業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が促進され、2021年9月には緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が全面解除されたことにより、経済活動や個人消費に回復の兆しが見えたものの、オミクロン株による感染再拡大により、多くの地域でまん延防止等重点措置が適用され、先行きが不透明な状況は依然として継続しております。

 当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた社会的責任の観点から、従業員の時差出勤やテレワークの実施等の対応を取りながら事業活動を行ってまいりました。

 当社グループを取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令等の影響による人の移動制限もあり、賃貸住宅における仲介件数の減少が続いております。当社グループの基盤事業である「新生活ラクっとNAVI」は、一時的に同影響を受けておりますが、一方で、同じく基盤事業である「転勤ラクっとNAVI」におきましては、登録社数、サポート件数、売上高がコロナ禍以前の水準を超え、かつ前年同期比で増加となりました。

 このような状況の下、当社グループは、法人企業等及び不動産事業者向けの移転者サポートサービスである「転勤ラクっとNAVI」及び「新生活ラクっとNAVI」の利用拡大のため、不動産事業者及び法人企業等の新規顧客の獲得を推進しております。また、クラウド賃貸契約サービスにおいては、法人企業等向けの社宅管理サービスである「ワンコイン転貸」に加えて、企業に勤める従業員個人が利用可能な、最大2年間、毎月2,000円の家賃割引が受けられる「ヘヤワリ」についても取り扱いの拡大を図っており、引越事業者向けサービスである引越しプラットフォーム「HAKOPLA(ハコプラ)」においては、引越事業者のコスト削減及び利益率アップに繋がる新サービスメニューの拡充により前年同期比で増収となりました。

 この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,376,765千円(前連結会計年度比11.2%増)、営業利益

359,596千円(前連結会計年度比14.1%増)、経常利益345,990千円(前連結会計年度比8.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は239,008千円(前連結会計年度比6.1%増)となりました。

 なお、当社グループは、移転者サポート事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は2,535,965千円となり、前連結会計年度末に比べ1,104,268千円増加しました。これは主に東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う公募増資及び営業活動による収入により現金及び預金が871,595千円増加したこと、「転勤ラクっとNAVI」における引越しの取り扱いの増加により売掛金が49,643千円、賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い前渡金が175,922千円増加したこと等によるものであります。また、当連結会計年度末における固定資産は515,899千円となり、前連結会計年度末に比べ211,546千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い敷金及び保証金が153,856千円増加したこと等によるものであります。

 この結果、当連結会計年度末における資産合計は3,051,865千円となり、前連結会計年度末に比べ1,315,814千円増加しました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は879,770千円となり、前連結会計年度末に比べ225,200千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い前受金が170,685千円増加したこと等によるものであります。また、当連結会計年度末における固定負債は336,229千円となり、前連結会計年度末に比べ183,262千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い預り敷金及び保証金が100,149千円増加したこと等によるものであります。

 この結果、当連結会計年度末における負債合計は1,216,000千円となり、前連結会計年度末に比べ408,462千円増加しました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は1,835,865千円となり、前連結会計年度末に比べ907,351千円増加しました。これは東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う公募増資等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ334,171千円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が239,008千円増加したことによるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より871,595千円増加し、1,752,511千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は、330,919千円(前連結会計年度は226,512千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益を345,990千円計上したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は、126,219千円(前連結会計年度は23,697千円の減少)となりました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴う預り敷金及び保証金の受入により75,478千円資金が増加した一方で、賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴う敷金及び保証金の差入により121,336千円及び新規システム投資に伴う無形固定資産の取得により57,681千円資金が減少したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果増加した資金は、666,896千円(前連結会計年度は91,682千円の増加)となりました。これは主に東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う公募増資等に伴う株式の発行による収入により668,343千円資金が増加したことによるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

 当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは移転者サポート事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。

 

事業部門の名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額

前年同期比

新生活ラクっとNAVI

1,287,081千円

92.8%

転勤ラクっとNAVI

974,505千円

144.3%

HAKOPLA(ハコプラ)・WEB

115,178千円

156.4%

合計

2,376,765千円

111.2%

(注)「転勤ラクっとNAVI」には、「転勤ラクっとNAVI」のオプションサービスである「ワンコイン転貸」、「ヘヤワリ」が含まれており、「HAKOPLA(ハコプラ)・WEB」には、引越しプラットフォーム「HAKOPLA(ハコプラ)」とWEBサイトで集客する「引越しラクっとNAVI」が含まれております。

 

最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ソフトバンク株式会社

746,159

34.9

733,894

30.9

株式会社NTTぷらら

228,348

10.7

(注)1.当連結会計年度において、株式会社NTTぷららに対する販売実績が総販売実績の100分の10を下回ったため、記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 また、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積もりに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度においては、法人企業等及び不動産事業者向けの移転者サポートサービスの着実な利用拡大に努め、2021年12月期において、「新生活ラクっとNAVI」は新型コロナウイルスの影響によりサポート数は減少したものの、提携社数は61社増加しました。「転勤ラクっとNAVI」においては、登録社数が332社増加、サポート件数は3,331件増加した結果となりました。また、引越事業者向けサービスである引越しプラットフォーム「HAKOPLA(ハコプラ)」においては、SBSロジコム株式会社の物流プラットフォーム「イゴーク」との提携による「一般物流マッチング」、株式会社タイミーのスキマバイトアプリ「タイミー」との提携による「人材マッチング」、株式会社souco(ソウコ)との提携による「倉庫マッチング」が新サービスメニューとして拡充されました。

 当連結会計年度の経営成績等の分析、検討内容は以下のとおりであります。

 

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は、2,376,765千円(前期比11.2%増)となりました。これは主に「新生活ラクっとNAVI」における登録社数が1,054社(同61社増)と増加する一方、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により1社当たりサポート件数が減少した結果、主要サービスのサポート件数が276,998件(同2.6%減)と微減となっており、「転勤ラクっとNAVI」における登録社数は2,532社(同332社増)、主要サービスのサポート件数が29,928件(同12.5%増)と増加していることに加えて、引越しにつきましては、サポート内容の見直しによって成約率及び手数料単価が向上しており、でんき及びガスにつきましては、主に既存取引先における取り扱いの開始が増加したことによって、サポート件数及び成約数の増加による手数料単価が向上したことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度における売上原価は、前期比2.5%減の326,597千円となりました。その主な内訳は、「新生活ラクっとNAVI」における不動産事業者のサービス依頼者に対するサービス利用者の依頼又は成約に応じた紹介手数料等が264,322千円(前期比7.6%減)、「転勤ラクっとNAVI」における販売代理店に対する外注費等が54,192千円(同13.7%増)、その他原価が8,081千円(同495.3%増)であります。

 以上の結果、売上総利益は2,050,168千円(同13.8%増)となり、売上総利益率は86.3%となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,690,571千円(前期比13.7%増)となり、前連結会計年度に比べ204,110千円増加しました。これは主に、事業拡大に対応する人員の増加及び内部管理体制強化に対応する社員の増加に伴う人件費に加えて、新規顧客及びサポート件数獲得のための販売促進費が増加したことによるものであります。

 以上の結果、営業利益は359,596千円(同14.1%増)となり、営業利益率は15.1%となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は、5,112千円となりました。これは主に消費税等差額が5,077千円あったこと等によるものであります。また、営業外費用は18,717千円となりました。これは東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う上場関連費用が18,242千円あったことによるものであります。

 以上の結果、経常利益は345,990千円(前期比8.7%増)となり、経常利益率は14.6%となりました。

 

(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における特別利益及び特別損失の発生はありませんでした。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は106,982千円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は239,008千円(前期比6.1%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループにおける主な資金需要は、事業規模の拡大に係る人件費、システム開発費用、賃貸物件転貸サービスにおける敷金及び保証金の差し入れとなります。事業活動に必要な資金は、自己資金又は金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。なお、本書提出日現在において当社グループは、無借金であり、事業活動に必要な資金は自己資金で確保できているため、健全な財政体制であると判断しております。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑥経営者の問題認識と今後の方針について

 当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めて参ります。

 

 

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