文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、信用を重んじ、有為の人材育成に努め、事業活動を通じて豊かな生活環境を創造し、社会に貢献することを共通理念としております。グループ各社が独自にかつ連携しながら、「住みやすさ」に加え、居住者の資産形成や投資家向けの安定的な投資対象の創出などの複合的な価値提供を行う「総合不動産・建設業」として、グループの発展を図ります。
(2)経営環境
不動産業界においては、建築コストの高騰等により住宅需要は郊外を中心に弱含みが続くものと思われます。
首都圏(1都3県)においては、人口流入が続いているものの、少子高齢化の進行に伴い、マンションの新規分譲事業は安定的に拡大を図ることが困難になると予想されます。
建設業界においては、受注高は高い水準を維持しておりますが、人材確保が困難なことや、これに伴い人件費が上昇していること及び建築資材費が上昇傾向にあることなど、今後厳しくなることが見込まれます。
また、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるところであり、テレワーク等働き方の見直しが急速に進んでおります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 不動産事業
a.新築マンション分譲事業
単身・DINKS向けの開発、特に女性の視点による使いやすさ・デザイン性を重視し、女性購入者の割合の増加を目指します。
b.不動産証券化事業
私募REIT向けの開発を推進し、投資顧問業での預かり資産残高1,000億円を目標に物件収集力・取得力を増強させます。
また、大手上場投資法人との協業により、更なる発展を図ります。
c.買取再販事業
現在の東京・大阪・名古屋に加え、札幌・福岡と順次支店を拡大します。
また、年3回の資金回転を目標にしたオペレーションモデルを構築します。
d.戸建事業
他社とのJVも視野に入れ、3階建てコンパクト住宅や庭付2階建住宅等、地域性を生かした独創性のある戸建ブランドの確立を目指します。
② 建設事業
多田建設株式会社は、マンション建設に強みを持つ建設会社であります。
同一グループ内に不動産デベロッパーと建設会社がある希少性を生かし、当社グループが開発する分譲マンションの品質向上と顧客ニーズの素早い取り込みを図るとともに、グループ外部のマンション工事等を積極的に受注することによりグループの安定化と拡大を図ります。
また、首都圏、近畿圏に加えて九州営業所・東北営業所での事業展開を強化するとともに、学校・老健施設等の非住宅事業への進出を図ります。
③ 不動産管理事業
分譲マンション・賃貸マンションを問わず、長期にわたり不動産を管理又は管理受託することに加え、リフォーム業や仲介業などを手掛けております。また、近年行っている老人ホームの開発事業等のように幅広い需要に対応した継続的な事業の発展を図ります。
④ 新型コロナウイルス感染症対策
新型コロナウイルス感染症の拡大が昨年来続いております。今後、ワクチン接種の進捗とともに収束していくものと思われますが、緊急事態宣言が断続的に発出されていることや変異ウイルスによる拡大も懸念されるため、テレワーク等働き方の見直しを引き続き進めてまいります。
また、当社は、株主の皆様に対する利益の還元を会社運営における重要課題の一つとして認識しております。株主重視の方針に加え、今後の事業展開等を勘案し、内部留保にも意を用い、業績に応じた適正配当を行うとともに、長期的な安定配当を維持することを基本方針としております。また、配当性向は30%以上を目安としております。
この基本方針に基づき、当期の期末配当につきましては、普通配当22円とさせていただきます。
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