(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が断続的に続き、未だ予断を許さない状況が続いております。国内では3回目のワクチン接種が行われているものの、新規感染者数は増減を繰り返し年明けには再度まん延防止等重点措置が発令されるなど、年間を通じて飲食や宿泊、観光業などを中心に個人消費は低迷している状況でありました。
現在、足元の景気動向には持ち直しの動きも見られるものの、感染拡大の懸念は未だ払拭されず、また資源価格、原材料価格の高騰の影響など、当社グループを取り巻く環境は依然として厳しい状況で推移しております。
このような経済情勢のなかで当社グループといたしましては、市場や顧客ニーズの変化を的確に把握し、高付加価値商品の開発、新規販路の開拓及び取引先との関係強化に積極的に取り組み、販売強化に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は5,247百万円(前年同期比12.7%増)、営業損益は216百万円の営業損失(前年同期は697百万円の営業損失)、経常損益は220百万円の経常損失(前年同期は695百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損益は154百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前年同期は940百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメント別業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
みやげ卸売事業
みやげ卸売事業は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛の影響を受け受注低迷の状況が続いておりましたが、緊急事態宣言が解除された10月以降は年末にかけて人出が回復したものの、第4四半期においてはまん延防止等重点措置の再発出に伴う外出自粛により観光客数が大幅に減少したこともあり、売上高は3,308百万円(前年同期比24.5%増)となり、営業損益は52百万円の営業損失(前年同期は350百万円の営業損失)となりました。
みやげ小売事業
みやげ小売事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により春から夏の繁忙期における観光客数が大幅に減少しましたが、緊急事態宣言が解除された秋以降は観光客数が回復したものの、昨年のGoToトラベル効果ほどの盛り上がりには及ばず、また第4四半期における不要不急の外出自粛、契約期間満了及び不採算店舗の退店なども影響し、売上高は464百万円(前年同期比2.1%減)となり、営業損益は62百万円の営業損失(前年同期は134百万円の営業損失)となりました。
みやげ製造事業
みやげ製造事業は、新型コロナウイルス感染症拡大により大幅な受注減の状況が続き、製造ラインの停止及び定期的な休業を実施した一方で、秋から年末にかけて観光客数の回復とともに受注が増加しましたが、以降は前年ほどの受注量には届かず、売上高は80百万円(前年同期比5.6%増)となり、営業損益は64百万円の営業損失(前年同期は91百万円の営業損失)となりました。
温浴施設事業
温浴施設事業は、新型コロナウイルスの感染防止対策の徹底に努めた運営を行う中で、依然として感染リスクを避けた飲食控えの傾向は継続しておりますが、秋以降は感染者数が抑えられ来苑しやすい状況になり、コロナ禍の自粛生活を癒すリラックス効果と全国的なサウナブームの流れも相まって、気温の低下とともに利用者数は回復し、売上高は238百万円(前年同期比21.0%増)となり、営業利益は27百万円(前年同期は29百万円の営業損失)となりました。
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、長野市内の「ショッピングタウンあおぞら」のテナント管理を中心に営んでおります。このうち自社運営していた一部区画を賃貸に変更したことにより、123百万円(前年同期比12.2%増)となり、営業利益は44百万円(前年同期比9.2%増)となりました。
アウトドア用品事業
アウトドア用品事業は、コロナ禍を背景としたアウトドアブームは継続し、日常の新たな生活スタイルとしても取り入れられるようになり、VANVAN各店においてニーズに応じた商品の充実化及びサービスの向上に努めるとともに体験型イベントの実施、TV等のマスメディア並びにSNS等による情報発信を積極的に行い、ライトアウトドアユーザーを中心に新たな顧客獲得とリピーターの確保に取り組んでまいりましたが、売上高は694百万円(前年同期比0.3%減)となり、営業利益は90百万円(前年同期比9.0%減)となりました。
飲食事業
飲食事業は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い感染予防としての外出自粛や外食控えにより来店客数が低迷しており、コスト削減のため一部店舗において休業日を増やしたことも影響し、売上高は73百万円(前年同期比3.4%増)となり、営業損益は33百万円の営業損失(前年同期は52百万円の営業損失)となりました。
その他事業
その他事業は、ギフト店、保険代理店、和洋菓子直売店等の運営が含まれますが、和洋菓子直売店については2021年10月1日を以て事業譲渡をしております。この結果、売上高は264百万円(前年同期比29.2%減)となり、営業利益は26百万円(前年同期比33.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は733百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は、11百万円(前連結会計年度末は210百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失104百万円、減価償却費109百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果増加した資金は、122百万円(前連結会計年度末は150百万円の減少)となりました。これは主に敷金保証金の回収による収入及び事業譲渡による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、111百万円(前連結会計年度末は539百万円の増加)となりました。これは主に有利子負債の減少によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当事業年度において、生産及び販売の実績に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるものであります。販売の実績の著しい減少は、度重なる緊急事態宣言の発出に伴う外出自粛要請等の影響により、販売機会の減少が大きく影響しております。生産、商品仕入及び製品仕入の実績の著しい減少は、販売の実績の著しい減少に合わせて、生産仕入の抑制を行ったことが大きく影響しております。
生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
みやげ製造事業(千円) |
85,154 |
89.3 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
みやげ卸売事業(千円) |
2,464,900 |
122.9 |
みやげ小売事業(千円) |
225,661 |
104.3 |
不動産賃貸事業(千円) |
370 |
78.5 |
アウトドア用品事業(千円) |
493,618 |
108.4 |
飲食事業(千円) |
24,450 |
99.8 |
報告セグメント計(千円) |
3,209,001 |
118.7 |
その他(千円) |
158,327 |
70.1 |
合計(千円) |
3,367,329 |
115.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
受注状況
当社グループは、販売計画に基づいた見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
みやげ卸売事業(千円) |
3,308,191 |
124.5 |
みやげ小売事業(千円) |
464,869 |
97.9 |
みやげ製造事業(千円) |
80,907 |
105.6 |
温浴施設事業(千円) |
238,226 |
121.0 |
不動産賃貸事業(千円) |
123,354 |
112.2 |
アウトドア用品事業(千円) |
694,352 |
99.7 |
飲食事業(千円) |
73,264 |
103.4 |
報告セグメント計(千円) |
4,983,165 |
116.4 |
その他(千円) |
264,112 |
70.8 |
合 計(千円) |
5,247,278 |
112.7 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、有価証券の評価、棚卸資産の評価、減価償却の方法、引当金の計上基準等の重要な会計方針並びに税効果会計等に関して見積り及び判断を行っております。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。過去の実績及び当該取引の状況に照らして、合理的と考える見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(固定資産の減損処理)
固定資産の減損損失に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の認識に際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高はみやげ卸売事業、みやげ製造事業、温浴施設事業、不動産賃貸事業及び飲食事業において増加が見られましたが、契約期間満了及び不採算店舗の退店などの影響により、みやげ小売事業にて減少し、5,247百万円(前連結会計年度比12.7%増)となりました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
売上原価は、温浴施設事業における増加が影響し、前連結会計年度に比べ7.8%増の3,812百万円となりました。
販売費及び一般管理費は販売手数料、人件費等の減少により前連結会計年度に比べ9.0%減の1,651百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度は940百万円の親会社株主に帰属する当期純損失、当連結会計年度は154百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、一般的にみやげ卸売・小売事業、アウトドア用品事業においては個人消費の動向や購買動向、天候などの要因が考えられますが、当連結会計年度、そして翌連結会計年度においても新型コロナウイルス感染症の影響が続くものと思われます。
また、当社グループの事業活動は、様々な法的規制があるため規制上のリスクを伴っておりますので、取組みの範囲を超える事態が発生した場合には、業績に影響する可能性があります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業活動における運転資金需要の主なものとして、みやげ卸売事業とみやげ小売事業における商品仕入となっております。また、設備資金需要としては、みやげ製造事業、温浴施設事業と不動産賃貸事業における設備の入替費用等となっております。
また、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入等により資金調達を行っており、運転資金及び設備資金につきましては、子会社を含め当社において一元管理し、当社グループ全体の有利子負債の削減を図っております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、企業利益、資本効率、生産性の向上が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益、自己資本比率を重要な指標として位置付けております。
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