(業績等の概要)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(2021年2月21日から2022年2月20日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴う経済活動の制限や停滞により厳しい状況が続いておりましたが、ワクチン接種の普及拡大による感染者数の減少傾向から、経済回復への期待感が高まりつつありました。しかしながら、世界的な半導体不足や資源価格の高騰の影響も顕著になるなど、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
国内小売業界におきましては、前期に引き続き「巣ごもり消費」により食品は堅調に推移しましたが、効果が一巡したことで売上が前期を上回ることは難しく、業種業態を越えた顧客の獲得競争も厳しさを増しており、消費環境は厳しい状況となっております。一方、前期と比べ制限が緩和された事業においては厳しい環境は継続しているものの当期は反動により業績は改善しました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は4,397億40百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は153億62百万円(前年同期比9.4%増)、経常利益は169億52百万円(前年同期比12.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は106億47百万円(前年同期比9.5%増)の結果となりました。
セグメント概況は次のとおりであります。
[小売事業]
グループ中核企業である「株式会社平和堂」は、前期に引き続き「巣ごもり消費」により底堅い業績で推移しましたが、緊急事態宣言発出による休業・営業時間短縮により減収となりました。管理面では、生産性向上のために、業務改革部を配置し、店舗・本部の作業時間削減に向けた取り組みを進め既存店舗の人件費などの費用を削減したことで、増益となりました。
滋賀県でスーパーマーケットを展開する「株式会社丸善」は、前期の食料品の「巣ごもり消費」の反動と競合環境の激化により減収・経常減益となりました。
書籍販売やCD・DVDの販売レンタル業とフィットネス事業を展開する「株式会社ダイレクト・ショップ」は、レンタル事業の恒常的不振とコロナ禍によるフィットネス事業の伸び悩みにより減収・赤字の幅は拡大しました。
中国湖南省で小売事業を展開する「平和堂(中国)有限公司」は、前期に新型コロナウイルスにより店舗を休業した反動により増収増益となりました。
以上の結果、小売事業の営業収益は4,205億21百万円(前年同期比0.2%減)、経常利益は162億92百万円(前年同期比3.2%増)となりました。
[小売周辺事業]
惣菜・米飯および生鮮品の製造加工を営む「株式会社ベストーネ」は、前期に発生した久御山センター安定稼働に向けた初期費用の発生や人件費の増加の反動と小売事業の惣菜販売が好調に推移したことから増収・経常増益となりましたが、新規惣菜加工センター稼働による既存センターの減損損失により当期純利益は減益となりました。
ビル管理事業を営む「株式会社ナショナルメンテナンス」は、大型請負工事の受注獲得及び新型コロナウイルス感染症の消毒作業対応により増収増益となりました。
以上の結果、小売周辺事業の営業収益は62億17百万円(前年同期比10.2%増)、経常利益は10億5百万円(前年同期比118.5%増)となりました。
[その他事業]
外食事業を展開する「株式会社ファイブスター」は、前期に引き続きレストラン事業が行動制限及び緊急事態宣言の影響を受けたことで増収・経常赤字の幅は縮小しました。また、時短協力金等を特別利益に計上したことで当期純利益は黒字となりました。
同じく外食事業を展開する「株式会社シー・オー・エム」は、主力のフランチャイズ契約しているケンタッキーフライドチキンが好調であることと生産性改善により増収増益となりました。
以上の結果、その他事業の営業収益は130億1百万円(前年同期比4.0%増)、経常利益は1億38百万円(前年同期経常損失72百万円)となりました。
当連結会計年度の総資産は2,994億76百万円(前期末比0.5%増)、負債は1,221億44百万円(前期末比6.2%減)、純資産は1,773億32百万円(前期末比5.8%増)の結果となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して53億21百万円増加し、301億37百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
[主な内容]
当連結会計年度における営業収益の内訳は、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3 外食事業の金額については、その他事業の内数であります。
当連結会計年度における仕入高の内訳は、次のとおりであります。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3 外食事業の金額については、その他事業の内数であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産・負債及び収益・費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
2 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ16億31百万円増加(前期末比0.5%増)し、2,994億76百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が63億91百万円増加し、有形固定資産が48億37百万円減少したこと等であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ80億84百万円減少(前期末比6.2%減)し、1,221億44百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が31億26百万円、未払法人税等が15億80百万円、短期借入金が13億70百万円、設備関係電子記録債務が10億21百万円、未払金及び未払費用が8億77百万円減少したこと等であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ97億15百万円増加(前期末比5.8%増)し、1,773億32百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が85億49百万円増加したこと等であります。
3 当連結会計年度の経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
売上高は、前連結会計年度に比べ85百万円減少(前年同期比0.0%減)し、4,121億54百万円となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ13億25百万円増加(前年同期比9.4%増)し、153億62百万円となりました。また、売上高営業利益率は0.3%pt上昇し、3.7%となりました。
経常利益は、前連結会計年度に比べ18億98百万円増加(前年同期比12.6%増)し、169億52百万円となりました。
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を合わせた税金費用合計は51億56百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ9億22百万円増加(前年同期比9.5%増)し、106億47百万円となりました。
なお、当期の事業全体及びセグメント別の分析につきましては、(業績等の概要)(1)経営成績に記載のとおりであります。
また、キャッシュ・フローにつきましては、(業績等の概要)(3)キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
4 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に新規出店及び既存店舗の改装といった設備投資、情報システム投資によるものであります。
短期運転資金は自己資本または金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資については自己資本または金融機関からの長期借入れを基本としております。
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