業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 経営成績の分析

当連結会計年度における経済状況としては、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による低迷から、ワクチン接種の促進等により影響が徐々に緩和され、2021年9月の緊急事態宣言解除以降、段階的に経済活動が再開し持ち直しの動きも見られました。しかしながら、12月以降は新たな変異株の拡大により、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。

物流業界においては、外出自粛等の影響から家庭内消費が高まり、食料品や家電製品等の取扱量が好調に推移している一方で、外食産業やコンビニエンスストア等においては、時短営業や在宅ワーク等の影響から取扱量が減少傾向となっております。また、ECサイトの利用増加によって、宅配やデリバリーといった小ロット多頻度配送が増加の一途を辿っております。

このような社会情勢の下、当社グループは「生活物資に特化した物流への経営資源の集中投資」「関東から全国への展開を見据えた物流基盤の構築」「将来を見据えAI・ITを導入した物流システムの構築」の3つを成長戦略とした中期経営計画を推進しております。

当連結会計年度においては、北陸地区において年初に大雪があり、数日間物流網の停滞が発生しましたが、顧客、社内の協力体制及び協力会社との連携によって、大きな損害や遅延もなく乗り切ることが出来ております。また、政府から緊急事態宣言が発出された状況下において、全体では安定した取扱量となった一方で、飲食店やコンビニエンスストアでは、昨年度と比較すると取扱量が回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症感染拡大前の状況と比較すると、厳しい状況が続いております。

そうした状況下において当社グループでは、2020年度に稼働した新規業務を堅調に推移させており、昨年度から取り組んでおりました既存業務の見直しによる作業効率の改善と自社雇用比率を継続して向上させたことにより、収益率を向上させております。また、既存業務の配送効率向上を図るため、新たに「成田TC」を開設し、南東北TCを3拠点「北上TC」「郡山TC」「仙台TC」に分割・開設しております。さらに、新規業務の受託に伴い、「新潟日配センター」「長岡日配センター」「富山低温センター」「成田低温センター」を開設し、機能拡張のため「郡山TC」を移転しております。福井地区においては業務拡大に対応するため既存の物流拠点を統合する自社センター「福井SCMセンター」を竣工・開設しております。

 

以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、営業収益20,029百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益1,117百万円(前年同期比48.0%増)、経常利益1,207百万円(前年同期比51.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益851百万円(前年同期比80.8%増)となりました。

 

なお、当社グループは「物流事業」を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

② 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は6,617百万円となり、前連結会計年度末に比べ361百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が485百万円減少したことによるものであります。固定資産は7,471百万円となり、前連結会計年度末に比べ847百万円増加いたしました。これは主に福井SCMセンターへの設備投資により建物及び構築物が920百万円増加した一方でリース資産が83百万円減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は、14,088百万円となり、前連結会計年度末に比べ486百万円増加いたしました。 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は5,111百万円となり、前連結会計年度末に比べ105百万円増加いたしました。これは主に営業未払金が243百万円増加した一方で、短期借入金が150百万円減少したことによるものであります。固定負債は4,676百万円となり、前連結会計年度末に比べ407百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が280百万円及びリース債務が91百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、9,787百万円となり、前連結会計年度末に比べ301百万円減少いたしました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は4,300百万円となり、前連結会計年度末に比べ788百万円増加いたしました。これは主に資本金が21百万円、資本剰余金が21百万円及び利益剰余金が738百万円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は29.4%(前連結会計年度末は24.8%)となりました。

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ496百万円減少し、当連結会計年度末には3,782百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,540百万円(前年同期は1,074百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,213百万円、減価償却費570百万円及び、仕入債務の増加額243百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,234百万円(前年同期は65百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,233百万円、無形固定資産の取得による支出18百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は802百万円(前年同期は732百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,312百万円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入43百万円がありましたが、長期借入金の返済による支出1,538百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出321百万円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

b.受注実績

当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

物流事業

19,482

109.1

その他

547

101.7

合計

20,029

108.9

 (注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社クスリのアオキ

4,457

24.2

4,783

23.8

三菱食品株式会社

3,613

19.6

3,657

18.2

株式会社PALTAC

1,838

9.9

1,865

9.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者による会計上の見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、会計上の見積りには不確実性があるため、実際の結果と見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(営業収益)

前連結会計年度末に立ち上げた業務が通年稼働したことや、既存業務の拡大により、堅調に増収しております。また、新規業務受託に伴い、「新潟日配センター」、「長岡日配センター」、「富山低温センター」、「成田低温センター」の4拠点を開設、既存業務の配送効率向上を図るため、「成田TC」、「北上TC」、「仙台TC」、「郡山TC」の4拠点を開設、福井地区の業務拡大に対応するため、「福井SCMセンター」を開設したことにより、新たに9拠点を開設しております。この結果、営業収益は20,029百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。

(営業原価、営業総利益)

新規業務及び新規物流センター竣工による一括経費や燃料費の高騰等で営業原価が増加しましたが、労務管理や配送の効率化を図って営業原価の圧縮を行ったことにより、営業原価は17,771百万円(同7.2%増)となりました。この結果、営業総利益は2,258百万円(同23.8%増)となりました。また、営業総利益率は11.2%(前連結会計年度は9.9%)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

管理スタッフの増員により労務費は増加しましたが、前年から続く新型コロナウイルス感染症の影響から交際費及び旅費交通費、上場時の一括経費等が減少したことにより、販売費及び一般管理費は1,140百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。この結果、営業利益は1,117百万円(同48.0%増)となりました。

(営業外収益・営業外費用及び経常利益)

受取保険金42百万円、助成金収入30百万円、賃貸料10百万円を計上したこと等により営業外収益は125百万円となりました。また、支払利息30百万円を計上したこと等により営業外費用は35百万円となりました。この結果、経常利益は1,207百万円(同51.7%増)となりました。

(特別利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

固定資産売却益6百万円を計上したことにより特別利益は6百万円となりました。法人税等を325百万円、非支配株主に帰属する当期純利益36百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は851百万円(同80.8%増)となりました。

 

また、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の各指標等の達成・進捗状況については、以下のとおりであります。

経営指標

前連結会計年度

(2020年12月31日)

当連結会計年度

(2021年12月31日)

実 績

計 画

実 績

顧客数(社)

22

23

24

拠点数(拠点)

44

45

51

輸送力(台)

1,009

1,010

1,073

(注)1.顧客数は、全国展開を見据えて東京本社を開設し、営業活動を進めた結果、関東エリアでの受注が増加したことにより、2021年12月31日現在24社となりました。なお、顧客数は、年間の営業収益が1億円以上の取引先のみ記載しております。

2.拠点数は、営業活動の結果、新規拠点開設を行った結果、2021年12月31日現在51拠点となりました。

3.輸送力は、新規拠点開設によって自社車両の増加や新たな協力会社が増加した結果、2021年12月31日現在1,073台となりました。なお、総台数における自社車両台数は309台であります。

 

上記のとおり、当連結会計年度においては、順調に進捗しており、当社グループの中長期的な経営戦略は概ね計画どおりに進捗しているものと判断しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの事業活動における資金需要としては、事業運営を円滑に行うための費用や一般管理費等の営業費用として充当される運転資金と物流センター等の事業拠点の新設や車両の入替のために充当される設備資金があります。なお、当社グループの設備投資計画等の内容については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。

また、これらの必要資金の財源については、いずれも原則として内部留保による手元資金の充当及び社債や銀行借入れ等の有利子負債により調達しております。なお、設備資金のための銀行借入については、株式会社三菱UFJ銀行をエージェントとするシンジケートローンを締結しており、当連結会計年度末における借入金実行残高は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 貸借対照表関係」に記載しております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針に関して

経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

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