業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における総資産は1,509,718千円となり、前事業年度末に比べ476,800千円増加しました。これは主に、現金及び預金が537,892千円増加し、前事業年度に繰り戻し還付請求を行った法人税等が入金されたことにより未収還付法人税等が38,112千円、3校の閉校に伴い敷金が20,947千円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当事業年度末における負債合計は1,100,091千円となり、前事業年度末に比べ226,498千円増加しました。これは主に、未払法人税等が126,243千円、英語コーチングサービスの受講者数の増加により契約負債(旧前受金)が119,096千円増加し、銀行融資の返済により長期借入金が32,258千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当事業年度末における純資産は409,626千円となり、前事業年度末に比べ250,301千円増加しました。これは第三者割当増資により資本金が35,000千円、資本剰余金が35,000千円それぞれ増加し、当期純利益の計上により利益剰余金が180,356千円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は27.0%(前事業年度末は15.3%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 当事業年度における当社を取り巻く経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症のパンデミック開始以降、変異株を含めた感染拡大の長期化が懸念されており収束時期も見通せない事から先行き不透明な状況が続いております。2021年と比較し渡航制限に対して緩和傾向にあるものの、企業における海外転勤や個人の海外渡航への意欲は未だ低迷している状況です。このことから、依然として緊急度の高い英会話スキル習得のニーズが抑えられ、足許の英語学習市場において事業拡大を図っている短期集中型スクールの成長にも影響が出ていると見ております。

 しかしながら、国内市場の縮小や少子高齢化への懸念を持つ企業の海外市場への進出、グローバル人材の確保といった中長期的視点での英語学習への意欲は依然として高く、期待した成果を上げられていなかった従来型の英会話サービスから英語コーチングサービスへの乗り換えの動きも散見されるようになりました。また、個人での英語学習だけでなく、従業員育成・福利厚生の一環として英語学習の導入を検討する企業のニーズも存在することから、中長期的な英語学習市場は堅調に推移していくものと見ております。

 このような環境の中、当社におきましては大型の認知広告を控える一方で、英語コーチングサービス「プログリット(PROGRIT)」」におけるプロダクト開発や人材採用・育成によるサービス品質の向上、そしてサブスクリプション型英語学習サービスである「シャドテン」の拡大に取り組んで参りました。

 「プログリット(PROGRIT)」が堅実な成長をする一方で、当事業年度にて2周年を迎えた「シャドテン」の有料課金ユーザー数は増加の一途を辿り、個人顧客へのコーチングサービスに次ぐ大きな収益源となりました。

以上の結果、当事業年度の売上高は2,252,808千円(前事業年度比13.7%増)、営業利益は326,027千円(前事業年度は45,810千円の営業損失)、経常利益は320,908千円(前事業年度は46,911千円の経常損失)、当期純利益は187,060千円(前事業年度は76,826千円の当期純損失)となりました。

 また、当社は英語コーチング事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、955,541千円となり、前事業年度末に比べ537,892千円増加しました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、494,480千円の収入(前年同期は85,669千円の支出)となりました。

 主な要因といたしましては、税引前当期純利益320,963千円の計上、英語コーチングサービスの受講者数の増加による契約負債の増加119,096千円、法人税等の還付による増加39,339千円、3校の閉校に伴う地代家賃の減少による未払金の減少19,465千円等によるものであります。
 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、12,828千円の収入(前年同期は3,665千円の収入)となりました。

 主な要因といたしましては、3校の閉校に伴う敷金の返還による収入24,244千円、資産除去債務の履行による支出5,775千円、連帯保証人解除に伴う敷金の差入による支出3,366千円、有形固定資産の取得による支出2,274千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、30,583千円の収入(前年同期は7,782千円の支出)となりました。

 主な要因といたしましては、銀行からの長期借入による収入80,000千円と第三者割当増資によって株式を発行したことによる収入70,000千円、長期借入金の返済による支出121,117千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は、個人向けに英語コーチングサービス等を提供しており、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

 当社は、個人向けに英語コーチングサービス等を提供しており、受注生産を行っていないため、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

 当社は、英語コーチング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、当事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次の通りであります。

 

サービス区分

当事業年度

(自 2021年9月1日

  至 2022年8月31日)

外部顧客への売上高(千円)

前事業年度比(%)

英語コーチングサービス

1,764,879

102.1

サブスクリプション型英語学習サービス

487,928

193.1

合計

2,252,808

113.7

(注) 英語コーチング事業は英語コーチングサービスとサブスクリプション型英語学習サービスの2つにより構成されております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a 財政状態

 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載の通りであります。

 

b 経営成績

 経営成績の状況の概要につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載の通りであります。

 

(売上高)

 当事業年度の売上高は2,252,808千円(前年同期比113.7%)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症による海外への渡航制限が緩和傾向にあり、英語学習需要が戻りつつあることに加え、サブスクリプション型サービスのシャドテンの売上が拡大していることが影響とみております。

 

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度において、売上原価は校舎の撤退による家賃減少に伴い742,578千円(前年同期比93.1%)となりました。

 この結果、売上総利益は1,510,230千円(前年同期比127.6%)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損失)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、前年と比較し認知拡大のためのプロモーション広告等の投資額を削減したことにより1,184,202千円(前年同期比96.4%)となりました。

 この結果、営業利益326,027千円(前年同期は営業損失45,810千円)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

 当事業年度における営業外収益は、2,097千円(前年同期比77.8%)となりました。これは、前事業年度に役員報酬返納を行ったことによります。営業外費用は、7,215千円(前年同期比190.1%)となりました。これは、主に上場関連費用3,625千円を計上したことによります。

 この結果、経常利益は、320,908千円(前年同期は経常損失46,911千円)となりました。

 

(特別利益、当期純利益)

 当事業年度における特別利益は、54千円となりました。これは、新株予約権戻入益を計上したことによります。

 この結果、当期純利益は187,060千円(前年同期は当期純損失76,826千円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の資金の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していくことを基本方針としております。具体的には、運転資金は自己資金、校舎開設等の設備投資は金融機関からの借入、M&A等の大型資金ニーズが発生した場合にはエクイティファイナンス等も含めた資金調達を行う方針であります。これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

a.固定資産の減損処理

 当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上いたします。

 減損の兆候の把握、回収可能価額の算定に当たっては、将来キャッシュ・フロー、割引率等の前提条件を慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合は、固定資産の減損を実施し、当社の業績を悪化させる可能性があります。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

b.繰延税金資産の回収可能性

 当社は、繰延税金資産の回収可能性を定期的に検討しております。その判断に際して将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上しておりますが、その見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じ、回収が困難と判断した場合には、評価性引当額を計上することで、当社の業績を悪化させる可能性があります。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、売上高、営業利益及び継続コース入会率を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。

 

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