課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) グループの理念体系

グループ理念体系(Mission・Vision・Values・Brand Message)の共有により、グループ各社が、それぞれの地域や国で、生命保険の提供を中心に人々の安心で豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献いたします。また、グループ戦略の共有により、各社がベクトルをあわせてグループ価値の最大化と持続的な成長を目指します。

2022年に創業120周年を迎える当社グループは、将来にわたって、すべての人々が世代を超えて安心に満ち、豊かで健康な人生を送れるwell-being(幸せ)に貢献し続けられる存在でありたいと考えております。そのため、事業領域を4つの体験価値(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)へと拡げることで、従来に増してお客さまに寄り添ってまいります。また、私たちが追求するすべての人々の幸せは、社会のサステナビリティがあってこそ実現するものであります。今般、社会の持続可能性の実現を事業運営の根幹と位置付け、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取り組んでまいります。

 


こうした考えの下、当社グループが安心、豊かさ、健康といった体験価値の総体としてのwell-being(幸せ)をお届けすることをグループが一丸となって目指すため、2022年3月期より、グループビジョンを“Protect and improve the well-being of all”(すべての人々の幸せを守り、高める。)へと改めました。

 


 

 

Mission:私たちの存在意義

「一生涯のパートナー」

“By your side,for life”

当社グループは、1902年、日本での創業以来、お客さま本位(お客さま第一)を経営の基本理念に据え、生命保険の提供を中心に、地域社会への貢献に努めてまいりました。

これからも、お客さまとお客さまの大切な人々の“一生涯のパートナー”として、グループ各社が、それぞれの地域で、人々の安心で豊かな暮らしと地域社会の発展に貢献してまいります。

 

Vision:私たちの目指す姿

「すべての人々の幸せを守り、高める」

“Protect and improve the well-being of all”

当社グループは安心、豊かさ、健康といった体験価値の総体としてのwell-being(幸せ)をお届けすることをグループが一丸となって目指してまいります。

 

Values:私たちの大切にする価値観

「グループ企業行動原則(DSR憲章)」

“Dai-ichi's Social Responsibility Charter (DSR Charter)”

当社グループは、お客さま、社会、株主・投資家の皆さま、従業員からの期待に応え続けるための企業行動原則として「DSR憲章」を定め、持続可能な社会づくりに貢献いたします。

「DSR」とは、「第一生命グループの社会的責任(Dai-ichi’s Social Responsibility=DSR)」を表し、PDCAサイクルを全社で回すことを通じた経営品質の絶えざる向上によって各ステークホルダーに向けた社会的責任を果たすと同時に、当社グループの企業価値を高めていく独自の枠組みであります。

 

Brand Message:理念体系を支える私たちの想い

「いちばん、人を考える」

“People First”

いちばん、お客さまから支持される保険グループになるために、以下の4つの視点から誰よりも「人」を考える会社を目指してまいります。

いちばん、品質の高い会社

いちばん、生産性の高い会社

いちばん、従業員の活気あふれる会社

いちばん、成長する期待の高い会社

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

2022年3月期は、中期経営計画「Re-connect2023」の初年度として、グループビジョン「Protect and improve the well-being of all(すべての人々の幸せを守り、高める。)」の実現に向け、事業領域を4つの体験価値(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)へと拡げるとともに、事業の大前提である地域・社会の持続性確保にも積極的に取り組んでまいりました。

しかしながら、当社を取り巻く環境は大きく変化しております。ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した世界情勢の混乱や、新型コロナウイルス感染拡大の長期化による人的交流の減少等によって、社会的な不安が広がりを見せ、人々のwell-being(幸せ)の低下を示す調査結果も出ております。また、インターネットやSNSの普及により情報収集や発信が容易になり価値観が多様化する一方、異なる意見を持つ人々との分断が加速する現象も起きております。このような環境変化の中において、お客さまそれぞれのニーズにお応えしていくためには、当社グループのブランドメッセージである「いちばん、人を考える」ことを、より一層追求する必要があると考えております。

当社グループが永続的に存在意義を発揮できる企業となるためには、従来の取組みに留まらず、変革へ挑戦する企業文化を醸成し、当社グループが提供する4つの体験価値を通じて、社会課題の解決に貢献していくことが重要と認識しております。

人生100年時代において、マイナスを補填する「保障」だけでなく、プラスを更に高める「資産形成・承継」を合わせた総合的な価値提供コンサルティングによる経済的なサポートに加え、“well-being”の向上のため重要性が高まっている「健康・医療」、「つながり・絆」の支援といった心のサポートを通じて、お客さまの一生涯のパートナーとして、その責任を果たしてまいります。

また、サステナビリティ(持続可能性)は全世界・全世代にとって共通の価値観となっております。地球環境保護や世代間の経済的な不公平解消といった、地域・社会の持続性確保に関する重要課題解決の一翼も担い、すべての人々の“well-being”に貢献することを通じて、世代を超えて安心に満ち、豊かで健康な人生を送ることができる社会の実現を目指してまいります。

 

①経営環境

2022年3月期の世界経済は、前年度からの新型コロナウイルスの影響が和らいだこと等を背景に、先進国を中心に高い成長率となりました。行動制限の緩和で需要回復が進む一方、サプライチェーンの混乱や資源価格の上昇が生じ、多くの国でインフレ率が高まりました。このような中で日本経済は、行動制限が繰り返された影響から個人消費の回復が遅れ、先進国の中では緩やかな成長に留まりました。

金融環境は、年度前半には経済回復への期待等から株式市場の上昇が国内外で見られましたが、後半には米国の金融引締め加速が意識された他、2022年2月にはロシアがウクライナに侵攻し、投資家心理の悪化から株式市場は不安定に推移いたしました。一方、市場金利は、世界各国で上昇傾向に推移する中、日本の長期金利も上昇し、日本銀行が上限とする0.25%に達する局面がありました。

国内外において生命保険事業を中心に事業を展開する当社グループは、新型コロナウイルス禍においてお客さまや従業員の健康に配慮した業務運営を継続し、速やかな保険金及び給付金のお支払い等、保険事業者としての役割を果たしてまいりました。また、経営環境が大きく変化する中、2022年3月期より中期経営計画「Re-connect 2023」をスタートさせ、新グループビジョン「Protect and improve the well-being of all」を掲げ、4つの重点施策(国内事業、海外事業、財務・資本、サステナビリティ・経営基盤)を中心に事業を推進いたしました。

 


 

②優先的に対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大を端緒として、生命保険の必要性が再認識された一方、お客さまの価値観・ニーズの多様化やデジタル化の進行といった社会変容が加速する等、大きく変化しております。今後、当社グループがコロナ後のニューノーマルな世界において持続可能性を高めていくためには、従来の延長線ではない変革への挑戦が必要になります。こうした環境認識の下、当社グループは中期経営計画「Re-connect 2023」を2022年3月期よりスタートいたしました。「Protect and improve the well-being of all」という新たなグループビジョンの実現に向け、お客さま視点で一人ひとりに最適な体験価値(CX)をお届けするとともに、私たちの事業の大前提である地域・社会の持続性確保にも積極的に取り組んでまいります。

国内事業では、第一生命保険株式会社(以下、「第一生命」という。)を中心にビジネスモデルの転換を目指しております。2022年3月期は、デジタル空間の中でお客さまとの日常的なコミュニケーションを生み出す情報サイト「ミラシル」を開設いたしました。今後、デジタルと生涯設計デザイナー等のリアルチャネルを融合し、お客さまが欲しいものを、欲しい時に、自然な形で利用できるOMO(Online Merges with Offline)の早期実現に向けて積極的に取り組んでまいります。同時に、生涯設計デザイナー体制は、2022年3月期より採用方針を大きく見直しており、今後は新人層の育成体制や給与制度を改定し、お客さまから選ばれる高能率チャネルへの変革に取り組んでまいります。第一生命では、金銭に係る不正行為撲滅に向けた経営品質の刷新が引き続き最重要課題の1つです。「経営品質刷新プロジェクト」を中心に、再発防止策及びその実効性、そして内部統制の一層の強化を図っております。そのような中、2022年3月期に新たな不正事案が判明したことは極めて遺憾であり、プロジェクト内部に新たなワーキンググループを設置してご高齢のお客さまへの契約確認を実施する等、お客さまの安心の確保に向けて、より抜本的な取組みを進めております。引き続き一つひとつの取組みについて、全組織、全役職員がその意義・重要性を強く認識し、継続的かつ中長期的な視点を持ちつつ、確実に実行・実現していくことで、お客さまからの信頼にお応えできる組織を築いてまいりたいと考えております。

海外事業では、米国を中心に保険金支払いが増加する等、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が続いておりますが、引き続き当社グループの成長の牽引役としての位置付けは変わりません。2022年3月期は、中期経営計画の厳格な資本規律の下で、先進国の米・豪で戦略的なM&Aを実現いたしました。いずれも資本コストを上回る資本効率が見込まれる魅力的な案件であります。今後も、事業ステージに応じた成長戦略の遂行と新たなビジネスの探索(イノベーション)を通じて、収益力と資本効率の向上に取り組んでまいります。

当社グループは、今中期経営計画において財務・資本戦略を刷新いたしました。リスクプロファイルの変革に向けた市場関連リスクの削減は、金融環境の後押しもあり順調に進捗しておりますが、資本コストを上回る資本効率の早期達成に向けて、今後も取組みを着実に進展させてまいります。株主還元は、生命保険事業の特性である長期安定した収益性に相応しい、安定した現金配当を基本としつつ、資本充足率(ESR)やキャッシュフローの状況、戦略的な投資機会の有無等を勘案し、自己株式取得等による機動的・柔軟な追加還元を検討いたします。グループ利益の持続的な成長と資本・キャッシュ創出力の強化により、株主還元の充実を図ってまいります。

地域・社会の持続性確保に向けた対応は、これまで主に国内の中核会社である第一生命を中心に行ってまいりましたが、2022年3月期は気候変動への対応やダイバーシティ&インクルージョン、人権尊重等について、他の国内外グループ会社も含めたグローバルレベルでの取組みを加速いたしました。今後もグループサステナビリティ推進委員会等を通じ、グループ各社に対してサステナビリティ経営をより一層浸透させ、グループ各社における目標設定やアクションプランの策定に取り組んでまいります。

当社グループは、2022年に創業120周年を迎えます。私たちは「一生涯のパートナー」として、将来に渡って、すべての人々が世代を超えて安心に満ち、豊かで健康な人生を送れるwell-being(幸せ)に貢献し続けられる存在でありたいと考えております。また、私たちが追求するすべての人々の幸せは、持続的社会があってこそ実現するものと考えております。この両方を実現するために、引き続きグループ一体となって取り組んでまいります。

 

 

(3) 中期経営計画『Re-connect 2023』の進捗

「「Re-connect 2023」グループ重要経営指標(KPI)の状況」については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 財政状態、経営成績」をご参照ください。

 

各事業における主な取組みは次のとおりであります。

 

①国内事業

国内事業では、中期経営計画において、顕在化する社会課題の解決とデジタル化や非接触を前提とした商品・サービスの改革を目指しております。従来の保険事業から拡大した4つの領域(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)での体験価値(CX※)をお客さまにお届けするCXデザイン戦略を通じて、すべての人々の“well-being(幸せ)”に貢献する取組みを推進いたしました。

第一生命では、デジタル空間の中でお客さまとの日常的なコミュニケーションを生み出す情報サイト「ミラシル」を開設いたしました。「ミラシル」ではお客さまの興味・関心に沿った情報配信や、オンラインでの保険相談が可能であり、今後もサービスを順次拡充してまいります。

※ Customer Experienceの略語。お客さまが商品・サービスを通じて体験する価値を意味しております。

 


 

<4つの体験価値(保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆)>

「保障」

「プロテクションギャップ(必要保障額と実際の加入保障額との差)」や「社会保障制度に対する不安」といった社会課題の解決に向けて、持病がある方や健康に不安のある方にも加入いただきやすい「入院一時金保険(限定告知型)」の発売(第一生命)や医療保険商品の改定(ネオファースト生命保険株式会社(以下、「ネオファースト生命」という。))等、商品・サービスの拡充に取り組みました。また、第一スマート少額短期保険株式会社が営業を開始し、新ブランド「デジホ」として「特定感染症保険」等を提供することを通じ、ミレニアル世代やZ世代に代表される若年層に対するアプローチを強化するとともに、同世代のプロテクションギャップの解消に取り組みました。

 


 

「資産形成・承継」

人生100年時代の到来に伴う「老後の生活資金への不安」や「次世代への資産承継」といった社会課題の解決に向けて、第一フロンティア生命保険株式会社(以下、「第一フロンティア生命」という。)では、お客さまの幅広い資産形成・承継ニーズに対応する新商品の投入を機動的に行いました。第一生命では、団体年金分野において、法人のお客さまの多様な資産運用ニーズに応える特別勘定商品のラインナップを強化した他、団体年金に加入する従業員の利便性を高めるために、年金資産の見える化やロボアドバイザー機能を提供するデジタルサービス「DCのサプリ」の提供に引き続き取り組みました。また、より日常からお客さまとの接点を拡充することを目的に、住信SBIネット銀行株式会社及び楽天銀行株式会社が提供するデジタルサービスを活用する方針を決定いたしました。

 

「健康・医療」

「国や健康保険組合の医療費増加」、「平均寿命と健康寿命のギャップ拡大」といった社会課題の解決に向けて、当社グループでは、将来の医療費適正化や効率的な保健事業運営をワンパッケージで支援する健康保険組合向けサービス「Healstep®(ヘルステップ)」を開始いたしました。今後もお客さまの声を踏まえた提供サービスの更なる拡充に取り組んでまいります。

 


 

「つながり・絆」

地域社会等における「コミュニティの希薄化」といった社会課題の解決の他、様々な視点から新たなお客さまの体験価値創出に取り組んでおります。第一生命は、地域が抱える課題に真摯に向き合い、全国の拠点において、自治体や地元企業と連携した取組みを展開いたしました。また、当社は、DXによる新たな顧客体験の共創とヘルスケア領域を中心とした社会課題の解決を目的に株式会社ディー・エヌ・エーと業務提携契約を締結し、女性向けWebサービス「ハレトケ」やダイエットサポートアプリ「カラダモ」の提供を開始いたしました。

 

②海外事業

海外事業は、当社グループの持続的な成長の牽引役として、現在、先進国市場及び新興国市場計8ヶ国で事業を展開しております。中期経営計画では、新たなビジネスの探索(イノベーション)を含めた更なる地域・事業分散を通じて、経営環境の変化に対応しつつ、グループ資本効率の改善に向けた取組みを推進しております。

米Protective Life Corporation(以下、「プロテクティブ」という。)では、前年度に引き続き新型コロナウイルスの感染拡大を主因とする保険金支払いの増加に適切に対応し、主力の保障性商品や年金商品の販売拡大に取り組みました。また、損害保険分野であるアセットプロテクション事業において、米国内で同業のAUL Corp(以下、「AUL社」という。)の買収を決定いたしました。AUL社はプロテクティブの既存事業と補完性が高く、事業分散・収益安定化に加え資本効率の改善への貢献を期待しております。

豪TAL Dai-ichi Life Australia Pty Ltd(以下、「TAL」という。)は、同国の保障性商品市場におけるリーディングプレイヤーとして、適切な料率設定に基づく新商品展開や、前年度に収支が悪化した一部の団体契約に対する保険料率の更新等により、基礎的な収益力の改善に取り組みました。また、2019年3月期に買収したAsteron Life(旧Suncorp Life)の統合プロセスを完了するとともに、同国の大手銀行グループの一角であるWestpacグループの生命保険子会社であるWestpac Lifeの買収を決定いたしました。これにより、TALの保障性商品市場における事業基盤は更に強固となり、グループ収益やリスクプロファイルの改善等への貢献を見込んでおります。

新興国市場の各社では、Dai-ichi Life Insurance Company of Vietnam, Limited(以下、「第一生命ベトナム」という。)において、新型コロナウイルスの感染拡大による主要都市の社会的隔離措置(ロックダウン)に伴う営業活動への影響がありましたが、個人代理人と銀行の販売チャネル分散や、デジタルサービスの強化に取り組むことで成長を実現いたしました。また、新規に事業を展開するカンボジア・ミャンマー他、その他各国(インド・インドネシア・タイ)においても、各国情勢を踏まえた適切な業務運営を行いました。

 

<グローバル・経営体制の強化>

当社グループでは、これまでの事業ポートフォリオのグローバル化の進展、今後の更なる発展を見据え、グローバル経営体制の強化に取り組んでおります。その一環として、中間持株会社である第一生命インターナショナルホールディングスに、海外事業戦略や人財戦略に関する助言を行う機関であるGSB(グローバル・ストラテジー・ボード)を設置いたしました。GSBには海外地域統括子会社の経営層も参画し、グローバルな視点から議論を行っております。

 

③財務・資本政策

当社グループは、財務健全性を維持しつつ、持続的な企業価値向上と株主還元の更なる充実を目指して、ERM※1(Enterprise Risk Management)の枠組みに基づく資本政策運営を行っております。中期経営計画では、規律ある成長投資や機動的かつ柔軟な株主還元の実践を通じて、これまでのERMサイクル(利益・資本・リスク)を進化させた「資本循環経営」※2 を実践し、持続的な成長を目指してまいります。

 

<リスクプロファイルの変革に向けた市場関連リスク削減の取組み>

当社グループでは、資本コストの低減とリスク・リターンの向上を通じた資本効率の改善を目指し、市場関連リスクに偏りのある現在のリスクプロファイルの変革に積極的に取り組んでおります。保険リスク中心のリスクプロファイルを中長期的に目指す姿として、中期経営計画では第一生命における金利・株式リスク量の削減目標をグループ重要経営指標に設定し、取組みを推進しております。

2022年3月期の第一生命における市場関連リスク削減の取組みは、年度前半を中心に金融環境が概ね安定的に推移したことも追い風となり、計画を上回って順調に進捗いたしました。金利リスクの削減に向けた取組みとして、超長期債券の継続的な購入や入替え、過去に販売した高予定利率の個人保険契約に関わる財務的なリスクを外部の再保険会社に移転する出再取引等を行いました。また、株式リスクの削減に向けて、保有する国内株式の売却や、デリバティブを活用したヘッジポジションの構築等を行いました。これらの取組みにより、金利・株式リスク量は、前年度末から合計約3,900億円※3減少いたしました(経済変動要因を含めた場合、約4,800億円の減少)。リスクプロファイルの変革に向けて、リスク削減に引き続き取り組んでまいります。

※1   ERMとは、事業におけるリスクの種類や特性を踏まえ、利益・資本・リスクの状況に応じた経営計画・資本政策を策定し、事業活動を推進することを指します。

※2  「資本循環経営」とは、事業運営を通じて稼得した資本や、リスク削減によって解放された資本を財源として、財務健全性を確保しつつ、より高資本効率・高成長事業へと資本を再配賦することで資本・キャッシュ創出の好循環を生み出し、企業価値向上を目指す考え方であります。

※3   2021年3月期中に前倒しとして実施したデリバティブを活用した株式ヘッジポジションの構築について、2022年3月期の市場関連リスク削減額に含めております。

 

④サステナビリティ・経営基盤

持続的社会の実現に向けて

当社グループが追求するすべての人々の幸せは、持続的社会があってこそ実現するものであり、その持続的社会の実現を事業運営の大前提と位置付けております。気候変動への対応の他、あらゆる人々の人権や多様性の尊重といった地域・社会の持続性確保に関する重要なサステナビリティ課題の解決に向けて取り組んでおります。

 

<気候変動への対応>

「事業会社としての取組み」

当社グループでは、CO2排出量に関して、グループ全体で2026年3月期までに50%削減、2041年3月期までにネットゼロ(いずれも2020年3月期比)を達成する中長期目標※1を設定しており、国際的なイニシアティブ「RE100※2(Renewable Energy 100%)」へ第一生命が加盟する等、脱炭素社会の実現に向けた取組みを進めております。2022年3月期は、第一生命の保有不動産における長期安定的な再生可能エネルギーでの電力確保に向け、オフサイトコーポレートPPA※3のサービス契約を本邦金融機関で初めて締結いたしました。

また、気候変動が生命保険事業に与える影響として、当社グループでは、保険金・給付金支払いに関するリスク把握の取組みを進めております。2022年3月期は、第一生命の死亡保険金のお支払い実績等を用いた全国の最高気温と死亡発生の統計学的分析に基づき、気候変動による将来の死亡保険金増加への影響の試算結果を開示いたしました。現時点では、死亡保険金増加への影響は限定的との結果ですが、今後も分析の高度化に取り組んでまいります。

※1    スコープ1(当社自らの直接排出)及びスコープ2(他社から供給された電気などの使用に伴う間接排出)を対象とした削減目標であります。

※2    RE100とは、「事業活動で消費するエネルギーを100%再生可能エネルギーで調達すること」を目標とする国際的イニシアティブであります。

※3   オフサイトコーポレートPPAとは、需要場所から離れた場所に発電設備を設置し、発電した電力を需要場所に供給する電力調達方法であります。発電場所から需要場所へは小売電力事業者を介して電力を供給いたします。

 

 

「機関投資家としての取組み」

第一生命では、幅広い資産を中長期に保有する「ユニバーサルオーナー」として、ESG投資を資産運用の柱として位置付け、運用収益の獲得と気候変動をはじめとする社会課題解決の両立を目指しております。同社では、2021年3月期よりネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス※1に加盟し、資産運用ポートフォリオにおけるCO2排出量を2025年3月期までに25%削減、2050年までにネットゼロ(いずれも2020年3月期比)を達成する目標※2を掲げ、エンゲージメントや課題解決に資する投融資を通じてカーボンニュートラルな社会の実現に向けて取り組んでおります。2022年3月期は、投資用不動産における再生可能エネルギー100%化の実現をはじめ、投資先のうち排出量上位50社へのエンゲージメント強化、ESGテーマ型投資における気候変動問題の解決に資する投融資の積極化等、目標達成に向けた取組みを着実に進捗させました。また、同社は2021年4月に、グローバルな金融業界全体の脱炭素化を目指す戦略フォーラムであるGFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)のCEOプリンシパルメンバーにアジアで初めて選出されました。2050年までに投融資先における温室効果ガス排出量のネットゼロを達成するべく、45ヶ国・約450の賛同金融機関をリードする役割を担います。

※1   2050年までにカーボンニュートラルのポートフォリオへの移行を目指す機関投資家団体であります。

※2   上場株式、社債、不動産に対する削減目標であります。

 

<人財・ダイバーシティ&インクルージョン・人権尊重>

当社グループでは、多様な人財の活躍が会社の持続的な成長に繋がると考えております。一人ひとりの個性が発揮できる風土の醸成を加速させ、企業としての価値創造に繋げていくべく、国内においては内勤管理職における非「男性・新卒採用・日本人」の比率を「ダイバーシティ比率」と定義し、多様性を尊重していくという価値観の下、 この比率を高めてまいります。その中で、女性活躍推進に向けては、経営の意思決定に常時女性が参画している状態を目指し、2024年4月時点で組織長※1の女性比率を30%(2022年4月時点において16.5%※2)とする目標を設定し、取組みを推進しております。

当社グループでは、グループ企業行動原則(DSR憲章)及び第一生命グループ人権方針において基本的な人権の尊重を表明しております。諸外国や国際機関での人権に関する法制化等の環境変化に対応するため、本グループ人権方針に基づき、CSA等のフレームワークを用いた人権リスクの特定と影響の評価、是正・救済策等の着実な実行を通じて、グループ各社における人権デューディリジェンスの取組みを進めてまいります。

※1   ライン部長・支社長・ラインマネジャー級・ブロック担当営業部長

※2   4月1日時点における持株会社及び国内生命保険3社(第一生命・第一フロンティア生命・ネオファースト生命)の合計

 

<サステナビリティガバナンス>

当社グループでは、2022年3月期より、非財務分野に係るグループ横断的な方針・戦略や対外コミットメントを含む効果的な情報発信の検討を目的とした「グループサステナビリティ推進委員会」を新設しております。2022年3月期は、気候変動への対応やダイバーシティ&インクルージョン推進、人権尊重等の取組方針の検討や取組状況のモニタリングを行うとともに、当社グループの価値創造プロセスの深化に向けた検討等を行いました。また、当社グループでは、サステナビリティの重要課題を含めた非財務目標について、第一生命をはじめとする一部の国内グループ会社の役員報酬に関わる評価指標として設定しておりますが、2023年3月期より、当社の役員報酬に関わる評価指標への反映や国内グループ各社における評価指標の更なる拡充等を通じて、サステナビリティガバナンスの高度化を図ってまいります。

 

 

(4) サステナビリティに関する開示

当社グループは、サステナビリティを重要課題の一つとして位置付け、経営戦略と整合した各種の具体的な取組みを計画的に推進しております。

 

<TCFD提言に基づく取組み>

TCFD提言4項目

2022年3月期の取組み状況

ガバナンス

・グループサステナビリティ推進委員会の設置・運営

・当社の役員報酬に関わる評価指標のひとつとして、2023年3月期よりCO 2 排出量等をはじめとするサステナビリティ指標を設定

リスク管理

グループERM委員会による気候関連リスク管理状況の定期的な確認、リスク管理態勢の高度化の検討

リスク管理統括ユニットなどによるグループ各社の気候関連リスクへの取組状況モニタリング・情報共有

戦略(リスクと機会)

保険事業に対する保険金等支払リスクの定量的な影響度分析の実施

第一生命の資産運用ポートフォリオの温室効果ガス排出量、加重平均カーボン・インテンシティ測定の実施

指標目標

事業会社・機関投資家として、パリ協定(気温上昇を1.5℃未満に抑える)に合致した目標の設定

 事業会社:スコープ1+2(グループ全体)

      スコープ3/RE100導入目標(ともに第一生命)

 機関投資家:2025年3月期までの温室効果ガス排出量削減目標

      (第一生命の資産運用ポートフォリオのうち、
      上場株式・社債・不動産アセットを対象)

 

 

<気候変動に関する取組みの変遷>


 

 

<非財務情報ハイライト>

女性管理職比率 ※1

28.5%

女性の組織長比率 ※1

16.5%

海外従業員比率 ※2

13.3%

ダイバーシティ比率 ※1

25.6%

障がい者雇用率 ※3

2.34%

男性育児休業取得率 ※4

92.3%

 

※1 2022年4月1日時点における当社及び国内生命保険3社(第一生命・第一フロンティア生命・ネオファースト生命)の合計

※2 2022年3月末時点における海外子会社5社の合計

※3 2021年6月1日時点における持株会社及び第一生命(キャリアローテーション者を含む)・第一生命情報システム・第一生命ビジネスサービス・第一生命チャレンジドの合計

※4 2022年3月末時点における持株会社及び第一生命(キャリアローテーション者を含む)の合計

 

(5) 中期経営計画『Re-connect 2023』(2022年3月期 ~ 2024年3月期)

当社グループは、全てのステークホルダーの皆さまと「再度、より良い形でつながり直す」という想いを込めて、中期経営計画『Re-connect 2023』を策定いたしました。全役員・従業員が価値観を共有し、共鳴しあいながら変革を遂げるために改めて結束を強めてまいります。


 

<第一生命グループの重要課題>

第一生命グループは、全ての人々のwell-being実現に貢献していくにあたり、重点的に取り組むべき社会課題を以下のとおり選定いたしました。具体的には、ステークホルダーからの期待及び当社の事業活動に照らした重要度、さらにはグループ理念との関係性(ビジョンとの親和性等)から取り組むべき社会課題の優先度・重要度を評価し、中期経営計画「Re-connect 2023」の事業戦略に反映しております。

 

具体的には以下の3つのステップにて重要課題を選定しております。
<ステップ1>
・具体性を高めて取り組むべき社会課題の優先度・重要度を検討するために、SDGsの17の目標・169のターゲットを目的によってグルーピングし、50の社会課題を抽出
<ステップ2>
・50の社会課題を対象に、国際機関・ガイドライン策定団体、NGO、投資家にESG情報を提供する評価機関、業界団体をはじめとするステークホルダーからの期待を踏まえて、優先度付けを実施
・国内外の保険会社が取り組んでいる社会課題を踏まえて、重要度付けを実施
<ステップ3>
・保険会社にとっての重要課題を抽出し、「グループ理念」「QOL向上への貢献」との関連度を加味し、個々の重要課題の位置付け・表現を整理
・外部有識者との対話を経て、重要課題を選定

 

 

重要課題毎に具体的な社会課題を定め、中長期目標を設定した上で、当社グループの貢献度の測定にも取り組んでまいります。課題解決を通じて、当社グループにおける非保険分野を含めた、お客さま数の拡大を目指してまいります。

当社の重要課題のうち、“well-being”を構成する4つの体験価値と、それを支えるCX向上のそれぞれについて、中長期的に目指す方向性については以下のとおりであります。

 


一方で私たちが追求する全ての人々の幸せは、持続的社会(サステナビリティ)があってこそ実現するものであります。今般、持続的社会の実現を事業運営の根幹と位置づけ、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取り組んでまいります。


中計『Re-connect 2023』においては、ビジョン“Protect and improve the well-being of all”で表現した私たちの目指す姿からバックキャスティングする形で、お客さまをはじめとする全てのステークホルダーとの「つながり」の在り方を見直し、この3年間で4つの重要施策「国内事業戦略」「海外事業戦略」「財務・資本戦略」「サステナビリティ・経営基盤」を展開してまいります。

 

 

<中期経営計画「Re-connect 2023」における4つの重要施策>

① 国内事業戦略:保険ビジネスモデルの抜本的転換「事業ポートフォリオにおける深化と探索の同時追求」

国内事業では、市場シェアの拡大に加え事業効率向上を通じて事業の「深化」を図ると同時に、新たな組織能力の獲得、即ち「探索」に向けて、健康・医療領域の新規サービス提供、デジタル技術の獲得を目的とした外部との協業、資産形成・承継領域の機能強化につながる事業投資等を通じて、グループの持続的成長を目指してまいります。

マルチブランド・マルチチャネル戦略を基盤としつつ、お客さまの継続した体験、すなわちCXに軸足を置き、対面チャネルに加えてデジタルも活用した総合的なビジネス・サービスプロセスを構築する「CXデザイン戦略」に取り組んでまいります。「CXデザイン戦略」とは、全てのお客さま接点でお客さまの期待を超える体験・感動をお届けすることで、会社の成長につなげていくものであります。デジタル接点を含めたお客さま接点の拡大や、リアルチャネルのコンサルティング力向上、データアナリティクスなどを通じた 「お客さま理解」の深化に取り組むことで、一人ひとりに最適で品質の高いCXを提供できる仕組みづくりを行ってまいります。オフラインであるリアルチャネルの強みを活かしながら、オンラインと融合することでお客さま接点を一つにつなげ、最適な商品・サービス・情報を、最適なタイミング・最適なチャネルで提供する当社版OMO(Online Merges with Offline)を実現し、お客さまにとって「ほしいものがほしいときに自然なかたち」でお客さまの期待を超える体験・感動をお届けすることを目指してまいります。

 


 

 

② 海外事業戦略:環境変化に柔軟に対応し、成長を牽引する海外事業ポートフォリオの構築

海外事業においては、市場ステージに応じたポートフォリオ戦略を引き続き推進してまいります。

安定成長と早期利益貢献が期待できる米国及び豪州と、中長期の利益貢献が見込まれるアジア新興国での成長に加え、将来の更なる環境変化に備えた革新的なビジネスモデルの取込みを戦略の3つの柱とし、これらにバランスよく取り組むことで、持続的な利益成長と資本コストを上回る資本効率を同時追求してまいります。

特に各国の資本規制や引き続き継続する低金利環境に対応した新ビジネスの探索(イノベーション)を進めてまいります。キャピタルライトなビジネスの取り込みや地域・事業分散を通じて、より厳しさを増す外部環境の変化への耐性を持った持続的成長基盤の構築を目指してまいります。

また、これまでも、社長、海外各社のCEO、関連役員により構成されるGLC(グローバル・リーダーズ・コミッティー)において、グローバルな知見を活用しつつ、グループ共通の課題解決に向けた協働取組みを行ってまいりましたが、海外事業の更なる拡大が見込まれる中、より一層グループ最適な視点から経営戦略を策定し、求心力を発揮することが不可欠であります。

このために、海外グループ会社の中間持株会社に海外事業戦略を議論する討議体を設置し、その運営を担える国内外のグローバル人財の活用を通じて、よりグローバルな経営スタイルへの転換を加速させてまいります。


 

 ③ 財務・資本戦略:グループ事業を支える強靭な財務体質への変革と資本循環経営

財務・資本戦略では、市場関連リスクの削減による健全性の向上や資本コストの低減に加え、ERMに基づく規律ある成長投資や機動的かつ柔軟な株主還元の実践等を通じ、中長期的に資本コストを上回る資本効率を目指してまいります。

資本コストについては、経営環境が変化する中で、これまでの当社想定8%から10%へと自己認識を改めました。高い資本コストの一因としては、金融市場変動の影響を受けやすい財務体質が挙げられ、当社グループが有する統合リスク量(2021年3月末時点)の構成は、市場関連リスクが68%を占めております。そこで市場関連リスクの削減について、従来以上に削減量・スピードを高め、中期経営計画期間の3年間で2021年3月期時点の約20%を削減することといたしました。2021年3月期の取組みを含めると、当初の4年計画の約1.5倍に相当する削減計画となります。ただし、これはあくまで通過点であり、金利リスクについては流動性も踏まえつつ、中期経営計画期間以降においても更なるリスク削減を図ってまいります。

資本効率については、改定後の資本コストを安定的に上回る水準を目指します。グループ各社に対しては、事業リスク特性に応じたベータや所在国による市場リスクプレミアムを勘案した資本コストを個別に設定の上で事業成果を評価し、資本の配賦・回収等の意思決定を行ってまいります。

このような考えのもと、中期経営計画の重要経営指標(KPI)において、資本効率指標として従来のROEVに加えて新たに修正ROEを加えるとともに、市場関連リスク削減に関する具体的な削減金額ならびに資本充足率についても目標設定を行いました。


 

 

④ サステナビリティ・経営基盤:サステナビリティ向上への使命・責任を果たし、人と社会と地球の幸せな未来を創る

当社グループは、地域・社会の持続性確保に関する重要課題にも、従来に増して取り組んでまいります。地域・社会のサステナビリティに関する取組みは、国内グループ中心に“世の中の範”となるための目標を設定しております。将来的には、独自の商品・サービスなどを通じた社会的インパクトの創出も挑戦してまいります。

例えば、気候変動対応については、カーボンニュートラルの実現に向けて、2024年3月期までに第一生命が事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達する方針を決定いたしました。加えて、責任ある機関投資家としてESG投資をグループ会社へも展開することを目指します。第一生命では、2050年までに運用ポートフォリオの温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指します。

また、2022年3月期より、社長を委員長とする 「グループサステナビリティ推進委員会」を新設し、グループ横断的に非財務分野に係る方針・戦略の立案や、各社における取組遂行状況のモニタリング等を開始いたしました。多様化するお客さまの価値観・ニーズを先んじて捉え、お客さまの期待を超える体験・感動をお届けするためには、私たちも多様性に富んだ人財・組織である必要があると考えており、ダイバーシティ&インクルージョンを推進してまいります。

男女共同参画社会の実現に向けた取組みはもとより、中途社員・外国人・専門人財など、様々なバックグラウンドを持つ人財が自分らしく働き、個や組織の能力と生産性を高めながら、仲間とつながり、アイデアの共有や相乗効果を生みやすい環境を整備してまいります。具体的には女性管理職比率の新たな目標として、2021年4月時点で13%を占めるライン部長・ラインマネジャー級の管理職における女性比率を2024年4月までに30%とすることを目指してまいります。

より良い未来を創造し、世代を超えて人々のwell-being(幸せ)に貢献するためにも、気候変動対策をはじめとする様々な社会課題に一層積極的に取り組むとともに、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、多様な働き方の支援、機動的な人財シフト等を通じて、ビジネスモデル変革の原動力となる人財・組織を強化してまいります。

 


 

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