課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループの経営理念は、「企業とは人々の幸せのために存在すべきものであり、それでこそ社会から支持され、存続することができる」という考えに根ざしており、これは創業以来不変のものであります。

上記経営理念に基づき、当社グループは、「遅れた分野の流通近代化」の実現のために、金物・工具、資材・建材分野と園芸、家庭菜園、農業資材分野を核カテゴリーとしてとらえ、流通改革に取り組んでまいります。

(長期ビジョン -当社が目指すもの-)

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(2) サステナブルに関する事項

①基本方針

サステナビリティの基本方針につきましては、「コメリグループ行動指針」「行動基準」を定め、環境・社会を中心とする社会課題の解決による持続可能な社会の実現、持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指しております。

なお、「コメリグループ行動指針」「行動基準」につきましては、当社ウェブサイトで開示しております。

https://www.komeri.bit.or.jp/csr/koudousisin/index.html

②社会課題の解決への取り組み

当社グループは、環境・社会を中心とする社会課題の解決による持続可能な社会の実現、持続的な成長および中長期的な企業価値向上を目指し、商品や店舗運営、物流等、商品の生産から販売までのすべての過程において、省力化・効率化を行い、環境及び社会課題の解決に取り組んでおります。また、CO2排出量可視化に基づく気候変動による将来リスクや事業機会の把握を行い変化対応型の事業展開を目指し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みも進めてまいります。

主な取組内容は、以下の通りです。

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(3)中長期的な会社の経営戦略等

①経営環境

ⅰ外部環境

・新型コロナウイルス感染症拡大防止のための緊急事態宣言等が断続的に発出され、飲食店の営業制限、外出自粛要請等により厳しい状況が続きました。

・ワクチン接種が進み、経済社会活動正常化に向けた動きはみられるものの、エネルギー価格、原材料価格の上昇、急激な円安に加え、ロシア・ウクライナ情勢が世界経済に与える影響等により引き続き不透明な状況が続いております。

・天候不順や自然災害等の気候変動の影響による消費行動の変化や、農作物の生産状況の変化や産地移動等の影響があります。

・人口減少や少子高齢化の影響による世帯年齢構成の変化、これから始まる世帯数の減少による社会・地域経済に与える影響・購買力の減少は、増えていくものと考えられます。

ⅱ小売業界

エネルギー及び原材料価格、物流コストの上昇、円安によるインフレ懸念や、これによる景気の下振れリスク、個人可処分所得や雇用の悪化リスク等、引き続き厳しい経営環境にあります。

②経営戦略等

2022年4月26日に、「2022年3月期-20025年3月期 中期経営計画」を公表いたしました。チェーンストアのマスのメリットを発揮し、生産から販売までをトータルコーディネーションし、より良い商品をより安く、お客様には無駄なコストは1円たりとも負担させないという考えのもと、「成長基盤投資」、「暮らしを守り・育てる商品開発」、「チェーンリフォーム」、「ネットとリアルでより身近に」の4つの重点施策を着実に実行することで、資材・建材、園芸・農業資材市場における遅れた分野の流通近代化を進め、更なる成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

(我々がチャレンジする市場 7兆円)

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③目標とする経営指標

当社グループは、中期経営計画の最終年度である2025年3月期の目標を、以下の通り設定いたしました。

・営業収益 : 4,180億円     ・営業利益 :  320億円

・R O A : 8.0%以上     ・R O E : 8.0%以上

※総資本経常利益率

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループを取り巻く環境は、気候変動・脱炭素、少子高齢化や人口減少、エネルギー及び原材料価格の上昇等により、お客様の消費意識・消費行動や社会構造等が急激に変化していくものと思われます。

このような状況の中、当社グループは、ホームセンター事業を通じた資材・建材、金物・工具と園芸、家庭菜園、農業資材分野の流通イノベーションとチャネルシフトの実現、及び環境・社会を中心とする社会課題の解決による持続可能な社会の実現の両立を行い、更なる成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。

①出店の拡大と物流機能の拡充

・出店につきましては、パワー、PRO、ハード&グリーン等の各種フォーマットによる船団方式の出店により、密度の高いドミナントエリアを形成し、商圏内の売上シェアを高めるとともに雇用の創出も図ってまいります。

・物流機能の拡充につきましては、3,000店舗体制を視野に、現在全国に11ヵ所ある物流センターを将来的には倍以上にし、物流の内製化と店舗作業のローコスト化を図ってまいります。

②商品力の強化と住関連サービスの拡充

・生産から販売までをトータルプロデュースし、「お客様の暮らしを守り・育てる」を合言葉に、商品開発を推進するとともに、いつでも安心してお買い物ができるEDLP(エブリデイ・ロープライス)施策も推進してまいります。

・リフォーム体制の拡充と住まいに関するお困りごとを解決する「住急番」を中心としたサービスの拡充を図り、社会環境等の変化により顕在化した住環境改善ニーズに対応してまいります。

③資材・建材と農業分野への取り組み

・資材・建材分野につきましては、パワー及びPROの出店を推進し、建設事業者様等の利便性向上に資する取り組みを行い、資材・建材調達に関する社会的コストの削減を図ってまいります。

・農業分野につきましては、農業振興及び地域振興に寄与する取り組みを行い、日本の農業の産業化を支援してまいります。また、新たな持続可能な農業支援モデルの構築を目指し、各地のJAとの協業を推進し、食料生産に関する社会的コストの削減を図ってまいります。

④DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

・人材教育投資とシステム投資により、店舗及びストアサポートセンター(本社)の生産性向上とお客様への提案力向上を図り、更なる既存店舗の売上高向上と高収益体制の確立を目指してまいります。

・当社グループの店舗インフラの強みを活かし、インターネット注文の店頭引き取りやラストワンマイル配送等のお客様の利便性向上に資する取り組みを行い、店舗とインターネットの融合を更に推進してまいります。

・キャッシュレス等、決済手段の多様化対応につきましては、連結子会社の(株)コメリキャピタルとともに、コメリカードを中心とするカード会員の獲得を進め、固定客化と利便性向上への取り組みを図ってまいります。

⑤コーポレート・ガバナンスの更なる強化

引き続き、取締役会の監査・監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンス体制を強化していくために、以下の内容をはじめとする各種取り組みを行ってまいります。

・経営陣幹部の多様性の確保

・取締役会の意思決定の迅速化と経営陣幹部の業務執行責任の明確化

・経営陣幹部の指名及び報酬の決定の手続きの公平性・透明性・客観性の確保

・気候変動・人権の尊重・人的資本・知的財産をはじめとするサステナビリティに関する課題への取り組み

⑥中期経営計画の策定

2022年4月26日に公表いたしました2023年3月期から2025年3月期の中期経営計画で掲げた4つの重点施策、「成長基盤投資」、「暮らしを守り・育てる商品開発」、「チェーンリフォーム」、「ネットとリアルでより身近に」を着実に実行することで、資材・建材、園芸・農業資材市場における遅れた分野の流通近代化を進め、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

 

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