文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略
当社グループは、「住まい創りや不動産価値創造事業を通じて地域社会の文化と歴史の創造に貢献します」という経営理念のもと、「最大たるより最良たるべし」、「オンリーワン(なくてはならない)企業」、「地域密着型企業」及び「CS(顧客満足)・ES(従業員満足)推進企業」の4つを経営の基本路線としております。
上記の経営理念等のもと、進出地域内の顧客ニーズに対して、広く深く応えることにより、“地域社会になくてはならない存在”となり、それによる収益力の向上及び当社グループのグループ力を生かした資産効率の向上を通じて、安定的かつ継続的な成長を目指します。
さらに、将来の収益の柱として、ストック事業の強化を行い、収益基盤の拡充を目指します。
(2)目標とする経営指標
分譲マンション市場は、これまで景気の変動に大きく影響され、多くのデベロッパーが淘汰される等の経過をたどってきたことから、財務体質の健全性が事業の継続には不可欠な要素となっています。そこで、当社グループは安定した親会社株主に帰属する当期純利益の確保及びキャッシュ・フローの重視により、有利子負債比率を45%未満に圧縮し、自己資本比率を35%以上に向上していくことを重点目標とし、外部環境の変化に影響されにくい財務体質を構築していきます。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題
今後のわが国経済は、新たな変異株による感染再拡大など、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響が懸念されますが、ワクチン接種の普及や経済・社会活動の制限緩和により、景気が持ち直していくことが見込まれます。一方で、急激な円安進行や資源価格の高騰に伴う物価上昇が景気を停滞させる状況にあり、先行きの見通しを難しくしております。
このような状況のなかで、当社グループの主力事業である分譲マンション事業への影響につきましては、前連結会計年度と同様、消費者の堅調な需要に支えられるものと見込んでおりますが、建築資材や住宅設備の高騰、また供給不足により、建設工事費のさらなる高騰による不動産価格への影響等が懸念される状況、加えてあらゆる消費財が高騰していくことから、主要ターゲットである一次取得層の購買意欲低下に繋がっていく可能性があり、注意を要する経営環境であると認識しております。
当社グループでは、新たな中期方針『ポートフォリオ経営の構築と収益構造改革の推進』を策定いたしました。主力である不動産関連事業におきましては、需給バランスを重視したエリア展開や商品投入、また「住」に「医療」や「防災」等を繋いだ生活付加価値サービスの企画など、様々な施策により最大利益を確保していくことは勿論のこと、相続対策や資産運用商品の開発と販売手法の構築など、新たな不動産ビジネスでの事業基盤の確立、中古マンション買取再販事業や仲介事業においては、進出エリアにおける効率的な事業基盤の整備による事業拡大を目指してまいります。
また、IT/デジタル技術を活用したオンライン商談や、各種資料・業務の電子化など、様々な取り組みのDX(デジタルトランスフォーメーション)化を加速させるとともに、引き続き当社グループの多様な事業セグメントの経営基盤を活用した新規事業や新たなサービス開発、事業領域の拡大にも取り組んでまいります。
現在及び今後の外部及び内部環境等の状況を踏まえ、下記のとおり、第60期(2023年6月期)から第62期(2025年6月期)までの3カ年を対象とする中期経営計画を策定しております。
〈中期ビジョン〉
お客様の生涯価値を豊かにする「地域エコシステム※の駆動者」たる次世代企業グループとなる
※あなぶきグループ独自の、地域密着型の多様な商品サービスを提供し続けることで、顧客の生涯価値を継続的に高め、その地域での競争優位性を保ち長期的に存続していく仕組み
〈中期方針〉
ポートフォリオ経営の構築と収益構造改革の推進
〈重点戦略〉
1.不動産関連事業の強化と収益構造改革の推進
2.将来の柱となる新規事業の創出と周辺事業の強化
3. 海外事業の拡大
4. 人材育成、及び生産性、CS/ES、ブランド力の向上
5.財務体質の強化
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