業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しているとおりであります。

 当社グループは、固定資産の減損損失、税効果会計、貸倒引当金、投資その他の資産の評価等に関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染者数が減少し、経済活動の正常化が進む中で、個人消費は持ち直しの動きが見られました。しかしながら、ウクライナ情勢や中国のゼロコロナ政策等により景気後退リスクが高まる中で、さらなるインフレ懸念が予想されるなど、先行き不透明感が強まっております。

 当社顧客である店舗出店企業(物販・飲食業)におきましては、全国でまん延防止等重点措置解除から、行動制限のないゴールデンウイークとなり、家族客を中心として回復傾向になりました。一方、新型コロナウイルスについて、8月4日(木)、東京都で新たに3万5,339人、全国で23万8,735人の感染が発表されるなど、引続き不透明感が続いております。

 このような環境下におきまして、感染抑制に努めながら、対面による営業を自粛し、電話及びメール・FAX・郵便を活用し、情報収集及び提案営業を行いました。

 当社グループにおきまして、仲介関連事業は前年比減少しましたが、サブリース事業は前年比件数微増、粗利益3.7%増とすることができました。

 当連結会計年度においては、人材採用及び販売促進費の拡大等、積極的な営業姿勢を続けてまいりました。景気や企業の出店意欲等に左右されない磐石なストック収入の基盤を創ることが、次期のさらなる業績向上につながると考えております。

 

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高2,181,747千円(前連結会計年度比1.8%の増加)、営業利益177,553千円(前連結会計年度比17.7%の減少)、経常利益173,022千円(前連結会計年度比19.7%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は103,623千円(前連結会計年度比26.6%の減少)となりました。

 

  (3)財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は632,037千円となり前連結会計年度末に比べ35,856千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が61,264千円減少したことによるものであります。

 固定資産は3,059,501千円となり、前連結会計年度末に比べ381,663千円増加いたしました。これは主に事業用不動産の購入により建物が210,666千円増加したこと及び土地が22,584千円増加したこと等によるものであります。

 この結果、総資産は3,700,507千円となり、前連結会計年度末に比べ350,369千円増加いたしました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は542,744千円となり、前連結会計年度末に比べ4,106千円増加いたしました。これは主に短期借入金が25,559千円増加したこと及び未払法人税等が34,862千円増加したものの、一年内返済長期借入金が81,000千円減少したこと等によるものであります。

 固定負債は1,499,599千円となり、前連結会計年度末に比べ140,452千円増加いたしました。これは主にサブリース物件の長期預り保証金が47,485千円増加したこと及び社債が85,050千円増加したものの、長期借入金が21,752千円減少したこと等によるものであります。

 この結果、負債合計は2,042,343千円となり、前連結会計年度末に比べ144,558千円増加いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は1,658,164千円となり、前連結会計年度末に比べ205,810千円増加いたしまし

た。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上103,623千円等によるものであります。

 

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

    ①キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ61,264千円減少し、当連結会計年度末残高は381,786千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

・営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は、184,567千円(前年同期比20,028千円の収入減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が169,515千円によるものであります。

・投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は、150,878千円(前年同期比123,953千円の支出増加)となりました。これは、主に投資有価証券の取得及び売却による収支7,204千円(支出)及び預り保証金の受入及び返還による収支87,484千円(収入)があるものの、有形固定資産の取得による支出169,302千円及び差入保証金の受入及び返還による収支26,217千円(支出)等によるものであります。

・財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、94,953千円(前年同期比55,755千円の支出減少)となりました。これは主に社債の発行による収支48,122千円(収入)の増加があるものの、借入収支54,128千円(支出)の減少及び自己株式の取得による支出56,922千円等によるものであります。

    ②財務政策

当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。売上債権の圧縮及び有価証券の売却等、資金の効率を高め、財務基盤の健全化を進めていく方針であります。

 当社グループは、健全な財務状態及び営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力があることにより、当社グループの成長を維持するために将来必要となる資金を調達することが可能と考えております。

 

(6)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を不動産ソリューション事業の事業部門別に示すと、次のとおりであります。

事業部門

第23期

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前年同期比(%)

テナント誘致事業(千円)

101,593

69.5

更新及び契約管理事業(千円)

66,521

103.0

ビル管理事業(千円)

2,013,633

104.2

合計(千円)

2,181,747

101.8

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

   外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載はありませ

   ん。

 

(7)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、中長期的に安定した成長を目指し、売上高経常利益率10%と、配当性向30%以上を目標としています。

 当期においては、売上高経常利益率(連結)7.9%、配当性向(連結)38.8%と、配当性向は達成したものの、売上高経常利益率は未達となりました。

 管理体制強化と人材育成を推進し、目標に向けて取り組んでまいります。

 

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