経営成績等の概要
(1)経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策として緊急事態宣言等が断続的に発出されましたが、ワクチン接種の進捗等により、社会経済活動が徐々に再開されたことから持ち直しの動きが見られました。しかしながら、年明け以降は、国内においてはオミクロン株の流行等による個人消費の落ち込みが見られ、また国外においてはサプライチェーンの混乱やロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高騰等、先行きは不透明な状況が続いています。
当社グループの主力市場である首都圏マンション市場におきましては、在宅勤務の普及による良質な住まいに対する関心の高まり等から需要は底堅く推移しており、販売価格の上昇が続くなかでも発売戸数・契約率ともに前年度を上回っております。
このような環境下、当社グループにおきましては、いわゆるウィズコロナ社会における市場のニーズを捉えた商品開発に注力するとともに、非対面でのWeb接客サービス「リモート クリオ」を積極的に活用しながら営業活動を継続してまいりました。また顧客サービス面において、業界最長の15年となる住宅設備の保証サービス「クリオ サポート15」の提供を開始する等、入居した後のお客様の満足度向上に向けた取組みを推進しました。
この結果、契約高は前期から114億1百万円増加し548億33百万円、期末契約残高は前期末から101億93百万円増加し528億84百万円となっております。
当連結会計年度における業績については、契約済住戸の引渡しを着実に進め、売上高572億9百万円(前期は501億9百万円)、営業利益41億69百万円(前期比15.0%増)、経常利益31億60百万円(同5.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益25億97百万円(同4.5%減)となりました。
なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
これに伴い、当連結会計年度における売上高は、3億63百万円減少しております。
そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び対前期増減率を記載しておりません。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
(連 結)
区分 |
当期実績 (百万円) |
前期実績 (百万円) |
増減 |
|
金額(百万円) |
増減率(%) |
|||
売上高 |
57,209 |
50,109 |
- |
- |
営業利益 |
4,169 |
3,626 |
543 |
15.0 |
経常利益 |
3,160 |
3,007 |
152 |
5.1 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
2,597 |
2,721 |
△123 |
△4.5 |
(個 別)
区分 |
当期実績 (百万円) |
前期実績 (百万円) |
増減 |
|
金額(百万円) |
増減率(%) |
|||
売上高 |
51,991 |
44,869 |
- |
- |
営業利益 |
3,798 |
3,169 |
629 |
19.9 |
経常利益 |
3,158 |
2,886 |
272 |
9.4 |
当期純利益 |
2,710 |
2,726 |
△16 |
△0.6 |
(注)売上高については、増減額及び対前期増減率を記載しておりません。
(2)連結セグメント別の業績
各セグメントの売上高は、外部顧客に対する売上を記載しております。
① 不動産販売事業
不動産販売事業におきましては、新築分譲マンション873戸(前期比43戸増)、中古マンションの買取再販86戸(前期比17戸増)の引渡しを行ったこと等から、売上高は509億31百万円(前期は436億66百万円)、セグメント利益は42億82百万円(前期比18.2%増)となりました。
売上の状況は次のとおりです。
区分 |
当期実績 |
構成比 |
|
分譲マンション(買取再販含む) |
戸数(戸) |
959 |
|
売上高(百万円) |
44,631 |
87.6% |
|
土地・建物 |
売上高(百万円) |
5,548 |
10.9% |
手数料等 |
売上高(百万円) |
750 |
1.5% |
計 |
戸数(戸) |
959 |
|
売上高(百万円) |
50,931 |
100.0% |
② 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業におきましては、売上高は9億72百万円(前期は10億82百万円)、セグメント利益は4億50百万円(前期比33.4%増)となりました。
③ 不動産管理事業
不動産管理事業におきましては、売上高は50億40百万円(前期は49億10百万円)、セグメント利益は2億90百万円(前期比16.9%減)となりました。
④ その他事業
その他事業におきましては、住設企画販売事業を中心に、売上高は2億64百万円(前期は4億49百万円)、セグメント利益は92百万円(前期比0.8%減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は274億52百万円となり、前連結会計年度末比51億40百万円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、68億93百万円の資金の減少(前期は55億51百万円の減少)となりました。これは税金等調整前当期純利益31億42百万円の計上、棚卸資産126億4百万円の増加、仕入債務の増加21億87百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、45百万円の資金の減少(前期は13億80百万円の増加)となりました。これは有形固定資産の取得による支出1億17百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは120億80百万円の資金の増加(前期は31億88百万円の増加)となりました。これは、新規プロジェクトにかかる長期借入れによる収入315億67百万円、プロジェクトの終了等に伴う長期借入金の返済による支出200億9百万円、配当金の支払8億70百万円及び自己株式の取得による支出9億65百万円等によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
該当事項はありません。
(2)契約実績
当連結会計年度における不動産販売事業の契約状況は次のとおりであります。
|
契約高 |
契約残高 |
||||
数量 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
数量 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
分譲マンション(買取再販含む) |
1,107戸 |
54,833 |
126.25 |
964戸 |
52,884 |
123.88 |
土地・建物 |
585.69㎡ |
5,268 |
690.52 |
-㎡ |
- |
- |
計 |
1,107戸
585.69㎡ |
60,101 |
135.99 |
964戸
-㎡ |
52,884 |
123.10 |
(注)土地・建物の数量は、土地の実測面積を記載しております。
(3)販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
不動産販売事業(百万円) |
50,931 |
- |
不動産賃貸事業(百万円) |
972 |
- |
不動産管理事業(百万円) |
5,040 |
- |
報告セグメント計(百万円) |
56,944 |
- |
その他事業(百万円) |
264 |
- |
合計(百万円) |
57,209 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。そのため、前期比(%)は記載しておりません。
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末日における資産・負債の報告数値及び偶発債権・債務の開示並びに連結会計年度における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用する必要があります。当社グループは、過去の実績や状況に応じ最も合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、重要な会計方針のうち、判断と見積りに重要な影響を及ぼすものは以下のものであると考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、今後の感染状況や収束時期等を予測することは困難でありますが、当連結会計年度における当社グループの事業活動へ与える影響は軽微であり、重要な影響が見られていないことから、当連結会計年度においては、翌連結会計年度においても新型コロナウイルス感染症による重要な影響はないものと仮定して会計上の見積りを行っております。ただし、その収束時期の変動等によっては、今後の財政状態及び経営成績の状況に影響を及ぼす可能性があります。
① 棚卸資産評価
当社グループは、通常の販売目的で保有する棚卸資産についての評価を実施し、評価額が帳簿価額を下回った場合には評価損失を計上しております。棚卸資産の評価は、鑑定評価に基づくものの他、近隣売買事例や過去の価格推移等により行っております。
② 貸倒引当金
当社グループは、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。取引先の財務状況が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産
当社グループは、企業会計上の資産又は負債の額と課税所得計算上の資産又は負債の額との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率に基づいて繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しております。
当社グループが計上している繰延税金資産は、将来減算される一時差異及び繰越欠損金等によるものであります。繰延税金資産のうち、将来において回収が不確実であると考えられる部分に対しては評価性引当額を計上して繰延税金資産を減額していますが、将来の課税所得の見込み額の変化や法人税率の変動等に基づき繰延税金資産の回収可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の増減により法人税等調整額が増減し、純利益が増減する可能性があります。
④ 退職給付費用
当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件となる基礎率には、割引率、昇給率、退職率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等が含まれ、これまでの実績及び将来の見通しを考慮して設定しておりますが、実際の基礎率との差異については数理計算上の差異額として、発生期の翌連結会計年度において一括費用処理することとしております。前提条件として使用する基礎率は、その算定の基となる統計数値等に重要な変動が生じていない限り見直しを行いません。
基礎率を変更した場合、割引率の減少(増加)は、退職給付債務が増加(減少)するため、数理計算上の差異の費用処理を通じて退職給付費用を増加(減少)させる可能性があります。長期期待運用収益率の引き下げ(引き上げ)は、退職給付費用を構成する期待運用収益を減少(増加)させることになり、その結果、退職給付費用は増加(減少)することになります。
⑤ 賞与引当金
当社グループは、従業員に対して支給する賞与の支出に充てるため、賞与支給見込額の当連結会計年度負担額を計上しております。
⑥ 役員賞与引当金
当社は役員賞与の支出に備えて、当連結会計年度における支給見込額を計上しております。
⑦ 役員退職慰労引当金
当社及び一部の連結子会社は役員の退職慰労金の支出に備えて、内規に基づく期末要支給額の全額を計上しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
不動産販売事業におきまして、新築分譲マンション873戸の引渡しを行いました。また、中古マンションの買取再販については86戸の引渡しを行いました。以上の結果、売上高は572億9百万円(前期は501億9百万円)となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、不動産販売事業における用地費の上昇等から、442億76百万円(前期は387億94百万円)となりました。
販売費及び一般管理費は87億62百万円(前期比14.0%増)となりました。
③ 営業外損益
営業外収益は、助成金収入が減少したこと等から1億29百万円(前期比37.9%減)となりました。
営業外費用は、控除対象外消費税等が増加したこと等から11億39百万円(前期比37.6%増)となりました。
④ 特別損益
固定資産除却損24百万円を特別損失として計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は572億9百万円(前期は501億9百万円)、営業利益は41億69百万円(前期比15.0%増)、経常利益は31億60百万円(同5.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億97百万円(同4.5%減)となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要の主なものは不動産販売事業における用地仕入れであり、金融機関からの借入れにより資金調達を行っております。
資金の状況につきましては、「経営成績等の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
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