課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 「私たちグループ企業は、お客様から見た商品やサービスの価値を最大化する努力をすることにより、お客様に対し、いきいきとした生活、楽しい生活、充実した生活を提案し続ける」という経営理念に基づき、お客様より支持され続ける企業を目指すという企業活動を実行し、結果として「事業規模の大小にかかわらず、それぞれが目指す分野において、“オンリーワン”としてお客様にその存在価値を認められる、質的に高い一流企業」を目指し、事業を遂行してまいります。

(2)経営戦略等

 第一として、銀座山形屋の服づくりのこだわり「メイド・イン・ジャパン」、「着心地と品質」を柱に、「世界一のオーダーメイド企業」をつくります。

 第二として「お客様から見た商品やサービスの価値を最大化する努力をすることにより、いきいきとした生活、楽しい生活、充実した生活を提案し続ける」という経営理念に基づき行動します。

 第三として「従業員全員がオーダーメイドのプロ」として、服づくり・採寸接客の技術を“ぶれることなく”継続して磨きつづけることによりグループ企業一体となる、という理念のもと下記の施策を実行いたしました。

①テーラー銀座山形屋の原点に戻り「満足されたお客様は2度目もご愛用いただける100%のリピートオーダーを目指す」を目標に再客(リピーター)を満足度のものさしとし、品質・品揃え・価格・接客・知識すべての分野において接客レベルを向上し、本物のプロとしてのテーラー集団をつくりあげてまいりました。

②ブランド事業においては、新型コロナウイルス感染症による新しい生活様式に対応するべく、メンズにおいて

 は「軽くて柔らかくカーディガンの様に羽織れる」THIN JACKETの提案、レディースにおいてはカ

 ラーレスジャケットやブラウスといったデザイン・アイテムのオーダーで運営してまいりました。

「銀座山形屋ブランド」は、商品に対する価値観の多様化、仕事着のカジュアル化が進む中で「本物志向」をテ

 ーマにオリジナルで「上質でシワになりにくい」素材を展開し、スーツはもとより、ジャケット&スラックス

 の着回しを含めた、コーディネート提案に取り組んでまいりました。

「サルトリアプロメッサブランド」は、クラシコイタリアスタイルをベースに「柔らかさとリラックス感をテー

 マに、銀座山形屋ブランドとは異なるシルエットとスタイルでスーツ、ジャケット&スラックスの着こなしに

 おいて、新たな価値観を創造してまいりました。

「ミスターナブランド」は、シンプルでナチュラルな傾向を受け「リラクシングエレガンス」をテーマに柔らか

 く優しい印象のスーツ」と「シルエットと素材感で楽しむジャケット」でビジネスシーンのオンスタイルにク

 ローズアップして、曲線美を表現する着こなし提案をしてまいりました。

③第4のブランドである「bref(ブレフ)」は、オーダースーツの入門編として28歳をメインターゲットに「自分だけの一着」をカスタマイズ出来る楽しさを体感していただくこととインターネットでの自社サイトに

 よるWebオーダーとともに2プライスの原点に戻り運営してまいりました。

  ④製造部門におきましては、上半期は新型コロナウイルス感染症によりオーダースーツ受注が減少し、計画通り

  工場の稼働ができなかったことから、工場独自でのOEM受注活動や工場オーダー販売会等を実施し運営して参

  りました。下半期につきましては受注数量が安定し工場側も増産体制を取り、概ね計画通りの運営ができまし

 た。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は「安定した利益とキャッシュ・フローを出せる経営基盤の確立」の方針のもと、継続的に企業価値の向上を図ることが株主重視の経営と認識し、成長性の確保を図りながら、売上高経常利益率の向上と総資産回転率の向上を目指しております。

(4)経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き新型コロナ感染症が変異・拡大する中で、緊急事態宣言やまん延

防止措置等が発出され、経済活動は停滞しました。個人消費は2021年10月に緊急事態宣言が解除される中で改善の動

きが見られましたが、年明け以降は国際的な政情不安が高まり、先行き不透明感が増しています。

 小売業界におきましては、引き続き在宅勤務など就労スタイルの多様化が進む中で、個人消費の二極化が進み、特

に主にスーツを取扱う当社グループは厳しい環境が続きました。

 このような環境のもと当社グループは「安定した利益とキャッシュ・フロー」を出せる経営基盤の確立の方針のも

と、収益力向上に努めてまいりました。

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

  今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の変異ウイルスの拡がる中、ワクチン接種は開始されましたものの、新たに国際的な政情不安も加わり、経済の本格的な回復については不透明な状況が続くと見込んでおります。

 このような状況のもと当社グループは、小売事業の付加価値の高い3ブランド店舗を柱にし、2021年4月1日より日本国内の地域的展開スピードをより機動的に推進するため卸事業・受託縫製事業を北日本、東日本、西日本に会社分割しております。オーダーメイドスーツの大量販売・大量生産から「一客一客・一着一着」を大事に取り組む企業基盤を構築し100%のリピートオーダーに繋げてまいります。

  ブランド事業におきましては、脱スーツ・仕事着とカジュアルのボーダーレス化に合わせた「ユーティリティスーツ」(扱いやすいスーツ)・(軽いスーツ)・(着楽なスーツ)を昨年の春夏よりオーダーメイド仕立てでスタートしております。

①「銀座山形屋ブランド」は、拘りを追求するお客様に向けて「新しい価値観での本物志向」をテーマに開発したユーティリティスーツを活用してセットアップでのスーツ、ジャケット&パンツのセパレートスタイルの着こなしとともに提案してまいります。

②「サルトリアプロメッサブランド」もビジネスとカジュアルの垣根を超えた「全方位型のリラックススタイル」をテーマにセットアップアイテムによるON・OFF・リモートの3シーンでの着こなしスタイルの提案を行ってまいります。

③「ミスターナブランド」は、スーツ以上に、セパレートの単品アイテムコーディネートに注力してまいります。特に、顔映えやバストアップでの印象を良く魅せるデザイン・素材・インナーを含めたトータルコーディネート提案をしてまいります。

④テーラー銀座山形屋として本物のプロ集団をつくりあげるため、販売部門は技術を持った販売員の育成、生産部門は品質向上を目指し縫製技能士育成・定期的なOJT教育による技術指導を重点にオペレーター教育を継続して行ってまいります。

 

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