業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

  なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用している。

 ①財政状態及び経営成績の状況

  当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出されるなど、極めて厳しい事業環境となった。ワクチン接種が進む中、昨年11月頃には感染拡大が落ち着き始め、景気はゆるやかな回復の動きが見られた。しかしオミクロン株の大流行や原材料価格の上昇、加えて半導体等の部品供給不足により景気回復は弱いものとなった。またロシア・ウクライナ情勢による経済不安もあり依然として先行き不透明な状況となっている。

  運輸業界においても、国内貨物輸送量は微増で推移しているが、燃料価格の高騰や製造業の減産の影響を受け大変厳しい状況が続いている。

  このような経済環境下、当社グループは、当年の目標を「営業力の強化と生産性の向上」と定め、新規得意先開拓を中心に営業を強化している。また、人員不足が続く中で、一人当たりの仕事量の増加と業務の効率化を図り生産性の向上にも努めてきた。

  イ.財政状態

   当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億7千6百万円増加し、425億5千6百万円となった。

   当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6億2千4百万円減少し、234億6千4百万円となった。

   当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億円増加し、190億9千2百万円となった。

 

  ロ.経営成績

   当連結会計年度の営業収益は392億7千7百万円(前連結会計年度比0.6%減)となり、営業利益は12億5百万円(前連結会計年度比8.9%減)、経常利益は14億5百万円(前連結会計年度比9.4%減)となった。また、親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産売却益の計上等により、12億4千2百万円(前連結会計年度比13.1%増)となった。

   セグメントごとの経営成績は次のとおりである。

  (貨物運送関連)
 貨物運送関連については、貨物取扱量が前連結会計年度に比べやや回復したが、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、営業収益は375億1千万円(前連結会計年度比1.3%減)、営業利益は10億4千9百万円(前連結会計年度比12.7%減)となった。

  (石油製品販売)

   石油製品販売については、商品販売価格の上昇等により、営業収益は10億6百万円(前連結会計年度比28.7%増)となり、仕入価格の上昇等により、営業損失は4百万円(前連結会計年度は1百万円の営業利益)となった。

  (その他)
 その他については、自動車用品販売、フォークリフト販売及び一般労働者派遣等を含んでおり、営業収益は7億6千万円(前連結会計年度比5.5%増)となり、営業利益は1億3千7百万円(前連結会計年度比43.4%増)となった。

 

 ②キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億9千7百万円減少し、当連結会計年度末には57億3千7百万円となった。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりである。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

   営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度末に比べ9億5百万円減少し、22億4百万円となった。これは主に、税金等調整前当期純利益19億2百万円、減価償却費16億9千9百万円の計上があったことなどによるものである。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

   投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度末に比べ4億7千2百万円増加し、20億9千万円となった。これは主に、有形固定資産の取得による支出が10億5千1百万円増加し、有形固定資産の売却による収入が5億5千9百万円増加したことなどによるものである。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

   財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度末に比べ5億6千4百万円減少し、4億1千2百万円となった。これは主に、長期借入金の返済による支出が2億9千2百万円減少し、長期借入れによる収入が2億5千万円増加したことなどによるものである。

 ③営業実績

  イ.営業実績

   当連結会計年度の営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

当連結会計年度(千円)

(2021年4月1日から2022年3月31日まで)

前年同期比(%)

貨物運送関連

37,510,345

98.7

石油製品販売

1,006,262

128.7

 報告セグメント計

38,516,608

99.3

その他

760,916

105.5

合計

39,277,524

99.4

 (注)セグメント間の取引については相殺消去している。

 

  ロ.地区別営業収益

区分

当連結会計年度(千円)

(2021年4月1日から2022年3月31日まで)

前年同期比(%)

関東地区

4,154,577

98.6

中部地区

2,593,994

101.9

北陸地区

457,269

103.5

近畿地区

9,987,613

101.2

中国地区

19,662,136

98.2

四国地区

866,535

96.9

九州地区

1,555,397

102.5

合計

39,277,524

99.4

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

  イ.財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

   当連結会計年度末の総資産は425億5千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億7千6百万円の増加となった。これは、現金及び預金の減少等により流動資産が4億9千2百万円減少し、建物及び構築物(純額)、建設仮勘定の増加等により固定資産が8億6千8百万円増加したことによるものである。

   負債については234億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億2千4百万円の減少となった。これは、短期借入金の増加等により流動負債が18億3千3百万円増加し、長期借入金の減少等により固定負債が24億5千8百万円減少したことによるものである。なお、短期借入金の増加及び長期借入金の減少はシンジケートローンの返済期日が1年未満となったことにより流動負債への振替によるものである。

   純資産については190億9千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億円の増加となった。これは、利益剰余金の増加などによるものである。

 

  ロ.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

   当社グループの経営成績は、当連結会計年度において営業収益は392億7千7百万円、経常利益は14億5百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は12億4千2百万円となっており、前連結会計年度と比較して、営業収益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、それぞれ2億2千1百万円の減収、1億4千6百万円の減益、1億4千3百万円の増益となっている。

   これは当社グループが、燃料価格の高騰や製造業の減産の影響を受けたものの、新規得意先開拓を中心に営業を強化したためである。

   営業原価については当社グループの主要事業である貨物運送関連において、原油価格が前期に比べ上昇したことによる燃油費の増加があったものの、自社便の積載効率化を推進して運行の自社化による傭車料の削減を行ったことなどにより、前連結会計年度より1億4千万円減少し、362億8千5百万円となっている。

 

  ハ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

  (貨物運送関連)

   貨物運送関連については、貨物取扱量はやや回復したが、「収益認識に関する会計基準」等の適用により営業収益は375億1千万円(前連結会計年度比1.3%減)となった。

   セグメント利益は、燃料価格の上昇等により、10億4千9百万円(前連結会計年度比12.7%減)となった。

   セグメント資産は、広島主管支店新築移転工事の建設仮勘定の計上、新本社屋建替、名古屋主管支店荷捌場増築の計上などにより、355億6千6百万円(前連結会計年度比2.3%増)となった。

  (石油製品販売)

   石油製品販売については、営業収益は10億6百万円(前連結会計年度比28.7%増)となった。

   セグメント損失は、仕入単価の上昇と販売価格競争により、4百万円(前連結会計年度は1百万円のセグメント利益)となった。

   セグメント資産は、9億3千2百万円(前連結会計年度比4.2%増)となった。

  (その他)

   その他については、自動車用品販売、フォークリフト販売及び一般労働者派遣等を含んでおり、営業収益は7億6千万円(前連結会計年度比5.5%増)となった。

   セグメント利益は、1億3千7百万円(前連結会計年度比43.4%増)となった。

   セグメント資産は、8億2千7百万円(前連結会計年度比8.4%増)となった。

 

 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  イ.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

   当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。

 

 ロ.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

   当社グループの事業活動における運転資金需要のうち主なものは、外注費(傭車料)及び燃油費等の支払のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、主要な拠店の再整備、車両購入等の設備投資によるものである。

   当社グループの事業活動上必要な流動性と資金調達の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。

   短期運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本に、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本とし、広島主管支店新築移転に伴う土地建物の購入代金に充てるため、金融機関とタームローン契約を締結しており、40億円限度貸付の内、5億円を借入れている。

   なお、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債の残高は143億8千6百万円となっている。

   また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は57億3千7百万円となっている。

 

 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成している。この連結財務諸表の作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とする。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えている。

 新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについては、第5「経理の状況」の連結財務諸表の「重要な会計上の見積り」及び「追加情報」に記載している。

 イ.貸倒引当金の計上基準

 当社グループは、債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上している。将来、荷主の財政状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性がある。

 

 ロ.有価証券の減損処理

 当社グループは、金融機関、荷主や連帯関係にある同業他社の株式を保有している。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っている。また、非上場株式については財政状態の悪化などにより実質価額が著しく低下したとき減損処理を行っている。将来、株式市場や財政状態が悪化した場合には多額の有価証券評価損を計上する可能性がある。

 

 ハ.繰延税金資産の回収可能性の評価

 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っている。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。

 

 ニ.固定資産の減損

  当社グループは、管理会計上の区分、投資の意思決定を行う際の単位を基準とし、主として主管支店及び管下店所を1つの単位とし、また遊休資産については物件単位ごとにグルーピングを行っている。これらの資産グループについて、減損の兆候が認められた場合、当該資産グループに係る資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性がある。

 

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