業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

(a) 全社業績

当事業年度におけるわが国経済は、依然として新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による国内外経済に対する影響が続いており、景気の先行きは極めて不透明な状況が続いております。

外食業界におきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言解除後は、営業時間の通常化に加え、GoToキャンペーンなどの政策の後押しもあり緩やかな回復基調であったものの、新型コロナウイルス感染拡大の第3波への懸念による最大繁忙期の忘年会シーズンへの影響に加え、一都三県を中心に二度目の緊急事態宣言が発出され、その宣言解除後においても感染拡大の懸念から政府・各自治体から飲食店へ時短要請が出され、足元では東京都など六都府県で三度目の緊急事態宣言が発出されたほか、まん延防止等重点措置の適用対象地区が拡大されるなど、依然として厳しい状況が続いております。

このような状況の中、当社は、『あらゆる人の幸せに関わる日本一のおもてなし集団』というグループミッションのもと、より多くのお客様におもてなしによって感動を提供する為に、優秀な人材の確保及びサービス力向上に注力するとともに、各自治体の要請等に従い臨時休業や、営業時間の短縮等の措置を実施し、営業再開後も営業前の従業員の検温、従業員のマスク着用、アルコール消毒液の設置、手や指の殺菌及び入口や窓の開放・換気設備による店内換気等の新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じながら営業を行ってまいりました。

以上の結果、当事業年度における売上高は3,426,383千円(前年同期比57.1%減)、営業損失は1,115,529千円(前年同期は営業利益167,522千円)、経常損失は1,131,639千円(前年同期は経常利益129,193千円)、当期純損失は949,780千円(前年同期は当期純損失122,218千円)となりました。

また、当事業年度における資産は4,264,287千円(前事業年度末比25.7%増)、負債3,910,540千円(前事業年度末比68.4%増)、純資産353,747千円(前事業年度末比66.9%減)となりました。

 

(b) セグメント業績

飲食事業においては、都内を中心に主力業態の新規出店、サービス力向上及び店舗オペレーションの改善、自社アプリ会員の獲得によるリピーター客数の増加に継続して注力してまいりました。新規出店に関しては、都内ドミナントエリアへの出店(屋台屋博多劇場北千住店、屋台屋博多劇場歌舞伎町店、大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん八王子店、大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん町田店、大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん浅草橋店)の他、千葉県ドミナントエリアへの出店(大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん船橋店、大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん木更津店)、「ガレージダイニングプロジェクト」の2号店目となる出店(屋台屋博多劇場千葉ニュータウン店)、大衆ジンギスカン酒場ラムちゃんの初の神奈川県への出店(大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん本厚木店)に加え、新型コロナウイルス感染拡大影響後のリモートワーク需要に対応した新業態の出店(Remo Cafe本八幡店、Remo Cafeおおたかの森店)により、直営店11店舗を出店したほか、既存店のこだわりもん一家神保町店を屋台屋博多劇場へ、爆辛スパゲティ専門店青とうがらし新宿西口店を、こだわりもん一家業態のネクストモデルとしての新業態となる「おでんトさかな にのや」へ業態変更いたしました。一方、不採算店舗10店舗を退店し、直営店は合計で69店舗となりました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により4月4日より飲食事業全店舗において臨時休業の措置を実施しており、5月15日以降の段階的な営業再開後は緩やかな回復基調ではあったものの、それ以前に実施した臨時休業が大きく影響しました。また、年末は新型コロナウイルス感染拡大の第3波への懸念から、忘年会需要が大幅に減少し、加えて、一都三県を中心に再度の緊急事態宣言が発出されました。3月の緊急事態宣言解除後においても感染拡大の懸念から政府・各自治体からの飲食店へ時短要請が出されたことなどが影響し、既存店(屋台屋博多劇場業態・こだわりもん一家業態)客数は前年比60.7%減となり、既存店客単価は前年比0.1%増で推移したことにより、既存店売上高は前年比60.7%減となりました。

以上の結果、売上高は2,812,753千円(前事業年度比51.7%減)、セグメント損失(営業損失)は710,292千円(前事業年度はセグメント利益(営業利益)121,813千円)となりました。

ブライダル事業においては、近年、結婚式のニーズの多様化により少人数婚のニーズが高まり、婚礼1組当たりの組人数が減少傾向にある中、婚礼の主力広告媒体との連携強化による来館数・成約率の向上、サービス力向上及びコスト削減、宴席の新規案件の取り込み及びリピート客数の増加、レストランのサービス力、商品力の向上及び新規客数の増加にも継続して注力するとともに、SNSのLIVE配信を利用したリモート会場案内、オンライン結婚式オプションや家族婚・挙式のみプランの販売、3密を回避した婚礼料理コースの開発など、コロナ禍における様々なニーズに対応した取り組みを強化してまいりました。ブライダル事業におきましても、飲食事業同様に新型コロナウイルス感染拡大の影響により、4月10日より5月26日まで臨時休業の措置を実施し、5月27日の営業再開後は様々な取り組みを行ってまいりましたが、結婚式及び宴席の延期やキャンセルが相次ぎ、施行件数が大幅に減少いたしました

以上の結果、売上高は613,630千円(前年同期比71.6%減)、セグメント損失(営業損失)は405,236千円(前年同期はセグメント利益(営業利益)45,708千円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は542,661千円となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,412,973千円の支出(前事業年度は244,973千円の収入)となりました。

これは、税引前当期純損失が1,356,472千円となったこと、減価償却費250,346千円及び減損損失153,820千円の計上、助成金収入510,494千円などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは620,154千円の支出(前事業年度は688,322千円の支出)となりました。
 これは、有形固定資産の取得による支出537,139千円、差入保証金の差入による支出109,200千円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは1,966,037千円の収入(前事業年度は278,035千円の収入)となりました。
 これは、長期借入れによる収入2,400,000千円、株式の発行による収入227,794千円などが、長期借入金の返済による支出666,568千円などによる資金の減少を上回ったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(a) 仕入実績

当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて、「仕入実績」を記載いたします。

 

当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高

前年同期比(%)

飲食事業(千円)

876,010

50.9

ブライダル事業(千円)

258,011

28.0

合計

1,134,022

42.9

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は、仕入価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(b) 受注実績

当社で行う飲食事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

なお、当事業年度におけるブライダル事業の受注実績は、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ブライダル事業

800,238

54.0

1,212,814

107.6

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   2.上記の金額は、ブライダル事業における婚礼の受注実績のみを記載しております。

 

(c) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高

前年同期比(%)

飲食事業(千円)

2,812,753

48.3

ブライダル事業(千円)

613,630

28.4

合計

3,426,383

42.9

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

 ① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当事業年度の経営成績は、「経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、その主な要因は次のとおりです。

当事業年度において、当社は、『あらゆる人の幸せに関わる日本一のおもてなし集団』というグループミッションのもと、より多くのお客様におもてなしによって感動を提供する為に、優秀な人材の確保及びサービス力向上に注力するとともに、各自治体の要請等に従い臨時休業や、営業時間の短縮等の措置を実施し、営業再開後も営業前の従業員の検温、従業員のマスク着用、アルコール消毒液の設置、手や指の殺菌及び入口や窓の開放・換気設備による店内換気等の新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じながら営業を行ってまいりました。

飲食事業においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により4月4日より飲食事業全店舗において臨時休業の措置を実施しており、5月15日以降の段階的な営業再開後は緩やかな回復基調ではあったものの、それ以前に実施した臨時休業が大きく影響しました。また、年末にかけては新型コロナウイルス感染拡大の第3波への懸念から、忘年会需要が大幅に減少し、加えて、一都三県を中心に再度の緊急事態宣言が発出されました。3月の緊急事態宣言解除後においても感染拡大の懸念から政府・各自治体からの飲食店へ時短要請が出されたことなどが影響しました。また、新規店舗については、前事業年度14店舗に対し、当事業年度は11店舗を開店いたしました。

ブライダル事業におきましても、飲食事業同様に新型コロナウイルス感染拡大の影響により、4月10日より5月26日まで臨時休業の措置を実施し、5月27日の営業再開後は様々な取り組みを行ってまいりましたが、結婚式及び宴席の延期やキャンセルが相次ぎ、様々な取り組みを行ったにも関わらず、施行件数が大幅に減少いたしました

その結果、売上高は3,426,383千円(前事業年度比57.1%減)、売上総利益は2,286,747千円(前事業年度比57.3%減)となりました。

販売費及び一般管理費については、人件費1,301,971千円(前事業年度比36.0%減)、地代家賃676,148千円(前事業年度比18.9%減)などにより3,402,276千円(前事業年度比34.4%減)となりました。以上の結果、営業損失は1,115,529千円(前事業年は営業利益167,522千円)となりました。

また、受取利息及び受取手数料などの営業外収益を3,311千円、支払利息などの営業外費用を19,421千円計上した結果、経常損失は1,131,639千円(前事業年度は経常利益129,193千円)となり、助成金収入などの特別利益を518,777千円、店舗臨時休業等よる損失及び減損損失などの特別損失743,611千円及び法人税等の還付406,692千円を計上した結果、当期純損失は949,780千円(前事業年度は当期純損失122,218千円)となりました。

 

 ② 財政状態の分析

(総資産)

当事業年度末における総資産は、現金及び預金が61,085千円減少したものの、助成金等の申請に伴い未収入金が323,338千円、新規店舗のオープンに伴い有形固定資産が161,102千円、繰延税金資産の増加等により投資その他の資産が441,639千円増加したことなどにより、4,264,287千円(前事業年度比872,394千円の増加)となりました。

 

(負債)

当事業年度末における負債は、買掛金が89,387千円、未払金が77,602千円減少したものの、1年内返済予定の長期借入金が341,324千円、長期借入金が1,392,108千円増加したことなどにより、3,910,540千円(前事業年度比1,587,690千円の増加)となりました。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は、新株の発行に伴い資本金が114,319千円、資本準備金が114,319千円増加したものの、当期純損失の計上に伴い利益剰余金が949,780千円減少したことなどにより、353,747千円(前事業年度比715,295千円の減少)となりました。

 

 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は542,661千円(前事業年度末比11.0%減)となりました。

当社の所要資金は、主に新規出店に伴う保証金の支払と店舗造作等の有形固定資産の取得のための資金であります。これは、銀行借入により調達しております。また、経常の運転資金は主に自己資本、第三者割当増資及び銀行借入などにより賄っております。

なお、詳細は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々な要因の変化の影響を受ける可能性があります。時流を見つつ顧客ニーズに対応していくと共に、新規出店の選別を厳しくして、他の外食企業との差別化を図り、お客様満足度の向上に努め、持続的な成長の維持と収益基盤の強化を図ってまいります。

 

 ⑤ 経営戦略の現状と見通し

外食業界自体の縮小と業界内の競争が激化する中、対策を講じる必要があると認識しております。お客様のニーズの変化を把握し、来店動機を増大させております。また商品・サービスの品質をブラッシュアップしていくとともに、新規出店を加速することで、当社への認知度を上げ更なる成長を図ってまいります。

 

 ⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

外食業界を取り巻く環境は、人口減少や競争激化等により、厳しい状況にあります。その中で、いかにお客様のニーズを把握し、満足度を向上させること、また、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた市場の変化を捉えていくことが重要であると認識しております。今後におきましては、継続的な人材採用や教育の強化、新規業態の開発、お客様満足の追及を目的とした営業力強化等により更なる企業価値の向上を目指してまいります。

 

 

 ⑦ 経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、経常利益を重要な経営指標として位置付けております。

当事業年度における経常損失は1,131,639千円となり、前事業年度における経常利益129,193千円に比べ、1,260,832千円の減益となりました。引き続き当該指標の改善に邁進していく所存であります。

 

 ⑧ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

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