業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 ① 財政状態及び経営成績の状況

  a.経営成績

当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う断続的な緊急事態宣言が発出され、商業施設の営業時間短縮や外出自粛の影響が続き、個人消費が低迷する中、とりわけ衣料品の市況は非常に厳しい状況で推移いたしました。

このような経営環境の中、当社グループは「既存総合衣料卸売事業の収益回復」、「ECプラットフォーム事業の推進」、「D2Cアパレル商材の生産事業」、「ビューティー&ヘルスケア事業の拡大」、「エンターテイメント事業におけるオリジナルコンテンツの育成」、「メディカル事業の拡大」等を重点施策として取り組んでまいりました。

総合衣料卸売事業においては、組織体制刷新による過剰在庫の抑制等を中心とした管理体制の強化による利益率の改善やコロナ禍における来店顧客減少による売上低下に歯止めをかけるべく、自社販売商品のEC化や売場外売上の獲得に注力してまいりました。しかしながら、年間を通じての緊急事態宣言の断続的な発出やまん延防止等重点措置の適用に伴う衣料品への消費低迷の影響が大きく、また、前年のような衛生関連商品に対する大きなニーズもなかったことから、それらの不良在庫の処理も発生し売上、利益面ともに大きく苦戦を強いられました。

全国の出店メーカーと会員小売店が直接取引を行える会員制仕入れ専用BtoBサイトによるECプラットフォーム事業においては、2021年9月27日より事業を開始しており、メーカーにとっては地域を超えた全国小売店への販路拡大ツールとして、また、小売店にとっては出店メーカーとオンラインで取引を行うことができ、仕入先を大幅に拡大するツールとして、アフターコロナに向けたニューノーマルな時代に合わせた仕入れサイトを運営しております。今後は、出店メーカー数及び会員顧客数の増加を重点施策として取組んでまいります。

D2Cアパレル商材の生産事業においては、著名人のデザインしたアイテムを当社が生産し、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」において、YouTubeやSNSと連動した企画販売を行いました。現在、新規企画の展開を計画・協議中であり、D2Cアパレル商材の生産を推進してまいります。

ビューティー&ヘルスケア事業においては、インフルエンサーとコラボレーション企画した「カラタス」ブランド商品の販売拡充やインドネシア、バリ島発のヘアケアブランド「マカリゾ」の国内独占販売元として販路拡大を進めております。また、オリジナルコスメの開発や新規事業である「いつもの薬が処方箋無しで買える零売薬局事業」に着手しており、新たな収益の柱を構築してまいります。

連結子会社株式会社Sanko Advance がてがけるエンターテイメント事業においては、引続きコンサート開催が厳しい環境化ではありますが、オリジナルコンテンツの育成等が順調に推移いたしました。

以上の結果、当社グループ全体の当連結会計年度の売上高は、42億89百万円(前期比26.2%減)、営業損失は5億18百万円(前期は営業利益63百万円)、経常損失5億88百万円(前期は経常利益54百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は6億1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益14百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より報告ゼグメントを従来の「卸売事業」、「小売事業」及び「エンターテイメント事業」の3区分から、「卸売事業」、「小売事業」、「エンターテイメント事業」及び「メディカル事業」の4区分に変更しております。

 (卸売事業)

売上高は、40億84百万円(前期比28.2%減)、営業損失は2億89百万円(前期は営業利益2億25百万円)となりました。

 

 (小売事業)

前連結会計年度において、店舗営業を終了しているため、小売事業を営む株式会社サンマールの営業損失は0百万円(前期は営業利益25百万円)となりました。

 (エンターテイメント事業)

エンターテイメント事業を営む株式会社Sanko Advance の売上高は60百万円(前期比1.1%増)、営業利益は10百万円(前期比55.5%減)となりました。

 (メディカル事業)

当連結会計年度に連結の範囲に含めましたメディカル事業を営む株式会社マイクロブラッドサイエンスの売上高は1億43百万円、営業損失は0百万円となりました。

 

  b.財政状態

 財政状態の状況につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ③ 当連結会計年度末の財政状態の分析・検討内容」に記載のとおりであります。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて7億39百万円増加し、当連結会計年度末には、11億31百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの主要な要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による支出は3億57百万円(前期比145.3%増)となりました。収入の主な内訳は、貸倒引当金の増加49百万円、減価償却費66百万円、のれん償却額41百万円、売上債権の減少2億98百万円

であり、支出の主な内訳は、税金等調整前当期純損失5億89百万円、仕入債務の減少額1億10百万円であります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による支出は3億56百万円(前期比235.9%増)となりました。収入の主な内訳は、定期預金の払戻による収入50百万円、差入保証金の回収による収入10百万円であり、支出の主な内訳は、定期預金の預入による支出2億78百万円、固定資産の取得による支出1億36百万円であります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による収入は13億21百万円(前期は0百万円の支出)であり、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入26億69百万円、社債の発行による収入4億20百万円、株式の発行による収入3億82百万円であり、支出の主な内訳は、短期借入金の減少額13億40百万円、長期借入金の返済による支出8億3百万円であります。

 

  ③ 仕入及び販売の実績

a.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金  額(千円)

前 期 比(%)

卸売事業

3,152,374

△30.0

小売事業

エンターテイメント事業

0

メディカル事業

133,668

合計

3,286,043

△30.0

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金  額(千円)

前 期 比(%)

卸売事業

4,084,994

△28.2

小売事業

エンターテイメント事業

60,654

+1.1

メディカル事業

143,606

合計

4,289,255

△26.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月17日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を適正に表示しております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は資産・負債、偶発債務並びに収益・費用の計上において、さまざまな前提条件に基づく見積りを使用しております。これらの項目に関する見積りと判断は、過去の実績やその時の状況において最も合理的と思われる仮定、推測などの要素を勘案し、当社グループの財政状態および経営成績を適正に表示するよう、常にその妥当性の検証を実施しております。しかしながら、前提となる客観的な事実や事業環境の変化などにより、見積りと将来の実績が異なる場合があります。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績の分析・検討内容

a.売上高

売上高は42億89百万円(前期比26.2%減)となりました。セグメント売上高では全体の95.2%の40億84百万円が卸売事業による売上高であり、60百万円がエンターテイメント事業による売上高、1億43百万円がメディカル事業による売上高となりました。

b.売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は33億62百万円(前期比24.0%減)であり、販売費及び一般管理費は14億45百万円(前期比9.4%増)となりました。

c.営業損失

営業損失は5億18百万円(前期は営業利益63百万円)となりました。

d.営業外収益及び費用

営業外損益は69百万円の費用(純額、前期比614.3%増)となりました。

e.経常損失

経常損失は5億88百万円(前期は経常利益54百万円)となりました。

f.特別利益及び損失

特別損益は1百万円の損失(純額、前期は10百万円の損失)となりました。ブランドの関連事業の撤退により事業撤退損9百万円として特別損失に計上いたしました。

g.親会社株主に帰属する当期純損失

以上により、親会社株主に帰属する当期純損失は6億1百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益14百万円)となりました。

セグメントごとの経営成績につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」の項をご参照ください。

 ③ 当連結会計年度末の財政状態の分析・検討内容

a.資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて40.3%増加し、28億57百万円となりました。これは主として現金及び

預金が9億67百万円、流動資産その他が1億83百万円それぞれ増加する一方で、受取手形及び売掛金が2億57百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて32.5%増加し、18億25百万円となりました。これは主として株式会社

マイクロブラッドサイエンスの株式取得に伴いのれんが1億44百万円、長期貸付金が2億14百万円、ソウトウェア(ソフトウェア仮勘定を含む)が93百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて37.1%増加し、46億82百万円となりました。

b.負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて62.2%減少し、7億52百万円となりました。これは主として前受金が2

億72百万円増加する一方で、短期借入金が13億40百万円、買掛金が1億7百万円減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて565.2%増加し、28億29百万円となりました。これは主として転換社

債型新株予約権付社債が4億60百万円、長期借入金が19億92百万円それぞれ増加する一方で、退職給付に係る負債が41百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて48.1%増加し、35億82百万円となりました。

c.純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて10.4%増加し、10億99百万円となりました。これは主として株式交

付及び新株予約権の権利行使による新株式発行により資本金が1億95百万円、資本剰余金が4億37百万円それぞれ増加する一方で、親会社株主に帰属する当期純損失6億1百万円の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。

 

④ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」の項をご参照ください。

 

 ⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入代金、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

運転資金及び設備投資資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
  なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は26億円となっております。また、当連結会計年度末におけるキャッシュ・フロー上の現金及び現金同等物の残高は11億31百万円となっております。

 

 ⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

 ⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高経常利益率を重要な経営指標としておりますが、当連結会計年度においては売上高経常利益率△13.7%となりました。今後も業績回復に努め、これらの指標について改善されるよう取組んでまいります。

 

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