業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染者数が増減を繰り返すなど、社会経済活動には依然として厳しい状況が継続しましたが、ワクチン接種の促進や感染予防対策の効果により景気は一部持ち直しの気配を見せました。先行きにつきましては、感染再拡大への懸念やインフレ圧力に加えウクライナ情勢の深刻化など、引き続き先行き不透明な状況が続いています。

一方、当社グループの主力である情報サービス事業のITサービス市場においては、ウィズ/アフターコロナ社会への対応やニューノーマル下での競争優位性を確保するため、デジタル技術を駆使したビジネスプロセスや業務プロセスの変革といったデジタルトランスフォーメーション(DX)への期待が社会や企業において高まっており、事業環境は堅調な状況が続いております。

このような事業環境の中、当社グループの情報サービス事業においては、「徹底した現場力の向上による収益構造の変革」という中期経営ビジョンを推進し収益性を着実に改善させるとともに、サステナビリティを重要な経営課題と認識し、新たな成長に向けマーケティング部門の新設や新技術の調査・研究チームの立上げによる事業拡大と先進的な技術知識習得の推進、新卒採用を中心とした人財の確保と各種教育研修プログラムによる人財力の強化、及び社内DX推進による経営基盤の整備を進めてまいりました。また、2021年9月にビジネス・デザイン・コンサルティング株式会社を子会社化し、人事・給与・就業管理並びにタレントマネジメント領域において業務プロセスコンサルティングからシステムの設定・導入までの質の高いサービスを提供できるよう、企業価値向上に取り組んでおります。

物流事業においては、エッセンシャルワーカーによって成り立つ事業であることから、新型コロナウイルス感染防止対策に最大限注力しつつ、物流作業の基本である「安全・安心」を具体的に実現・継続させていくことに集中し、収益力の強化をはかりました。

このような状況のもと、当社グループの売上高は144億58百万円前年比0.8%増)、売上総利益は27億64百万円(前年比7.2%増)、過去最高益(売上総利益率19.1%)を確保し、営業利益は3億66百万円前年比19.8%増)、経常利益は4億5百万円前年比23.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億75百万円前年比28.9%増)となりました。

 

a.情報サービス事業

売上高は、ソフトウエア受託開発から人事・給与・就業・会計等の業務を中心としたパッケージソリューションサービスへのビジネスモデルの転換を推進し、増収となりました。

以上の結果、売上高は113億46百万円前年比0.8%増)となりました。

セグメント利益は、ソフトウエア受託開発において生産性向上や高付加価値化による収益性改善が図れたこと、パッケージソリューションサービスでの受注時利益率改善や事業シフトによる増収効果により、情報サービス事業は大幅な増益となりました。

以上の結果、セグメント利益は13億44百万円前年比9.4%増)となりました。

 

b.物流事業

売上高は、倉庫事業において、外食産業関連の貨物取扱量が復調傾向にあり、増収となりました。港運事業においては、新規荷主の獲得及び貨物保管が好調であり、増収となりました。陸運事業においては、都内コンビニエンスストア等の中食産業向けの配送等が減少し減収となりました。

以上の結果、売上高は31億12百万円前年比0.6%増)となりました。

セグメント利益は、倉庫事業において、値上げによる賃借料の増加に加えて、海上コンテナ遅延による荷役作業の停滞等により減益となりました。港運事業においては、作業料金改定や荷役機器による作業効率化、コスト管理を徹底した結果、増益となりました。陸運事業においては、想定以上の原油価格高騰の影響で燃料費等が上昇した影響を受け、減益となりました。

以上の結果、セグメント利益は4億86百万円前年比3.0%減)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億15百万円増加し、当連結会計年度末には11億59百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は10億8百万円(前連結会計年度における同資金は9億2百万円)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益4億11百万円減価償却費5億89百万円、売上債権の減少1億56百万円、棚卸資産の減少15百万円、仕入債務の減少1億7百万円、法人税等の支払1億49百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1億18百万円(前連結会計年度における同資金は3億17百万円)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出1億15百万円無形固定資産の取得による支出89百万円投資有価証券の売却による収入1億円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は7億75百万円(前連結会計年度における同資金は8億71百万円)となりました。

これは主に、短期借入金の純減額6億50百万円長期借入れによる収入12億円長期借入金の返済による支出10億14百万円社債の償還による支出48百万円リース債務の返済による支出1億89百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループの事業内容は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における情報サービス事業の受注実績を示すと、次のとおりであります。

情報サービス事業を除く事業については、受注生産を行っておりません。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

情報サービス事業

12,074

+10.7

2,330

45.4

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

情報サービス事業

11,346

+0.8

物流事業

3,112

+0.6

合計

14,458

+0.8

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態並びに経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの連結会計年度の経営成績は、情報サービス事業において、ソフトウエア受託開発から人事・給与・就業・会計等の業務を中心としたパッケージソリューションへのビジネスモデルの転換を推進したことに加え、物流事業において、外食関連の貨物取扱量が復調傾向にあり、新規荷主の獲得及び貨物保管が好調であり144億58百万円(前年比0.8%増)となりました。

また、売上全体に占める売上構成比率は、情報サービス事業が78%、物流事業が22%となっております。

営業利益、経常利益は、当社グループの情報サービス事業において、徹底した現場力の向上による収益構造の変革を継続し、ソフトウエア受託開発において生産性向上や高付加価値化による収益性改善が図れたことに加え、パッケージソリューションサービスにおいて受注利益率改善や事業シフトによる増収効果があり、結果、営業利益は3億66百万円(前年比19.8%増)、経常利益は4億5百万円(前年比23.6%増)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等が減少したことにより、 2億75百万円(前年比28.9%増)となりました。

なお、事業別の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態の分析

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて34百万円減少し、37億19百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加1億15百万円と受取手形及び売掛金の減少1億28百万円、仕掛品の減少14百万円によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1億70百万円減少し、62億45百万円となりました。これは主として、建物及び構築物の減少1億64百万円と機械装置及び運搬具の減少39百万円、のれんの増加31百万円によるものであります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2億5百万円減少し、99億64百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて9億89百万円減少し、31億59百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金の減少1億1百万円、短期借入金の減少6億50百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少3億48百万円によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて5億87百万円増加し、40億12百万円となりました。これは主として、社債の減少48百万円、長期借入金の増加5億60百万円とリース債務の増加50百万円によるものであります。

 

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1億97百万円増加し、27億92百万円となりました。これは主として、利益剰余金の増加2億1百万円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
 (キャッシュ・フローの状況の分析)

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 (資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの財務戦略として、情報サービス事業の収益性向上と有利子負債の削減による財務構造の健全化を進めております。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当該戦略のもと、主に事業運転資金としての短期的な資金需要については、内部資金と短期借入金で調達し、安定的な事業運転資金や長期的な設備投資に対しては、主に長期借入金で調達しております。

借入金による調達においては、金融機関との良好な関係を保ちながら、充分な流動性を確保しております。今後は、企業価値の向上に向け、資本効率を意識した事業運営を推進してまいります。

また、株主の皆様に対する継続的な利益還元を最も重要な経営課題ととらえ、安定的な配当を行うことを基本としつつ、財務体質の強化及び今後の事業展開を勘案した上で業績に対応した配当を行うことを基本方針としております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

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