業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な影響が継続し、またオミクロン株など新たな変異株の感染拡大も顕著になり、経済・社会活動は大きな制限を受け依然として厳しい状況が続いております。しかしながら、国内外において感染拡大の防止策やワクチン接種が促進され、消費意欲の高まりから景気の持ち直しの動きも見えました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢による世界的な資源価格の高騰、急激な円安など、日本経済にも影響が出てきており、不安定な状況は依然続くものと見込まれます。

当社グループが属する美容業界におきましては、サロンの来店客数は戻りつつあったものの、従前の状況まで回復するには時間を要することが見込まれます。このような状況のもと、引き続き、当社グループにおきましても、お客様並びに従業員の安全確保、感染拡大を防止することを目的に、種々の感染防止策を講じるとともに、新たな収益の柱となる事業の創出に注力しております。

前連結会計年の期首より連結子会社化しました株式会社オンリー・ワンについては、単に人材派遣事業・人材紹介事業への拡大と捉えることなく、キャリアデザイン事業と位置付け、既存事業とのシナジー効果の創出、事業ポートフォリオとしての成長を図っており、当社グループに加わったスケールメリットを生かし、販路が拡大しております。

 

また、前第3四半期連結会計期間において、当社と株式会社ティビィシィ・スキヤツトとの資本業務提携契約、当社連結子会社である株式会社ライトスタッフとENECHANGE株式会社との業務提携契約を締結いたしました。当社グループ及び提携各社の有するノウハウを活用し、理美容業界における持続可能な環境経営支援(SDGs)として環境配慮型メニューの開発並びに普及を引き続き進めてまいります。

当連結会計年度の売上高につきましては、ヘアメイク事業及び美容室支援事業が堅調に推移した一方、不採算店の撤退や各施策が実を結び、全社としては前年同期に比べ増収となりました。営業損益及び経常損益につきましても、営業利益、経常利益となりました。また、当連結会計年度末をもって閉店した直営店等に係る店舗閉鎖損失を特別損失として計上しましたが、親会社株主に帰属する当期純損益につきましても当期純利益となりました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,848,736千円(前年同期比1.9%増)、営業利益29,910千円(前年同期は営業損失53,302千円)、経常利益37,289千円(前年同期は経常損失39,161千円)、親会社株主に帰属する当期純利益16,882千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失79,146千円)となりました。

 

事業の概況につきましては以下のとおりであります。

(直営サロン運営事業)

日本全国に展開するBSサロン(フランチャイズサロン)のフラッグシップサロンとして、首都圏主要地域を中心に直営サロン12店舗(モッズ・ヘアサロン11店舗、その他(美容室セラヴィ)1店舗)を展開しております。

当連結会計年度の業績につきましては、コロナ禍での各種施策が実を結び、既存店の業績は前年同期に比べ、回復基調で推移しました。一方、収益認識に関する会計基準の変更及び不採算店の閉鎖により、売上高は前年同期に比べ減収となりました。他方、この先のアフターコロナ時代の競争力を高めるうえでも優秀なスタッフは不可欠であり、従業員の不安を解消するとともに人材育成に注力しております。

当連結会計年度の直営サロン運営事業の業績は、売上高879,227千円(前年同期比5.1%減)、セグメント利益20,096千円(前年同期はセグメント損失62,793千円)となりました。

 

(BSサロン運営事業)

「モッズ・ヘア」では、本部、加盟店という従来のフランチャイズ関係ではなく、共に一つのブランドをシェアするという意味で、ブランドシェアサロン、BSサロンと呼んでおります。当連結会計年度の店舗数の異動は、国内では沖縄県名護市と北海道札幌市にオープン2店舗、閉店4店舗、海外では閉店5店舗(韓国)となりました。その結果、当連結会計年度末日現在におきまして、国内43店舗、韓国17店舗、台湾2店舗及び中国3店舗の計65店舗となっております。BSサロン運営事業においては、プライベートブランド商品(PB商品)をはじめとした商品販売に注力しており、PB商品売上は堅調に伸びているものの、国内BSサロンにおいては新型コロナウイルスの影響により来店客数の戻りが遅い店舗があり、海外BSサロンにおいては臨時休業の継続など経営環境の改善には至っておらず、若干の増収となりました。また、セグメント利益につきてましては、PB商品の販売促進に係る広告宣伝費等の費用が先行している他、資産除去債務の履行差額の計上等が減益の大きな要因となっております。

当連結会計年度のBSサロン運営事業の業績は、売上高322,032千円(前年同期比0.7%増)、セグメント利益122,548千円(前年同期比12.7%減)となりました。

 

(ヘアメイク事業)

当社は、「モッズ・ヘア」の原点であるフランス・パリのスタジオワーク専門のヘアメイクチームのプロフェッショナル精神を引き継いだ「モッズ・ヘア」ヘアメイクチームを有しております。

当社のヘアメイクチームは、ヘアメイクアーティストのエージェンシーとして「パリコレクション」や「東京コレクション」などへの参加や、CM・ファッション雑誌など年間2,000件を超える媒体を手掛けるなど、国内及び海外で高い評価を得ております。

ヘアメイク事業におきましては、メディア部門は売上高、セグメント利益ともに堅調に推移し、ブライダル部門においても婚礼数が戻ってきており、スタジオ部門においても撮影件数が増加し、当連結会計年度の業績は売上高384,410千円(前年同期比4.6%増)、セグメント利益20,662千円(前年同期比29.5%増)となりました。

 

 

(美容室支援事業)

当社グループでは、日本国内でのモッズ・ヘアサロンの事業展開を通じて、様々なスケールメリットが創出されます。それをサービス化したクレジット決済代行サービス、株式会社ティビィシィ・スキヤツトとの提携による美容サロン向けPOSレジ顧客管理システムなどを一般のサロンに提供する美容室支援事業を行っております。

また、美容室支援事業におきましては、先述しましたとおり、株式会社ティビィシィ・スキヤツト、ENECHANGE株式会社、提携各社の有するノウハウを活用し、理美容業界における持続可能な環境経営支援(SDGs)として環境配慮型メニューの開発並びに普及を進めております。

当連結会計年度においては、美容室支援事業の主力であるクレジット決済代行サービスの契約件数及び売上高も順調に推移しており、売上高118,750千円(前年同期比10.6%増)、セグメント利益71,752千円(前年同期比13.0%増)となりました。

 

(キャリアデザイン事業)

前連結会計年度の期首より人材派遣事業、人材紹介事業を営む株式会社オンリー・ワンを連結子会社化いたしました。当社グループでは、単に人材派遣事業、人材紹介事業と捉えず、キャリアデザイン事業として新たな成長戦略の柱として位置付けております。

当連結会計年度においては、キャリアデザイン事業につきましては、当社グループに加わったスケールメリットを活かした販路の拡大が順調に推移し、現在注力しているタワーマンションを中心としたコンシェルジュの派遣等も、着実に件数を伸ばしております。

キャリアデザイン事業の当連結会計年度の業績は、売上高226,669千円(前年同期比26.3%増)、セグメント利益9,214千円(前年同期はセグメント損失9,624千円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローがプラスとなる一方、財務活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなり、571,734千円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は26,830千円(前連結会計年度は獲得した資金72,583千円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益34,087千円、減価償却費13,924千円、のれん償却額15,418千円、棚卸資産の増加額5,665千円及びリース投資資産の減少額9,229千円などによるものであります。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、獲得した資金は23,353千円(前連結会計年度は獲得した資金37,734千円)となりました。これは主に差入保証金の回収による収入22,483千円及び保険積立金の解約による収入3,260千円などによるものであります。

(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は983千円(前連結会計年度は使用した資金6,903千円)となりました。これは長期借入による収入40,000千円及び長期借入金の返済による支出25,872千円及び社債の償還による支出14,000千円などによるものであります。

 

③ 生産、仕入及び販売の状況

a. 生産実績

該当事項はありません。

 

b. 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

直営サロン運営事業

87,291

0.3

BSサロン運営事業

40,307

186.7

ヘアメイク事業

5,726

△36.1

合計

133,324

21.1

 

(注) 1  金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

直営サロン運営事業

867,227

△5.1

BSサロン運営事業

254,581

2.0

ヘアメイク事業

384,410

4.6

美容室支援事業

116,404

10.6

キャリアデザイン事業

226,112

27.0

合計

1,848,736

1.9

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日時点において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討の内容

当連結会計年度の概要は「(1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりでありますが、そのポイントは主に次のとおりであります。

売上高は、1,848,736千円と前連結会計年度に比べ34,158千円増加(前連結会計年度比1.9%増)いたしました。主な要因としては、ヘアメイク事業及び美容室支援事業が堅調に推移した一方、不採算店の撤退や各施策が実を結んだことに加え、前連結会計年度に当社グループに加わったキャリアデザイン事業において販路が拡大しており、新型コロナウイルス感染症の影響は受けたものの、全社としては前年同期に比べ増収となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、10,924千円増加(前連結会計年度比2.2%増)し、514,540千円となりました。営業損益につきましては、営業利益29,910千円(前連結会計年度は営業損失53,302千円)と利益額は前連結会計年度に比べ83,213千円増加いたしました。

営業外損益におきましては、営業外収益として助成金収入4,887千円、貸倒引当金戻入額1,379千円を計上し、経常利益37,289千円(前連結会計年度は経常損失39,161千円)と損益額は前連結会計年度に比べ76,451千円増加いたしました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益は、16,882千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失79,146千円)と損益額は前連結会計年度に比べ96,028千円増加いたしました。これは主に前述の経常利益の状況に加え、特別損失として当連結会計年度末日をもって閉店した直営店に係る店舗閉鎖損失3,234千円を計上したこと等によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入、店舗運営に係る人件費や地代家賃等の経費支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に店舗に関わる設備投資等であります。これらの資金需要は主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金で賄うことを基本としており、資金調達を行う場合には、経済情勢や金融環境を踏まえ、あらゆる選択肢の中から当社グループにとって最適な方法で行いたいと考えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発事象の開示項目、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断は、その実質価額の判断、将来需要や市況予測、各種統計数値の前提設定及び実現可能性等様々な要因を考慮して行っておりますが、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき行っているため、実際の結果とは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響についても、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

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