①当期の経営成績の概況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の発令により、経済活動や個人消費が影響を受けました。また、世界的なサプライチェーンの混乱による原材料や原油価格の高騰、足元ではロシアのウクライナ侵攻や中国主要都市でのロックダウン、アメリカのインフレ率の上昇、急激な円安など厳しい経営環境が続いております。
そのような状況の中、当社の当連結会計年度における業績は、売上高16,359百万円(前年同期比24.8%増)、営業利益1,420百万円(前年同期比44.5%増)、経常利益1,409百万円(前年同期比44.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益881百万円(前年同期比51.6%減)となりました。
なお、第3四半期末より株式会社髙垣組(以下「髙垣組」という。)が連結子会社となっております。
②事業の種類別セグメントの業績概要
(分譲マンション事業)
分譲マンション業界は、住宅ローンが低金利で推移していることやディンクス・パワーカップル市場などでの住宅取得意欲が旺盛な事などにより、需要は堅調に推移しておりますが、一方で建築資商材および工事労務費の高騰状況は依然続いております。また、プロジェクト用地の仕入につきましても同業社間での取得競争は激化し、用地の仕入価格も上昇しております。その為、販売価格の高騰などにより、難しい状況で推移すると考えております。その他、コロナ禍による感染対策の継続、ウクライナ情勢、円安に伴う光熱費や物価、金利上昇の懸念などにより、インフレ傾向は継続し、消費マインドに与える影響も大きいものと推察します。連結子会社の株式会社エムジーホームにおける販売状況に関しましては、販売の主力エリアである名古屋市、一宮市、岐阜市は競合他社による新築分譲マンションの供給も多く、販売価格の高騰状態など競争が激化しております。
そうした情勢の中、当連結会計年度は新たに7棟219戸の新築マンションを分譲し、前期から販売開始した物件も併せ174戸(前期は168戸)を成約しております。また、引渡しにつきましては、新規完成物件7棟、完成在庫を併せ167戸(前期は179戸)を行っております。
以上の結果、売上高6,312百万円(前年同期比10.6%減)、セグメント利益(営業利益)は、762百万円(前年同期比11.1%減)となりました。
(注:当社グループの主要事業である分譲マンション事業においては、マンションの売買契約成立後、顧客への引渡時に売上が計上されるため、マンションの完成時期の偏りにより経営成績に変動が生じる傾向があります。)
(注文建築事業)
注文建築事業においては、法人による自動車関連施設への設備投資や投資事業者による収益不動産(テナントビル・賃貸マンション等)への投資は堅調に推移しました。連結子会社の株式会社アーキッシュギャラリーでは、これまでの自動車関連施設の設計・施工実績や収益不動産の設計・施工実績をもとに、新規法人や事業者への営業活動を積極的に推進し、受注に注力してまいりました。当連結会計年度において中規模改修等27件の引渡しを行っており、引渡済の物件を含め、25件の工事について工事の進捗に基づき売上を計上いたしました。
連結子会社の株式会社TAKI HOUSEでは、間取り等を自由にカスタマイズしたいお客様のニーズに対応すべく注文住宅を手掛けており、当連結会計年度において注文住宅10棟の引渡しを行い、引渡済の物件を含め、11件の工事について工事の進捗に基づき売上を計上いたしました。
また、第3四半期末より連結子会社となった岐阜県の髙垣組の利益がセグメント利益に寄与し、注文建築事業の業容拡大に貢献いたしました。
以上の結果、注文建築事業においては、売上高5,049百万円(前年同期比59.9%増)、セグメント利益(営業利益)529百万円(前年同期比115.6%増)となりました。
(戸建分譲事業)
戸建分譲事業につきましては、コロナ禍の状況下においても、戸建住宅に対する需要は堅調に推移しました。しかし、建築資商材の供給不足による価格の高騰は依然として続いており、今後の販売価格への転嫁等の見通しは不透明な状況が続いております。このような環境の下、連結子会社の株式会社TAKI HOUSEでは、3Dプラットフォームを利用することにより、モデルハウスの見学をバーチャルで行うことを可能としました。また、人体に優しい自然素材の漆喰仕上げを壁材に採用しております。その他、リモートワークに対応したワークスペースを間取りに取り入れる等、特徴性とコロナ禍におけるお客様のニーズに対応した快適なライフスタイルを提供してまいりました。
以上の結果、当連結会計事業年度においては、87棟の新規契約、93戸の引渡しを行っており、売上高4,927百万円(前年同期比70.1%増)、セグメント利益(営業利益)457百万円(前年同期比178.8%増)となりました。
(不動産管理事業)
不動産管理事業につきましては、連結子会社の株式会社エムジー総合サービスにおいて、分譲マンション234棟6,025戸の管理、賃貸物件の退去に伴うリフォーム148戸、マンションの大規模修繕のコンサルタント12件等を手掛けております。
以上の結果、売上高499百万円(前年同期比3.4%増)、セグメント利益(営業利益)93百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
(賃貸事業)
賃貸事業につきましては、各会社において土地、マンション、戸建等を事業に供しております。
以上の結果、売上高111百万円(前年同期比60.0%増)、セグメント利益(営業利益)は69百万円(前年同期比95.3%増)となりました。
③新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響と今後の対応
(今後の業績への影響)
住宅業界におきましては、テレワークや在宅勤務の拡大による戸建住宅需要の拡大などの追い風はあるものの、土地仕入、建物の建築価格は高止まりしており、今後のコロナウイルス禍の消費マインドの動向などを含め、難しい状況で推移すると考えられます。
(今後の対応)
当社グループでは、徹底した感染症対策を継続し、コロナウイルス禍に対応した新たな販売手法も駆使しながら、業績の維持、拡大を図ってまいります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は3,226百万円(前年同期比8.5%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果獲得した資金は58百万円(前年同期比93.9%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,383百万円(前年同期比34.6%減)、土地仕入れ等による棚卸資産の増加463百万円(前年同期比62.9%減)、完成したプロジェクトの前受金を売上に振り替えたことによる前受金の減少879百万円(前期は前受金の増加972百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は20百万円(前年同期は1,899百万円獲得)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出21百万円(前年同期比49.7%減)、預り保証金の返還による支出40百万円(前年同期比2,483.7%増)子会社株式の取得による収入49百万円(前年同期比83.6%減)によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果獲得した資金は213百万円(前年同期は945百万円使用)となりました。これは主に短期借入による収入3,949百万円(前年同期比17.7%減)、長期借入による収入2,578百万円(前年同期比87.6%増)、短期借入金の返済による支出5,098百万円(前年同期比32.8%増)、長期借入金の返済による支出1,144百万円(前年同期比64.8%減)であります。
(1)生産実績
当社グループの主たる業務には生産に該当する事項がありませんので、記載を省略しております。
(2)受注実績
当連結会計年度における販売不動産の契約実績は次のとおりであります。
(注)1.分譲マンション事業は新築マンションのみを計上しております。
2.注文建築事業は請負金額500万円以上のものを計上しております。
当期における販売実績は次のとおりであります。
(注)1.分譲マンション事業は新築マンションのみを計上しております。
2.注文建築事業は請負金額500万円以上のものを計上しております。
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
財政状態及び経営成績の分析は、原則として連結財務諸表に基づいて分析したものであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析
「(業績等の概要)(1)業績」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析
①資産
当連結会計年度末における流動資産は15,154百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,651百万円増加いたしました。これは主に髙垣組子会社化により現金預金が593百万円、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は売掛金)が1,623百万円増加、仕入により仕掛販売用不動産が372百万円、物件完成により販売用不動産が456百万円増加したことによります。
固定資産は2,913百万円となり、前連結会計年度末に比べ451百万円増加いたしました。これは主に髙垣組子会社化により建物が169百万円、土地が405百万円増加したことによります。
この結果、総資産は18,067百万円となり前連結会計年度末に比べ3,102百万円増加いたしました。
②負債
当連結会計年度末における流動負債は9,552百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,883百万円増加いたしました。これは主に髙垣組子会社化により支払手形が858百万円、買掛金が190百万円、短期借入金が876百万円、完成したプロジェクトの工事代の計上により買掛金が731百万円増加し、完成したプロジェクトの前受金を売上に振り替えたことにより、735百万円減少したことによります。
固定負債は、1,914百万円となり、前連結会計年度末に比べ376百万円増加いたしました。これは主に子会社株式取得資金借入433百万円増加したことによります。
この結果、負債合計は11,467百万円となり前連結会計年度末に比べ2,259百万円増加いたしました。
③純資産
当連結会計年度末における純資産合計は6,600百万円となり、前連結会計年度末に比べ842百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益881百万円計上によるものであります。
この結果、自己資本比率は36.2%(前連結会計年度末は38.1%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
「(業績等の概要)(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4)財務政策
当社グループの主要事業である分譲マンション事業は、マンションの建設着工から完成まで平均16ヶ月位を要し、分譲代金の回収もマンションの完成時期に集中する点をふまえ、資金需要に柔軟に対応できるよう、金融機関との円滑な関係を構築しております。
(5)営業キャッシュ・フロー
当社グループの主要事業である分譲マンション事業は、マンション用地の取得資金を金融機関からの借入によっており、かつ用地取得からマンションの完成による資金回収までの期間が一事業年度で完結しないことから、マンション用地の取得状況によって、営業キャッシュ・フローは大きく変動いたします。
(6)上半期及び下半期の変動
当社の主要事業である分譲マンション事業においては、マンションの売買契約成立後、顧客への引渡時に売上が計上されるため、マンションの完成時期の偏りにより上半期と下半期では経営成績に変動が生じる傾向があります。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等による不確実性が大きく、将来事業計画等の見込数値に反映させることが困難な要素もありますが、期末時点で入手可能な情報をもとに検証等を行っております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得に依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
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