業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の概要

(1)経営成績

当連結会計年度のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響があったものの、実質GDPは2021年通年で前

年比1.7%増と3年ぶりのプラス成長となりました。世界経済では、欧米諸国を中心とした防疫と経済の両立進展

により世界的な供給不足が発生して資源や資材の価格が急上昇し、物価高が長期化しています。加えて、ウクライ

ナ東部紛争が激化することで、食品やエネルギーの供給に与える影響は大きく、今後の経済の見通しは極めて不透

明となっています。

 

 1)当連結会計年度の消費環境の概要

①当連結会計年度の国内消費環境は、上半期は新型コロナウイルス感染症の影響で緊急事態宣言が継続的に発出さ

 れ、外出や旅行の自粛が続き、東京五輪開催も消費喚起には繋がらず、個人消費は低迷を続けました。下半期は感

 染者数の減少で10月から年末年始にかけて消費マインドが持ち直したものの、年明け以降はオミクロン株の拡大で

 感染者数が急増し、まん延防止等重点措置も発出されて、衣料品販売にとっては再び厳しい状況となりました。

②天候については、上半期の3~4月は高気温で、5~6月は梅雨入りし全国的に雨や曇りが多くなりました。7月

 早々に梅雨明けしたものの、8月は冷夏となり夏のセールは不振でした。下半期は9月に気温が低下し、10~11月

 は朝晩の冷え込みが強まりました。12~2月は真冬の寒さと積雪が続き、冬物は実用商品を中心に好調でした。

 

 2)当社グループの状況

  このような状況下で、当社グループは令和3年度のグループ統一テーマを“リ・ボーン1stステージ『再生と進

  化』”とし、見て触れて、楽しく選んで、気軽にお買い物が出来る店をさらに進化させ、お客様に“ワクワク”を

  届けるため、商品力と販売力の強化を更に推し進めました。また、事業の基礎と基盤の強化や将来に向けた対応と

  して、EC事業ではサービス拡充と物流の効率化を進め、バースデイ事業での展開も開始しました。

 

 3)主力のしまむら事業

   当連結会計年度は4店舗を開設、13店舗を閉店し、店舗数は1,421店舗となりました。

また売上高は前期比6.8%増の4,401億18百万円となりました。

 

 4)アベイル事業

   当連結会計年度は4店舗を開設、5店舗を閉店し、店舗数は314店舗となりました。

   また売上高は前期比10.0%増の544億46百万円となりました。

 

 5)バースデイ事業

 当連結会計年度は13店舗を開設、1店舗を閉店し、店舗数は310店舗となりました。

 また売上高は前期比10.9%増の695億5百万円となりました。

 

 6)シャンブル事業

   当連結会計年度は7店舗を開設し、店舗数は102店舗となりました。

また売上高は前期比13.2%増の132億70百万円となりました。

 

 7)ディバロ事業

 当連結会計年度は1店舗を閉店し、店舗数は15店舗となりました。

 また売上高は前期比2.7%減の6億49百万円となりました。

 

 8)以上の結果、当連結会計年度の日本国内の業績は、売上高5,779億89百万円(前期比7.7%増)、営業利益494億85

 百万円(同29.5%増)、経常利益503億75百万円(同28.7%増)、当期純利益は353億2百万円(同37.3%増)となりました。

 

 9)思夢樂事業

当連結会計年度は3店舗を閉店し、店舗数は42店舗となりました。

また売上高は前期比11.4%減の13億62百万NT$(56億28百万円)となりました。

 

 

 

 10)以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高5,836億18百万円(前期比7.6%増)、営業利益494億20百万円

 (同30.0%増)、経常利益505億67百万円(同28.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は354億28百万円

 (同35.4%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動及び新規出店等による投資活動、ならびに財務活動を行った結果、当連結会計年度末の資金残高が、前連結会計年度末に比べ1,719億41百万円増加し、1,824億27百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度と比べ90億21百万円減少し、372億13百万円となりました。

これは、税金等調整前当期純利益502億24百万円、減価償却費59億11百万円、仕入債務の増加額43億79百万円等に対し、法人税等の支払額168億84百万円、その他の流動負債の減少額24億円、たな卸資産の増加額19億49百万円、売上債権の増加額18億86百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により得られた資金は、1,431億37百万円(前連結会計年度は1,113億24百万円の使用)となりました。

これは有価証券の償還による収入4,405億円、定期預金の払戻による収入160億円、建設立替金・差入保証金の回収による収入30億23百万円等に対し、有価証券の取得による支出2,915億円、定期預金の預入による支出160億円、有形固定資産の取得による支出82億48百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用した資金は、前連結会計年度と比べ10億98百万円増加し、84億60百万円となりました。これは、配当金の支払額84億46百万円等によるものです。

 

 

生産、受注及び販売の実績

(1)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 令和3年2月21日

至 令和4年2月20日)

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

婦人衣料

94,980

108.6

肌着

65,225

100.6

寝装品

28,852

102.4

紳士衣料

26,395

103.1

ベビー・子供服

24,375

112.0

洋品小物

23,001

116.0

インテリア

19,594

109.4

11,833

119.2

しまむら

294,258

106.8

  レディースウエア

13,840

105.6

  シューズ・服飾

8,276

117.9

  メンズウエア

7,576

104.8

  アンダーウエア・インテリア

3,446

107.4

アベイル

33,140

108.4

  雑貨・マタニティ

23,045

113.0

  キッズ衣料・肌着

12,848

119.9

  ベビー衣料・肌着

11,136

122.9

バースデイ

47,030

117.1

シャンブル

8,354

114.9

ディバロ

406

93.3

 日本計

383,189

108.3

思夢樂

3,440

98.9

海外計

3,440

97.0

合計

386,630

108.1

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   2.飾夢楽(上海)商貿有限公司は、令和4年2月の取締役会で清算を決議し、現在は清算の手続き中です。

 

(2)売上の実績

当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと次のとおりです。

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 令和3年2月21日

至 令和4年2月20日)

  売上高(百万円)

  前年同期比(%)

婦人衣料

139,205

109.6

肌着

101,854

101.2

寝装品

43,258

101.4

紳士衣料

38,841

104.2

ベビー・子供服

34,841

110.0

洋品小物

34,034

115.5

インテリア

30,132

106.6

17,950

118.6

しまむら

440,118

106.8

  レディースウェア

22,308

104.2

  メンズウェア

12,701

108.0

  シューズ・服飾

11,131

100.3

  アンダーウェア・インテリア

8,304

159.4

アベイル

54,446

110.0

  雑貨・マタニティ

33,108

107.4

  キッズ衣料・肌着

19,372

115.5

  ベビー衣料・肌着

17,023

113.0

バースデイ

69,505

110.9

シャンブル

13,270

113.2

ディバロ

649

97.3

日本計

577,989

107.7

思夢樂

5,628

96.5

海外計

5,628

94.0

合計

583,618

107.6

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   2.飾夢楽(上海)商貿有限公司は、令和4年2月の取締役会で清算を決議し、現在は清算の手続き中です。

 

(3)都道府県別売上実績

当連結会計年度の都道府県別の売上実績を示すと次のとおりです。

都道府県名

当連結会計年度(自 令和3年2月21日 至 令和4年2月20日)

売上高(百万円)

前年同期比(%)

構成比(%)

期末店舗数 (店)

北海道

28,979

105.8

5.0

117

青森県

9,386

103.7

1.6

39

岩手県

8,150

105.6

1.4

34

宮城県

13,547

106.0

2.3

57

秋田県

6,773

104.7

1.2

30

山形県

7,453

106.2

1.3

32

福島県

14,805

105.0

2.5

58

茨城県

19,942

105.2

3.4

87

栃木県

14,694

105.4

2.5

63

群馬県

13,546

103.2

2.3

60

埼玉県

45,422

113.6

7.8

154

千葉県

30,274

106.4

5.2

115

東京都

28,916

111.5

5.0

86

神奈川県

28,089

110.9

4.8

86

新潟県

13,097

106.6

2.2

56

富山県

6,242

107.1

1.1

30

石川県

5,402

106.4

0.9

23

福井県

4,575

109.2

0.8

17

山梨県

5,590

106.9

1.0

22

長野県

13,964

107.6

2.4

60

岐阜県

8,894

108.9

1.5

34

静岡県

19,540

104.5

3.3

65

愛知県

26,650

108.6

4.6

81

三重県

7,963

109.0

1.4

32

滋賀県

6,899

107.0

1.2

29

京都府

9,197

110.4

1.6

33

大阪府

28,207

108.5

4.8

88

兵庫県

19,336

110.5

3.3

74

奈良県

6,340

104.9

1.1

29

和歌山県

5,269

107.2

0.9

19

鳥取県

3,844

104.5

0.7

14

島根県

3,558

108.9

0.6

17

岡山県

9,261

105.0

1.6

32

広島県

9,479

109.2

1.6

32

山口県

7,386

110.5

1.3

30

徳島県

3,695

106.8

0.6

14

香川県

4,850

108.6

0.8

20

愛媛県

7,227

105.9

1.2

29

高知県

4,131

104.5

0.7

15

福岡県

22,568

108.4

3.9

82

佐賀県

4,591

109.2

0.8

18

長崎県

6,646

104.9

1.1

24

熊本県

8,028

105.2

1.4

30

大分県

5,852

104.9

1.0

21

宮崎県

6,410

104.6

1.1

21

鹿児島県

8,214

109.4

1.4

32

沖縄県

5,084

106.0

0.9

21

日本計

577,989

107.7

99.0

2,162

思夢樂(台湾)

5,628

96.5

1.0

42

海外計

5,628

94.0

1.0

42

合計

583,618

107.6

100.0

2,204

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   2.飾夢楽(上海)商貿有限公司は、令和4年2月の取締役会で清算を決議し、現在は清算の手続き中です。

 

(4)単位当たりの売上実績

項目

前連結会計年度

(自 令和2年2月21日

至 令和3年2月20日)

当連結会計年度

(自 令和3年2月21日

至 令和4年2月20日)

売上高(百万円)

542,608

583,618

従業員数(平均)(人)

15,079.8

15,145.5

1人当たり期間売上高(千円)

35,982

38,534

売場面積(平均)(㎡)

2,227,038

2,222,720

1㎡当たり期間売上高(千円)

243

262

(注)1.売場面積(平均)は営業店舗の稼働月数を基礎として算出しております。

2.従業員数(平均)は定時社員(パートタイマー)を正社員換算して算出しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、

文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末(令和4年2月20日)現在において判断したもの

であります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されて

おります。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財

務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。 連結財務諸表の作成におい

ては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積り

には不確実性が伴い実際の結果は異なる場合があります。

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産残高は、前連結会計年度末に比較して262億55百万円増加して3,026億26百万円となりました。これは、主として、現金及び預金の増加1,669億41百万円、商品の増加19億86百万円、売掛金の増加18億86百万円、有価証券の減少1,440億円によるものです。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産残高は、前連結会計年度末に比較して32億42百万円減少して1,721億84百万円となりました。これは、主として、差入保証金の減少19億94百万円によるものです。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債残高は、前連結会計年度末に比較して41億91百万円減少して544億33百万円となりました。これは、主として、買掛金の増加44億円、その他の流動負債の減少52億23百万円、未払法人税等の減少22億1百万円によるものです。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債残高は、前連結会計年度末に比較して5億96百万円増加して93億82百万円となりました。これは主として、資産除去債務の増加2億22百万円、退職給付に係る負債の増加1億51百万円、その他の固定負債の増加1億45百万円によるものです。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産残高は、前連結会計年度末に比べ266億7百万円増加し、4,109億95百万円となりました。これは主として、利益剰余金の増加269億76百万円によるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「経営成績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご覧下さい。

(資本の財源及び資金の流動性について)

 当社グループの事業活動における運転資金については、日々回収される売上金と自己資金を主な財源としており、

 設備投資に関しましても、当連結会計年度では新社屋と新規出店等に88億円の投資を行っており、これらは全て自

 己資金で賄っております。投資は営業キャッシュ・フローの範囲内であるため財務面の安全度は増しております。

(4)経営成績の分析

 1)しまむら事業

①主力のしまむら事業は、ブランド力の強化としてPBとJBの展開を拡大し、売場・販促との連動が効果を発揮しまし

 た。また、旬のトレンド商品にインフルエンサー企画、キャラクター商品等の品揃えの幅を拡大し、コーディネー

 ト提案も強化して、毎週のチラシで打ち出したことで、来店客数が増加しました。

②在庫管理では、売筋商品を短期間で追加生産して再投入する等、サプライヤーと連携した短期生産サイクルを継続

 して効率的な在庫コントロールを行い、天候や需要の変化に適切に対応したことで値下を抑制出来ました。

③広告宣伝では、PBやJB、インフルエンサー企画の動画広告を、天候や商品の売行きに応じて機動的にSNSや動画配

 信サイトへ掲載するデジタル広告を拡大しました。また地域別のチラシ差替対応も効果を発揮しました。

 

 2)アベイル事業

アベイル事業は、レディースで立上げた新規JBの3ブランドを、メンズやシューズ・服飾雑貨に拡大してトータルコーディネート提案が出来る商品展開とし、売場と販促も連動させたことで好調でした。新設したインテリア・生活雑貨部門は、売場と品揃えを拡大したことで大きく売上を伸ばしました。キャラクター商品では、催事売場を活用し、アウター衣料から雑貨、インテリアまでトータル展開したことで来店客数が増加しました。

 

 3)バースデイ事業

 バースデイ事業は、主力JBの「tete a tete(テータテート)」と「futafuta(フタフタ)」を中心に、品揃えの幅

 を拡大し、様々なキャラクターとのコラボ商品を開発したことで好調でした。季節商品は前倒し展開により良好に

 推移し、一方で、短期追加生産の拡大により値下率が低下しました。入園入学用品等のオケージョン対応商品は、

 特設売場を工夫して売上を伸ばしました。

 

 4)シャンブル事業

 シャンブル事業は、服飾雑貨と婦人衣料品は、新規JBの立上げや既存JBのブランディングの改善で売上を伸ばし、家ナカ需要でコスメや文具、お菓子や入浴品が好調でした。キッチン・ランチ用品では、キャラクター商品に加えて、JB「tsukuru&Lin.(ツクル&リン)」や「irokkoh(イロッコ)」の調理用品や食器が好調でした。

 

 5)ディバロ事業

 ディバロ事業は、レディースはサンダルやブーツの季節商品が好調で、パンプスの売上も復調しました。メンズは取扱いを拡大したヤング向け商品が好調でした。靴とファッションが融合した新たな店舗作りのために、新規に取扱いを開始したアウター衣料と服飾雑貨は、靴とコーディネート販売したことで買上点数が増加しました。

 

 6)思夢樂事業

台湾で事業展開する思夢樂事業は、総合衣料の専門店として、台湾のお客様にとって適時、適品、適量、適価な品揃えとするために事業の再構築を進めています。上半期は5月に新型コロナウイルスの感染が急拡大して以降、台湾全域で防疫措置が実施されて売上高が大きく落ち込みました。下半期は感染者数減少と政府の消費喚起策により売上は回復傾向となったものの、記録的な暖冬とコロナ再拡大で売上高は前年を下回りました。商品展開では日本のPB・JBの取扱いを拡大し、販促ではチラシのポスティングやSNSで商品紹介の動画配信を開始したことが効果を発揮し、下半期の既存店売上高は前期比4.6%増となりました。

 

(5)経営上の目標の達成状況について

当社グループは、安定的な企業の成長を続けるため、中長期的な経営上の目標として連結営業利益率は10%が適切と認識しております。

当連結会計年度における当社グループの連結営業利益率は、8.5%と目標水準を下回りましたが、今後につきましても、適正な粗利益確保と販売費及び一般管理費の抑制を図り、当該目標の達成に努めて参ります。

 

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