課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グル―プが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、技術力を極め、環境社会に貢献することをグループ共通の企業理念としており、企業活動を通じて「経済的価値」と「環境・社会的価値」を創出することを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、中長期的に売上高を150億円以上とすること、営業利益率を10%以上とすることを通し、株主資本の投資効率を示すROEを10%以上とすることに加え、事業リスクの分散化を目的に空港外の売上比率を20%以上とすること、CO2排出量に対する削減目標を33.5万トン以上とすることを経営指標として掲げております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「ESG経営の推進」により、「成長の実現」と「戦略投資と還元の両立」を目指しており、これらを実現させるために、当社が掲げている経営戦略の3つの柱を遂行してまいります。3つの柱とは、「選択と集中」、「事業基盤のシフト」、「経営基盤の強化」としております。

「選択と集中」では、安定した利益の確保と低採算事業の事業性評価やビジネスモデルの見直しと新たな成長事業への経営資源の再配分を行ってまいります。低採算事業につきましては、改善策を講じ立て直しを図ってまいりますが、業績改善が見込まれない場合には、当社の主力事業との関連性等も踏まえ、必要に応じて、事業売却や事業縮小も含めた対応を行ってまいります。

「事業基盤のシフト」では、これまで日本国内の主要空港に対しておこなってきたサービスや事業を、空港外や海外、地方に対しても提供していくことに加え、新規の産業(物流保守)への参入、新商材の拡充、多角化を推し進めてまいります。

「経営基盤の強化」では「選択と集中」「事業基盤のシフト」を実現するために、組織体制の整備、事業運営管理の適正化、中長期的な企業成長に向けて適正な財務基盤の構築により、経営基盤の強化を推し進めてまいります。組織体制の整備では、加速する技術革新の波が、当社に対して影響を及ぼしつつありますが、環境変化をビジネス機会と捉え、成長戦略を迅速に遂行するための新たな組織を新設し、持続的な売上成長を牽引いたします。

当社が有する高い技術力と環境社会へのさらなる貢献によって、関係するすべてのステークホルダーからの信頼を基に、空港の安全を守るためにこれまで培われた技術を利活用し空港外や海外、地方空港に対してもサービスを提供し、さらなる社会貢献と企業成長に挑戦してまいります。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

当社を取り巻く外部環境として、長引く新型コロナウイルス感染症の影響があります。国際航空運送協会(IATA)によると、航空業界全体の旅客数について2024年までにコロナ禍以前の水準以上に回復すると見通されています。一方、アジア太平洋における回復は遅れが懸念されており、当社の動力・整備事業は引き続き一定の影響を受けると考えておりますが、本年3月以降、まん延防止等重点措置の解除や各国の入国制限緩和に向けた動きもあり、航空需要の更なる回復の兆しがみられております。

このような当社を取り巻く経営環境の変化に対し、当社の技術力を活かせる成長領域への積極的な事業展開に向けて、目標を定めて推進しておりますが、現状においては大きな成果を得られたとは言い難い状況です。しかしながら、今後の可能性を秘めた案件の芽も発掘し始めており、今後はこれらの事業を育成し、将来の主軸事業に成長させたいと考えております。また、当社技術を活かせる空港外への事業領域拡大については、既に当社は物流業界へのサービス提供を開始しており、引き続きこれを推し進めるとともに、物流システム機器メーカーとの相互互恵関係を深め、売上拡大を目指します。加えて、当社技術員のマルチスキル化を進めることで業務の効率化を行い、空港内の業務量の一時的な増減に柔軟に対応できる体制を構築するとともに、既存パートナー等の外部リソースを活用し、人件費の抑制とともに空港事業の回復に応需しながら、当社技術員を更なる事業領域の拡大に向けて活用してまいります。

 

また、株式会社東京証券取引所より「新市場区分の概要等について」が発表され、当社は2022年4月4日より、株式会社東京証券取引所の新市場区分「スタンダード市場」へ移行しました。引き続き企業活動を通じて「社会的価値」と「経済的価値」を創出できる企業を目指してまいります。

当社は企業理念に「環境社会に貢献する」を掲げており、動力事業における埋設式GPU設備等の導入を通じて、CO2排出削減や騒音の低減といった空港環境の改善に寄与してまいりました。今後、動力事業のみならず、すべての事業を通じて“環境社会への貢献”をさらに一歩推し進め、カーボンニュートラルの実現という国家目標に取り組み、貢献してまいります。

AGPグループは企業理念のもと、環境と人を大切にするESG経営を推進しつつ、安全・品質に対する取り組み強化と併せて技術力の向上を図ってまいります。

 

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