(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響等から持ち直しの動きがみられたものの、依然として厳しい状況が続きました。輸出や生産は足踏み状態であり、企業の設備投資は横這い傾向にありました。個人消費についてはようやく上向きましたが、原材料やガソリン価格の高騰により鈍化しました。さらに、米国の金融引き締めやロシアのウクライナ侵攻を契機に、先行きが不透明な状況は一層高まっております。
物流業界の貨物取扱いにおいては、国内貨物は年間を通じて残高は低調に推移し、荷動きは一部に回復の兆しが見られたものの低調に推移しました。一方、輸出貨物は主に中国向け化学工業品、米国向け自動車部品等が増加し、輸入貨物は豪州からの鉄鉱石、中国からの電気機械等が増加しました。
このような事業環境の中、当社グループは、①運送体制と流通拠点の強化による3PL物流の推進、②海外拠点の拡充を含めたグローバルな業務の強化、③不動産賃貸料等の安定収入の拡大を進めてまいりました。
この結果、営業収益は前年同期と比べ706百万円(2.6%)増加し、28,366百万円となりました。
営業利益は前年同期と比べ306百万円(29.0%)増加し、1,364百万円となりました。
経常利益は前年同期と比べ356百万円(20.4%)増加し、2,105百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期と比べ255百万円(21.5%)増加し、1,443百万円となりました。
資産は前連結会計年度末と比べ355百万円(0.8%)増加し、43,248百万円となりました。
負債は前連結会計年度末と比べ666百万円(△3.1%)減少し、21,074百万円となりました。
純資産は前連結会計年度末と比べ1,022百万円(4.8%)増加し、22,173百万円となりました。
当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、前年同期比較等は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。
なお、この変更が当連結会計年度の財政状態及び経営成績に与える影響は軽微であります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<物流事業>
倉庫事業は、建材及び非鉄金属の取扱・残高は増加しましたが、紙パルプ及び金属製品は低調に推移しました。陸上運送業務は、年度を通じて堅調に推移しました。配送センター業務は、巣ごもり需要が一巡したものの、取扱いは高水準で推移しました。
港湾運送事業は、沿岸荷役を中心に年度を通じて堅調に推移しました。また、国際輸送業務は、きめ細かい営業展開により航空貨物の取扱いが増加し堅調に推移しました。
<不動産事業>
不動産事業は、請負工事の受注が減少したものの、時間貸駐車場は年度を通じて高い稼働率を維持しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、長期借入金の返済による支出が増加したものの、税金等調整前当期純利益が増加したこと、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等により、7,668百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,232百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,829百万円の収入となり、前年同期と比べ250百万円の収入減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、816百万円の支出となり、前年同期と比べ326百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、783百万円の支出(前年同期は237百万円の収入)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度におけるセグメント毎の営業収益内訳及び主要業務の取扱高等を示すと、次のとおりであります。
(1)セグメント毎の営業収益内訳 (単位:千円)
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
物流事業 |
27,803,336 |
102.6 |
(倉庫業収益) |
(6,543,042) |
98.5 |
(港湾運送業収益) |
(3,683,855) |
115.4 |
(陸上運送業収益) |
(10,777,259) |
102.0 |
(その他の収益) |
(6,799,179) |
101.6 |
不動産事業 |
563,572 |
98.8 |
計 |
28,366,909 |
102.6 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の営業収益実績及び当該営業収益実績の総営業収益実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
ユニリーバ・ジャパン株式会社 |
3,431,649 |
12.4 |
3,223,348 |
11.4 |
(2)保管貨物期中平均月末残高
物流事業
期間 |
数量(千トン) |
前年同期比(%) |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
204 |
100.3 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
205 |
100.5 |
(3)倉庫貨物取扱高推移表
物流事業 (単位:千トン)
区分 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
入庫高 |
1,271 |
1,285 |
出庫高 |
1,273 |
1,280 |
取扱高合計 |
2,545 |
2,565 |
(4)期中平均月間回転率
物流事業
期間 |
回転率 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
52.0% |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
52.1% |
回転率= |
(入庫数量+出庫数量)/2/12 |
×100 |
平均残高 |
(5)港湾貨物取扱高推移表
物流事業 (単位:千トン)
区分 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
取扱高合計 |
1,145 |
1,341 |
(6)陸上運送取扱高推移表
物流事業 (単位:千トン)
区分 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
取扱高合計 |
2,402 |
2,580 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度と比べ706百万円(2.6%)増加し、28,366百万円となりました。主な要因は、荷役料、陸上運送料、海上運送料の増加によるものであります。
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ306百万円(29.0%)増加し、1,364百万円となりました。
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ356百万円(20.4%)増加し、2,105百万円となりました。主な要因は、持分法による投資利益の増加によるものであります。
特別利益は、固定資産売却益等により、16百万円となりました。特別損失は、固定資産除売却損等により、69百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ255百万円(21.5%)増加し、1,443百万円となりました。なお、新型コロナウイルス感染症に係る経営成績への影響は限定的でありました。
近年、当社グループは、「八ヶ岳型」の経営戦略を掲げ、異なる事業領域での同時成長を図ることを目標としながら、業容の拡大と経営体質の強化に努めております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上に努め、営業収益の拡大を図るとともに、収益性及び経営効率の観点から、「売上高経常利益率5%」、「自己資本利益率5%」を目標値として設定しております。
この結果、売上高経常利益率は1.1ポイント増加し、7.4%となり、自己資本利益率は0.9ポイント増加し、6.7%となりました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
<物流事業>
物流事業におきましては、保管料が減少したものの、荷役料、陸上運送料、海上運送料がそれぞれ増加したこと等により、営業収益は前年同期と比べ712百万円(2.6%)増加し、27,803百万円となりました。売上高経常利益率は前年同期と比べ1.1ポイント増加し7.5%となり、目標とする経営指標を上回りました。
<不動産事業>
不動産事業におきましては、賃貸料が増加したものの、請負工事が減少したこと等により、営業収益は前年同期と比べ6百万円(△1.2%)減少し、565百万円となりました。一方、売上高経常利益率は前年同期と比べ2.1ポイント増加し45.6%となり、目標とする経営指標を大きく上回りました。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比べ1,181百万円増加(9.2%)し、14,087百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が増加したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比べ825百万円減少(△2.8%)し、29,160百万円となりました。主な要因は、有形固定資産、投資有価証券、リース債権及びリース投資資産がそれぞれ減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比べ924百万円減少(△11.7%)し、6,954百万円となりました。主な要因は、短期借入金が減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比べ257百万円増加(1.9%)し、14,120百万円となりました。主な要因は、退職給付に係る負債、長期リース債務、繰延税金負債がそれぞれ減少したものの、長期借入金が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べ1,022百万円増加(4.8%)し、22,173百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が減少したものの、利益剰余金、退職給付に係る調整累計額がそれぞれ増加したことによるものであります。
当社グループは、持続的成長へ向け、積極的な設備投資を実施する方針であります。同時に、有利子負債残高、金利水準等に留意しながら安定的な財政状態を維持するよう努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、長期借入金の返済による支出が増加したものの、税金等調整前当期純利益が増加したこと等により、7,668百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,232百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,829百万円の収入となり、前年同期と比べ250百万円の収入減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、816百万円の支出となり、前年同期と比べ326百万円の支出減少となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が257百万円減少したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、783百万円の支出(前年同期は237百万円の収入)となりました。主な要因は、長期借入の返済による支出が881百万円増加したことによるものであります。
当社グループは、引き続き営業収益の拡大により、営業活動によるキャッシュ・フローの増加を目指す方針であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備投資資金等の資金需要に対して必要な資金を確保するため、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本とし、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入れにより安定的かつ低コストにより調達することを基本として資金の流動性の確保に努めております。
なお、提出日時点においては、重要な資本的支出の予定はありませんが、既存設備等に対する維持・更新に係る資本的支出を予定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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