当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度における我が国経済の業況判断につきましては、日銀短観(2022年4月1日発表)によりますと、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業はプラス14で前回より3ポイント下がりました。新型コロナウイルスの感染再拡大に加え、世界情勢の悪化で原材料価格の高騰や半導体不足に拍車がかかり、景況感は7四半期ぶりに悪化しました。大企業非製造業はプラス9で前回より1ポイント下がりました。コロナの感染者数が高止まりしたことで、対面型サービス業の景況感が落ち込みました。先行きのDIも低下し、資源高などの長期化に企業が警戒感を強めていることがうかがえます。
国内不動産業界につきましては、三鬼商事株式会社によりますと、2022年3月時点の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス平均空室率は6.37%となり、2021年12月より0.04ポイント上げました。3月は大型解約の影響が少なかったことや、成約の動きが中小規模に止まったため、東京ビジネス地区全体の空室面積がこの1カ月間で小幅に減少しました。
このような環境のもと、当社グループは収益獲得の強化に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は売上高1,196,710千円(前年同期比54.8%減)となり、経常損失721,491千円(前年同期は1,347,281千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失1,160,201千円(前年同期は1,693,774千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
金融サービス事業につきましては、主としてファイナンシャル・アドバイザリー事業、投融資事業及び不動産投資事業の営業活動を行ってまいりました。ファイナンシャル・アドバイザリー事業につきましては、取引先の資金調達支援や財務戦略の助言等に努めました。投融資事業につきましては、様々な事業者の事業資金需要に応える事業融資を実行しました。不動産投資事業につきましては、1棟マンションの運用による賃貸収入や不動産の売却活動を実施すると共に、新たに太陽光発電施設を取得し、運用による売電収入を得ました。
しかしながら、不動産投資事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で再販における見込み時期に遅れが発生し、また、取得を予定していた太陽光発電所においては建設中に工事請負業者の度重なる契約不履行が発生したことから、一部の発電所について取得を断念し計画の見直しを余儀なくされました。
この結果、売上高は239,230千円(前年同期比88.1%減)、セグメント損失は319,545千円(前年同期は857,179千円のセグメント損失)となりました。
サイバーセキュリティ事業につきましては、主として、海外製のサイバーセキュリティ商品を国内の民間企業向けに販売を行いました。
当連結会計年度に見込んでおりました大口案件の売上が期中に計上できず、翌期にずれ込んだことから売上が減少しております。
また、世界的に続く半導体不足や中国における新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンなどの不安定な世界情勢により、一部製品の調達に影響が出たことによります。
この結果、売上高は166,451千円(前年同期比30.3%減)、セグメント損失は10,142千円(前年同期は27,955千円のセグメント利益)となりました。
空間プロデュース事業につきましては、宿泊施設・カフェの運営及びナイトクラブの運営による営業活動を行ってまいりました。カフェ営業やナイトクラブの昼間営業に注力しましたが、新型コロナウイルス感染症による休業の影響を受けた結果、売上高は746,173千円(前年同期比107.0%増)セグメント損失は154,147千円(前年同期は413,138千円のセグメント損失)となりました。
ゲーム事業につきましては、2021年7月31日にレーシングゲームアプリのiOS版、続いて2021年9月7日にandroid版をリリースし2021年9月16日時点で10万ダウンロードに達しております。さらなる新規ユーザーの獲得を目指し、一般参加者を募ったeスポーツ大会等イベントを実施、その模様をテレビ放映する等認知度の向上を図るとともに、既存ユーザーに向けたゲームのアップデートも並行して行いました。また、2022年2月にはユーザー同士が対戦できるプライベートマッチを実装するなど機能の拡充を図ってまいりましたが、約16万ダウンロードに留まっており、広告宣伝費及び研究開発費が負担となりました。
この結果、売上高は44,855千円、(前年同期比12.0%増)セグメント損失は215,260千円(前年同期は222,310千円のセグメント損失)となりました。
当社グループにおける、当連結会計年度末の財政状態につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比21,053千円の増加となる1,482,010千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比368,321千円の減少となる1,025,384千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比389,374千円の増加となる456,625千円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は254,053千円となり、前連結会計年度末比9,825千円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動の結果使用した資金は965,208千円となりました。これは主に減損損失の計上446,661千円があった一方で、税金等調整前当期純損失の計上1,164,992千円や営業貸付金の増加284,139千円よる減少があったこと等によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は235,955千円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出161,648千円や無形固定資産の取得による支出61,081千円よる減少があったこと等によるものであります。
財務活動の結果得られた資金は1,191,338千円となりました。これは主に株式の発行による収入1,418,831千円による増加があった一方で、長期借入金の返済による支出84,545千円及び短期借入金の返済による支出327,500千円による減少があったこと等によるものであります。
当社グループは金融サービス事業、サイバーセキュリティ事業、空間プロデュース事業、ゲーム事業を主たる事業としており、生産活動を行っていないため該当事項はありません。
該当事項はありません。
(注) 主な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、A社及びB社との間で守秘義務を負っているため、社名は公表を控えさせていただきます。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループはこの連結財務諸表の作成に当たりまして、貸倒引当金や繰延税金資産の計上、投資その他の資産の評価及び偶発債務の認識等に関して、過去の実績や取引の状況に照らし合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。当該見積り及び判断について当社は継続的に評価を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う業績の悪化が懸念され、財務諸表の作成においてのれんを含む固定資産の減損や投資案件の減損、更に貸付先の業績悪化に伴う貸倒引当金の積み増しが必要となる可能性があります。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響額は、今後の広がり方や収束時期等について、外部の情報源に基づく客観性のある情報が入手できないため、当事業年度期末時点で入手可能な情報をもとに見積りを行っております。
当連結会計年度末における流動資産は1,188,004千円となり、前連結会計年度末に比べ335,634千円増加しました。これは主に、事業融資により営業貸付金が209,617千円、中古住宅の取得により販売用不動産が126,426千円増加したこと等によるものであります。固定資産は294,005千円となり、前連結会計年度末に比べ314,581千円減少しました。これは主に、太陽光発電施設の取得等によりその他有形固定資産が90,212千円増加した一方で、株式会社CAMELOTの減損等により、のれんが234,454千円減少したこと等によるものであります。
この結果、総資産は1,482,010千円となり、前連結会計年度末に比べ21,053千円増加しました。
当連結会計年度末における流動負債は432,882千円となり、前連結会計年度末に比べ124,024千円減少しました。これは主に、未払金が41,333千円、未払消費税等が78,498千円減少したこと等によるものであります。固定負債は592,501千円となり、前連結会計年度末に比べ244,296千円減少しました。これは主に、長期借入金が250,651千円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は1,025,384千円となり、前連結会計年度末に比べ368,321千円減少しました。
当連結会計年度末における純資産合計は456,625千円となり、前連結会計年度末と比べ389,374千円増加しました。これは主に、新株式の発行及び新株予約権の行使等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ757,147千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失1,160,201千円を計上したこと等によるものであります。
この結果、自己資本比率は27.2%(前連結会計年度末は2.9%)となりました。
当社グループの資金運営は、事業活動にかかる資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、不動産及び株式の取得については金融機関等からの借入の利用などにより流動性を保持しております。しかしながら、短期的には新型コロナウイルス感染症拡大の影響により厳しい経営環境が続くものと考えられ、財務状態の健全化を図る必要があると認識しております。このため、株式・新株予約権の発行による資金調達の可能性を検討してゆきます。また、金融機関等からの借入による資金調達を実施する予定であります。
経営成績の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
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