(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況が徐々に緩和されつつあり、個人消費などは弱いながらも持ち直しの動きが見られました。
食品物流業界におきましては、生活様式の変化による影響が続きました。内食需要は堅調である一方、外食需要は新型コロナウイルスの感染拡大にともない、緊急事態宣言が繰り返し発令されるなど、需要回復は不透明な状況が継続しましたが、持ち直しの動きも見られました。
このような状況のなか、当社グループは、「持続的成長への挑戦」をテーマに掲げ、「新領域の創出による成長」「機能の強化と拡充」「選ばれる企業価値の創造」の3つを基本方針とした、中期経営計画(2019年度から2021年度)を推進いたしました。
中期経営計画の最終年度となる2021年度は、「徹底力を生かし生産性向上をめざす年」として、収益力の強化とオペレーションのシンプル化を図るとともに、働き方改革の推進、海外事業体制の確立に取り組みました。また、十分な感染防止対策を施し、従業員の安全を確保した上で、社会的役割である食の供給を継続いたしました。
営業収益は、国内における外食需要に関連する業務用食品の出荷物量減少などがありましたが、インドネシアのKIAT ANANDA GROUP4社が連結範囲に加わったことなどにより、前年を上回りました。営業利益は、増収による利益増加に加え、コスト改善や適正料金の収受などが進捗し、前年を上回りました。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきまして、営業収益は1,759億67百万円(前期比2.8%増)、営業利益は36億38百万円(同39.9%増)、経常利益は33億6百万円(同26.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億61百万円(同31.4%増)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおり、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しておりますので、下記の前期比につきましては、前期の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えた数値との比較となっております。
(共同物流事業)
共同物流事業収益は、菓子や食品メーカーなどの新規取引、既存取引が拡大しましたが、外食需要に関連する業務用食品の出荷物量減少などにより、減収となりました。利益面は、減収による利益減少がありましたが、コスト改善や適正料金の収受などが進捗し、前年を上回りました。
この結果、共同物流事業収益は1,262億57百万円(前期比1.3%減)となり、営業利益は15億91百万円(同85.4%増)となりました。
(専用物流事業)
専用物流事業収益は、チェーンストアなどの新規取引や既存取引が拡大しましたが、コンビニエンスストアの出荷物量減少などにより、減収となりました。利益面は、労務費などの費用増加により、前年を下回りました。
この結果、専用物流事業収益は368億71百万円(前期比0.1%減)となり、営業利益は12億45百万円(同15.4%減)となりました。
(関連事業)
関連事業は、国内における施設工事や燃料販売などが増加しました。また、インドネシアのKIAT ANANDA GROUP4社が連結範囲に加わったことにより、収益、利益ともに前年を上回りました。
この結果、関連事業収益は128億38百万円(前期比103.5%増)となり、営業利益は7億79百万円(同229.0%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は1,108億36百万円となり、前連結会計年度に比べて32億22百万円の増加となりました。当連結会計年度における資産、負債および純資産の状況は次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産の残高は、275億7百万円となり、前連結会計年度に比べ46億9百万円減少いたしました。主な要因といたしましては、受取手形及び営業未収入金は増加しましたが、現金及び預金が減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産の残高は、833億28百万円となり、前連結会計年度に比べ78億32百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、有形固定資産が増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債の残高は、346億11百万円となり、前連結会計年度に比べ23億8百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、短期借入金が増加したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債の残高は、283億52百万円となり、前連結会計年度に比べ18億11百万円減少いたしました。主な要因といたしましては、長期借入金が減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は、478億72百万円となり、前連結会計年度に比べ27億25百万円増加いたしました。主な要因といたしましては、利益剰余金、為替換算調整勘定および非支配株主持分が増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ55億9百万円減少し、38億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ22億3百万円増加し、75億68百万円となりました。これは主に、売上債権の増減額の減少はありましたが、減価償却費、仕入債務の増減額の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ35億74百万円増加し、113億35百万円となりました。これは主に、子会社株式の取得による支出の減少はありましたが、有形固定資産の取得による支出の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ99億66百万円増加し、21億57百万円(前期は78億8百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入れによる収入の減少、長期借入金の返済による支出の増加によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
物流サービスの提供が主要な事業のため、記載を省略しております。
b.受注実績
物流サービスの提供が主要な事業のため、記載を省略しております。
c.営業収益実績
当連結会計年度における営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
共同物流事業 |
126,257 |
98.7 |
専用物流事業 |
36,871 |
99.9 |
関連事業 |
12,838 |
203.5 |
合計 |
175,967 |
102.8 |
(注)1.主な相手先別の営業収益実績および総営業収益に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) |
当連結会計年度 (自 2020年12月1日 至 2021年11月30日) |
||
営業収益 (百万円) |
割合(%) |
営業収益 (百万円) |
割合(%) |
|
㈱日本アクセス |
24,571 |
14.4 |
24,380 |
13.9 |
キユーピー㈱ |
11,182 |
6.5 |
11,585 |
6.6 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に当たり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(営業収益)
営業収益の概況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しておりますのでご参照いただけますようお願いいたします。
(営業利益)
営業原価は、1,663億42百万円と前連結会計年度に比べ26億52百万円(1.6%増)の増加となりました。原価率につきましては、コスト改善や適正料金の収受などが進捗したことにより、94.5%と前連結会計年度に比べ1.1ポイント改善しております。販売費及び一般管理費はインドネシアのKIAT ANANDA GROUP4社が連結範囲に加わったことにより、59億86百万円と前連結会計年度に比べ11億5百万円(22.7%増)の増加となりました。
この結果、営業利益は36億38百万円と前連結会計年度に比べ10億37百万円(39.9%増)の増益となりました。
(経常利益)
営業外収益は、受取利息の増加などで、4億8百万円と前連結会計年度に比べ69百万円の増加となりました。営業外費用は、支払利息の増加などで、7億40百万円と前連結会計年度に比べ4億11百万円の増加となりました。
この結果、経常利益は33億6百万円と前連結会計年度に比べ6億94百万円(26.6%増)の増益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、負ののれん発生益の減少などで、62百万円と前連結会計年度に比べ4億75百万円の減少、特別損失は、減損損失の増加はありましたが、固定資産除売却損の減少などで、1億84百万円と前連結会計年度に比べ39百万円の減少となり、親会社株主に帰属する当期純利益は15億61百万円と前連結会計年度に比べ3億73百万円(31.4%増)の増益となりました。
以上の結果、総資産経常利益率(ROA)は3.0%、自己資本当期純利益率(ROE)は4.2%、連結配当性向は36.6%となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しておりますのでご参照いただけますようお願いいたします。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、傭車費、外注費、人件費等の営業原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は株式取得や設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資につきましては、自己資金および長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は353億48百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は38億円となっております。
当社グループは、グループ全体の資金を有効活用するため、キャッシュマネジメントシステムの導入により、連結子会社の支払代行業務を行う他、連結子会社の報告に基づき、グループにおける重要な資金繰りの状況について把握しております。また、取引銀行において、借入金の与信枠の設定を受けており、必要な資金を速やかに確保するための体制を整えております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「わたしたちは人と食を笑顔で結びいつも信頼される企業グループです」を経営理念に掲げ、持続可能な物流をめざすなか、「徹底力で体質強化」をテーマに掲げ、「機能の強化」「環境変化への対応」「海外展開の基盤拡充」「新領域への参入」の4つを基本方針とした、中期経営計画(2022年度から2024年度)を推進しており、最終年度である2024年度において、営業収益1,820億円以上、営業利益55億円以上、経常利益49億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益25億円以上、営業利益率3.0%以上、総資産経常利益率(ROA)4.0%以上、自己資本当期純利益率(ROE)6.0%以上をそれぞれ達成することを目標に掲げております。
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