当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。
なお、当社の事業はDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、長期間にわたって企業活動をはじめとした経済活動が様々な場面で制限を余儀なくされている状態が続いており、収束時期はいまだに不透明な状況にあります。
このような経営環境のもと、当社が事業を展開するデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)市場及びデジタル関連IT&ビジネスコンサルティング市場においては、コロナ禍における新たなライフスタイルの確立や消費活動のオンライン化が加速したことによって、消費者のメディア接点の多様化がよりいっそう進み、これらに対応するためのデジタルシフトをはじめとしたDXへの取り組みが多くの企業において活発なものとなっており、高成長が期待される領域として注目されております。
このような状況の中、当社では前事業年度に引き続き、事業活動のDX推進を図りたい企業のニーズを広く取り込むべく、長年にわたるデジタルコンサルティング等の知見・ノウハウを集約したSaaS型ソフトウェアによるマーケティングツールの提供を軸に、DX領域の課題の分析から施策の設計、DX人材の育成支援、DX施策の実行支援に至るまで広範なDXサービスをワンストップで展開し、受注は順調に推移しております。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高660,569千円(前年同期比24.3%増)、営業利益160,400千円(前年同期比407.6%増)、経常利益149,466千円(前年同期比383.1%増)、当期純利益152,307千円(前年同期比275.3%増)となりました。
(資産)
当事業年度末における資産合計は、843,306千円(前事業年度末518,153千円)となり、前事業年度末に比べ325,152千円の増加となりました。このうち、流動資産は752,633千円(前事業年度末465,571千円)となり、287,061千円の増加となりました。この主な要因は、現金及び預金が276,369千円増加したことなどによるものです。また、固定資産は90,673千円(前事業年度末52,581千円)となり、38,091千円の増加となりました。この主な要因は、非連結子会社の清算手続の結了に伴い関係会社株式が7,038千円減少した一方で、ソフトウエアが26,503千円、繰延税金資産が19,581千円増加したことなどによるものです。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、351,455千円(前事業年度末461,379千円)となり、前事業年度末に比べ109,924千円の減少となりました。このうち、流動負債は205,609千円(前事業年度末259,849千円)となり、54,240千円の減少となりました。この主な要因は、未払法人税等が23,397千円増加した一方で、買掛金が42,909千円減少、短期借入金が26,500千円減少したことなどによるものです。また、固定負債は長期借入金55,684千円の減少により、145,846千円(前事業年度末201,530千円)となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、491,851千円(前事業年度末56,774千円)となり、前事業年度末に比べ435,077千円の増加となりました。この主な要因は、当期純利益の計上によって利益剰余金が152,307千円増加したことや、第三者割当増資及び公募増資による新株式の発行によって資本金及び資本準備金がそれぞれ141,384千円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末比で276,369千円増加し、601,577千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果得られた資金は、102,924千円となりました(前事業年度は53,338千円の収入)。主なキャッシュ・フローの増加要因としては、税引前当期純利益149,778千円によるものです。また、主なキャッシュ・フローの減少要因としては、仕入債務の減少額42,909千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果支出した資金は、16,467千円となりました(前事業年度は2,893千円の収入)。これは主に、関係会社の清算による収入7,350千円があったものの、無形固定資産の取得による支出20,585千円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果得られた資金は、189,174千円となりました(前事業年度は86,906千円の収入)。これは主に、長期借入金の返済による支出87,214千円があったものの、株式の発行による収入282,360千円があったためであります。
当社は、DXの領域における各種サービスを主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。
当社は、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注) 1.当社の事業区分は「DX事業」の単一セグメントであります。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、財務諸表作成時に入手可能な情報及び合理的な基準に基づき判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、以下の重要な会計方針が財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社は繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社は固定資産について、減損の兆候があり、割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する方針です。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
b.売上原価、売上総利益
当事業年度における売上原価は254,789千円(前事業年度比15.0%増)となりました。これは主に、受注案件数の増加に伴いアウトソース活用が増加したことによるものであります。結果として、売上総利益は405,780千円(前事業年度比30.9%増)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当事業年度における販売費及び一般管理費は245,380千円(前事業年度比11.8%減)となりました。
この結果、営業利益は160,400千円(前事業年度比407.6%増)となりました。これは主に、前事業年度に実施したオフィス集約による事業所費用の減少や、前事業年度に新規研究開発の一部が完了したことに伴い研究開発費が減少したことによるものであります。
d.経常利益
当事業年度において営業外収益が1,271千円(前事業年度は営業外収益1,611千円)、営業外費用が12,205千円(前事業年度は営業外費用2,271千円)発生しております。これは主に上場関連費用によるものであります。この結果、経常利益は149,466千円(前事業年度比383.1%増)となりました。
e.当期純利益
当事業年度において特別利益が312千円(前事業年度は未発生)発生しております。これは、非連結子会社の清算手続の結了に伴う子会社清算益によるものであります。また、法人税等合計△2,529千円を計上した結果、当期純利益は152,307千円(前事業年度比275.3%増)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社では、より高い成長性及び収益性を確保する観点から、客観的な経営指標として売上高及び営業利益を重視しております。
当該指標につきましては、第15期事業年度(2020年12月期)は売上高531,528千円、営業利益31,601千円、第16期事業年度(2021年12月期)は売上高660,569千円、営業利益160,400千円となっております。
当社の資金需要が生じるものとしては、人件費、広告宣伝費、地代家賃等の運転資金のほか、事業拡大に伴う採用活動のための採用費やプロダクトの開発費であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は営業活動により得られたキャッシュ・フロー、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
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