課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

<経営の基本方針> 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社は、2018年11月に金融庁に提出した業務改善計画を着実に遂行し、内部統制に係る基本方針の実効性を確保することで、ガバナンス態勢を立て直すとともに、コンプライアンスの徹底、及びお客さま本位の業務運営を実現し、健全な組織風土・企業文化を築いてまいります。

2019年3月に「コンプライアンス憲章」を策定し、2019年11月に「企業理念」及び「中期経営計画」を策定いたしました。これらを着実に実行し、リテールバンキングを中核として、お客さまに寄り添い、必要とされる価値と豊かな暮らしのご提供を目指すとともに、持続可能なビジネスモデルを再構築することで地域の発展に貢献してまいります。

 

企業理念「あってよかった、出会えてよかった、と思われる存在でありたい。」

企業理念はこれからのスルガ銀行を担う若手・中堅社員からなる「ジュニアボード」が中心となり、ボトムアップをテーマに刷新活動を推進し、策定いたしました。

企業理念には、次のような全社員の想いが込められております。

・「お客さま本位の企業でありたい」という想い

・お客さまが抱える課題に向き合い、スルガ銀行ならではの付加価値をご提供させていただきたいという想い

・ハラスメントの撲滅、社員やその家族についても大切にして欲しいという社員の声を反映し、お客さまだけで

 なく、社員も大切にする企業でありたいという想い

 

■コンプライアンス憲章

当社及びグループ社員のすべての行動・判断の基準となるコンプライアンスに関する基本方針として、「コンプライアンス憲章」を策定いたしました。

 

■中期経営計画 “Re:Start 2025”(2019年度~2025年度)

企業理念の実現に向けて、お客さま本位の業務運営を徹底し、コアビジネスであるリテールバンキングへの取り組みを通じて、当社独自の価値提供を実現することで、お客さまに心からご満足いただき、社員にとってもやりがいのある“スルガ銀行”の姿を創出するための経営計画を策定いたしました。

コンプライアンスの徹底と、リスク・リターンの適正なコントロールを行う態勢を構築し、公共性が高い金融機関として“持続可能な新たなビジネスモデル”を展開してまいります。

 

 

<経営環境及び対処すべき課題>

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大が長期化し、感染症対策と経済活動の両立を図る動きが進んでいるなか、依然として個人や企業の活動が制限され、広範囲に影響が及んでおります。このような状況下において、当社は「お客さま本位」を基本とし、新型コロナウイルス感染症拡大などにより影響を受けたお客さまからのご融資に係るご相談に迅速かつ柔軟に対応し、地域経済活動を支援する金融機関として、金融仲介機能を発揮してまいりました。

当社は、引続き、企業理念「あってよかった、出会えてよかった、と思われる存在でありたい。」のもとお客さまが抱えるご不安や課題に真摯に向き合い、課題解決のための金融仲介機能の向上を図り、地域に貢献してまいります。

なお、中期経営計画において、2019年度から2022年度の約3年間を第1フェーズと位置づけ、次の取組みを推し進めております。

(1)財務計画

目標経営指標

2022年度目標計数

RA業務粗利益(単体)

490億円

OHR(単体)

60%以内

当期純利益(単体)

60億円

自己資本比率(単体)

10%超

親会社株主に帰属する当期純利益

70億円

 

(注)1.RA(Risk Adjusted)業務粗利益=業務粗利益-実質与信費用

   2.OHR(Over Head Ratio)=経費÷業務粗利益

   3.2023年3月以降バーゼルⅢの改定が見込まれるが(国内基準行は未定)、上記指標には織り込んでおりません。

  (2)営業戦略

第1フェーズにおいて、独自のインフラとノウハウに新たな視点を加え、これまでよりもリスクを抑えたミドルリスク・ミドルリターンのリテールバンキングを構築いたします。

  (3)構造改革

「店舗業務改革」、「人財資源のリアロケーション」、「グループ機能の見直し」などを実施し、経営資源の最適化を図ることで、新たな経営戦略を推進する事業基盤を整備いたします。2022年度において、2018年度対比約15%の経費削減を見込みます。

  (4)地域への取組み

産学官金協働や自転車振興を通じて地域活性化に貢献いたします。

店舗の新設やリニューアルオープンの際、自然環境に配慮した設備の導入を継続的に推進してまいります。

 

当社の重点課題となっているシェアハウス関連融資問題については、終局的解決に向け、2022年3月25日に東京地方裁判所の調停委員会の調停勧告に基づき、3回目のシェアハウス関連融資債権の一括譲渡を実施いたしました。当社は、引続き、「シェアハウス等顧客対応室」にて、お客さまの個別の状況に応じて真摯に対応し、シェアハウス関連融資問題の解決に取組んでまいります。

ソリューション型営業モデルへの進化に向けて、静岡県・神奈川県において、お客さまのニーズや地域特性に合わせたきめ細やかな対応ができるよう、組織を8エリア制から30エリア制へ細分化いたしました。また、店舗のバックオフィス業務の本部集約とDX等を取り入れたデジタル化による業務効率化をさらに進め、お客さまに寄り添った接遇時間の拡大と、業務・店舗運営コストの削減を両立させ、構造改革を実現してまいります。

当社は持続可能な社会の実現(SDGs)及び企業価値の維持・向上に向け、当社グループとして優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を策定いたしました。これまでも各自治体と連携し、自転車振興を通して交流人口の拡大と地域の活性化に取組んでまいりましたが、社会的課題が複雑化、多様化する中で、これからも創造性とイノベーションを発揮して課題の解決と経済成長の両立を図り、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

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