要因及び対策につきましては、「( 1 )経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」・「第5 経理の状況」に記載のとおりであり、また、経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」・「2 事業等のリスク」に詳しく記載しております。
当社の2022年3月期のキャッシュ・フローは「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に詳しく記載しております。
当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報については、以下のとおりであります。
当社の資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、また、投資を目的とした資金需要は営業店舗の業態転換に伴う設備投資によるものであります。
資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、不足する資金需要に対応する場合には円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、銀行又は親会社から借入を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率、自己資本当期純利益率といった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高は597,500千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は271,105千円となっております。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えています。
固定資産の減損処理
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。将来この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生し、利益に影響を与える可能性があります。
ア 低価格競争、店舗数拡大競争とは一線を画し、「おいしい・たのしい・ここちいい」の三要素トータルの付加価値の提供を競争力の源泉とします。
イ 経営スタイルを店舗ごとの採算を重視するスタイルへ転換します。
ウ 顧客満足度の向上と社員の自主性を尊重する企業風土を確立します。
「お客様満足度」の向上を徹底して追求していくことによりお客様の支持の回復を図るとともに、既存店の集客力の回復により収益改善を図ります。
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