なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、その活動が制限されております。またウクライナ情勢等の影響から資源価格の上昇等さまざまなコスト増加の懸念があるため、依然として先行きは不透明な状態であります。
物流業界では、ドライバー有効求人倍率は高水準を維持しており、長年の課題となっているドライバー不足解消には至っておりません。また、燃料価格の上昇が続いたこともあり、厳しい経営環境で推移いたしました。不動産業界では、首都圏大型物流施設の空室率は低水準を維持しております。また、横ばいが続いていた賃料はわずかながら上昇いたしました。印刷業界の婚礼分野では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で婚礼延期やキャンセル等が続いております。年賀分野と新聞分野では、年賀葉書の発行枚数ならびに新聞の発行部数の減少傾向が続いているため、依然として厳しい状況となっております。
このような経営環境に対応すべく、当社グループは、原点である経営理念の「顧客に対する最高のサービス」、「適正利潤の追求」、「眞に働きがいのある会社」に立ち返り、取組みを行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は41,526百万円(前年同期比7.1%増)、営業利益は1,983百万円(前年同期比207.5%増)、経常利益は2,160百万円(前年同期比122.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,263百万円(前年同期比755.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
当事業のうち、倉庫部門につきましては、売上高は1,852百万円(前年同期比10.1%増)となりました。これは主に、オリンピック商材案件等の獲得や保管取扱量が増加したことによるものであります。
港湾フォワーディング部門につきましては、売上高は6,713百万円(前年同期比16.2%増)となりました。これは主に建設機械等の輸出取扱量ならびに製鉄関連作業量が増加したことによるものであります。
運輸部門につきましては、売上高は13,148百万円(前年同期比16.7%増)となりました。これは主に建設機械ならびに鋼材関連の輸送取扱量が増加したことによるものであります。
3PL(サードパーティーロジスティクス)部門につきましては、売上高は918百万円(前年同期比22.9%減)となりました。これは主に、業務範囲の変更によるものであります。
この結果、当事業の売上高は22,633百万円(前年同期比13.6%増)、セグメント利益は1,983百万円(前年同期比25.3%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高が4百万円減少しており、セグメント利益も4百万円減少しております。
当事業につきましては、前年同期並みに推移し売上高は3,538百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は1,679百万円(前年同期比3.0%増)となりました。
当事業につきましては、新聞分野は業界紙等を中心に受託数が増加しましたが、他方、婚礼分野は受注件数が復調傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大以前の水準には達しておりません。また、年賀分野は年賀葉書の総発行枚数が減少傾向にある中、その受注件数も漸減しております。これらにより売上高は16,180百万円(前年同期比0.4%減)、セグメント利益は固定費等の削減により142百万円(前年同期はセグメント損失798百万円)となりました。
当事業につきましては、建設工事関連の工事量増加等により、売上高は863百万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は191百万円(前年同期比60.2%増)となりました。
生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。
該当事項はありません。
受注実績の金額を算出できないため「(1) 経営成績」に記載しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の内容につきましては変更ありません。
当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ760百万円減少し、46,664百万円となりました。これは主に、電子記録債権が1,047百万円、繰延税金資産が121百万円増加した一方、現金及び預金が160百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が569百万円、原材料及び貯蔵品が142百万円、減価償却等により有形固定資産が1,009百万円減少したことによるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,823百万円減少し、28,500百万円となりました。これは主に、支払方法の変更により電子記録債務が638百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が174百万円、短期借入金が417百万円、未払法人税等が117百万円、流動負債のその他に含まれる未払金が289百万円、未払消費税等が309百万円、長期借入金が1,283百万円減少したことによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,063百万円増加し、18,164百万円となり、自己資本比率は38.7%となりました。これは主に、利益剰余金が1,088百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ160百万円減少し、6,698百万円(前年同期比2.3%減)となりました。これは、運転資金および設備投資等に鑑みた資金計画に基づく長期借入れによる収入が4,058百万円あり、加えて税金等調整前当期純利益が2,000百万円あったこと、さらに売上債権、棚卸資産および仕入債務により構成される運転資本が153百万円改善したこと等があったものの、車両、荷役機械の更新等に伴う有形固定資産の取得による支出が766百万円あったこと、また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に鑑みた財務体質の改善を目的として、通常の営業サイクルにおいて得られた資金を活用する等長期借入金の返済による支出が5,759百万円あったこと等によるものであります。
なお、各キャッシュフローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によって得られた資金は、2,555百万円(前年同期比12.2%減)となりました。
この主な要因は、税金等調整前当期純利益2,000百万円、減価償却費1,618百万円、支払利息116百万円、固定資産売却損152百万円、売上債権の増加額467百万円、棚卸資産の減少額155百万円、仕入債務の増加額464百万円、未払消費税等の減少額309百万円、法人税等の支払額932百万円、利息の支払額118百万円等によるものであります。
投資活動によって使用した資金は、826百万円(前年同期は使用した資金1,539百万円)となりました。
この主な要因は、車両、荷役機械等の更新等に伴う有形固定資産の取得による支出766百万円、システム改修や業務改善を目的とした無形固定資産の取得による支出164百万円等によるものであります。
財務活動によって使用した資金は、1,897百万円(前年同期は得られた資金25百万円)となりました。
この主な要因は、運転資金および設備投資等に鑑みた資金計画に基づく長期借入れによる収入4,058百万円、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けるも、通常の営業サイクルにおいて得られた資金を活用する等した長期借入金の返済による支出5,759百万円、配当金の支払額170百万円等によるものであります。
当社グループの資本の財源については、営業キャッシュフローで得た資金や金融機関からの借入金によるものであります。資金の流動性については、運転資金と設備投資が主な資金需要であります。
当社は財務体質の強化を踏まえ、有利子負債の圧縮を行い、安定的かつ継続的な配当を行うことを基本方針としております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況1(1) 連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
①繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得見込額が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに基づき算出しているため、その見積りの前提条件に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産の減額により業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
②固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
固定資産の回収可能価額については、割引前将来キャッシュ・フロー、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、その前提条件に変更が生じ減少した場合、減損処理の実施により業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
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