業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が収束せず、特に実物経済は伸び悩みが続き、東京オリンピックはほとんどの会場で無観客開催となって、通常開催ほどの経済効果はありませんでした。しかし、一方で世界の多くの国でワクチン接種が進んで、感染防止のための様々な規制は緩和されつつあり、すでに最悪期は脱しております。新型コロナウイルス感染症の収束までにはもうしばらく時間を要するものの、ウィズコロナ下で経済活動は回復傾向にあります。このコロナ禍が一因となって、社会は大きく変化しつつあることから、当社グループはその大変革に柔軟に適応できるよう、この我慢の時期に状況を冷静かつ慎重に見極め、アフターコロナの時代に向けて着実に準備をしてまいります。

 当社グループを取りまく経済環境は、主に景気の現状判断DI・先行き判断DI(内閣府 景気ウォッチャー調査)、第3次産業活動指数(経済産業省)、及びマネタリーベース平均残高(日本銀行)の動向等から判断しております。景気の現状判断DI・先行き判断DIは、新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年春先から大幅に落ち込みましたが、同年4月を底に回復に転じております。また、非製造業やサービス業の動向を示す第3次産業活動指数も同じく3月以降は急速に低落しましたが、5月に大底が入って改善方向にあります。現在まで両指標の回復は一進一退となっておりますが、消費者側・企業側ともにコロナ禍への耐性がついてきております。マネタリーベース平均残高は日銀の緩和政策により増加基調が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延を契機に日銀はマネタリーベース平均残高の伸び率(同)を高め、日本経済の下支えとなっております。これら指標の動向から、当連結会計年度の当社グループを取りまく経済環境については、東京など主要都市圏に数回にわたって緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令・解除が繰り返され、足踏み状態が続きましたが、一方でこうした状況にもかかわらず、底堅く推移していたとも言えます。2020年は景気の短期(3年前後)サイクルの底入れのみならず、長期(10年前後)サイクルの底入れとなり、2021年以降は緩やかな回復局面に入っていますが、コロナ収束後はこれまでとは異なる新たな世界・社会に突入するとともに、景気回復ムードが一気に高まる可能性もあると考えております。

 リーマン・ショックが起きた2008年、当社は景気動向の影響を受けやすい「店舗施設の制作事業」を主力事業としていたことから、売上高は大幅に減少し、初めて営業赤字に転落しましたが、その苦しい経験を糧に「いかなる環境下においても成長していける基盤の構築」をスローガンとして掲げ、顧客層や事業内容を多様化することで景気が落ち込んでも業績への影響を受けにくい企業体制の構築を進めております。「店舗施設の制作事業」について、2008年当時と2021年を比較しますと、売上高は約1.8倍に増やしながらも、売上高全体に占める同事業の比率は87.5%から50.2%にまで低下させることができました。

 当社グループはこれまで時間をかけて専門知識・技術を持つグループ会社を増やし、各種施設の企画・設計から建築・内装・設備等の施工、設備機器メンテナンスやビル管理まで総合的に請け負うという、他にないユニークな企業スタイルを確立してまいりました。同時に、現在、売上高比率で約50%を占めるまでに成長してきている「商業施設の制作事業」「食品工場、物流倉庫の制作事業」及び「建築事業」の3事業分野は大型案件も多く、工期が長いため、短期的な景気動向に左右されにくい特性があります。加えて、日本より経済成長率が高い東南アジアや台湾でも事業展開することで、市場を拡大できるとともにリスク分散にもなることから、将来的にはより盤石な経営基盤の構築ができると見込んでおります。

 2019年から2021年の3ヵ年の中期目標は「化:時代が求めている企業へ化ける」とし、「化」の3年目となる2021年は「やって、やって、やりきる」をスローガンとして、過去2年間で種を蒔き、育ててきた様々な取り組みを結実させる年であり、また、新たな課題として、新技術を積極的に取り入れて本業に革新を起こすとともに、やるべき基本の徹底を図ってまいりました。具体的には、① 当社グループの強みである設計・施工案件においての部門間の早期連携の一層の強化と組織的(体系的)な物件管理体制の確立、② 現場における人工管理の徹底、及び ③ 「未来ファクトリープロジェクト」のひとつとして、当社グループである静清装備株式会社の木工(什器)工場の整備と生産性向上に取り組み、グループ全体で売上総利益率を前年度より3%ポイント以上引き上げることを目標としておりました。当社グループの見通しよりコロナ収束は遅れており、営業活動において少なからずその影響を受けましたが、ウィズコロナ下で世界的に景気は回復傾向にあり、またアフターコロナを見据えてビジネス攻勢をかける動きも出てきている中で、半導体に代表されるように資機材の欠品や不足、納期遅延が発生し、当社顧客においては案件の工期延長や着工延期が相次いだことから、当社グループの売上高についても例年のように第4四半期での追い込みが適わず、当連結会計年度の売上総利益率は13.3%(前期は12.0%)と高水準を維持できたものの、残念ながら「やって、やって、やりきった」とまでは言えない結果となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高358億8千6百万円(前期比3.4%減)、営業損失3億5千万円(前期は4億9千8百万円の営業損失)、経常損失1億5千5百万円(前期は3億8千7百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失1億2千万円(前期は5億1千4百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 いまだコロナの影響により各方面で制限を強いられ、先行きに対する不透明感もありますが、夜は明けつつあります。社会そして技術の進歩は目覚ましく、当社グループにおいてもこの環境に適応し、進化させてきた現場体制並びに錬磨を重ねてきた原価削減への取り組みは結果を出しつつあります。次なる世界(ステージ)に上がれるよう、2022年も引き続き前述の課題に挑戦し、「やって、やって、やりきり」、そして成し遂げてまいります。

 次に、部門別の売上高と各部門の営業概況についてご報告いたします。

 

 

(単位:千円未満切捨)

 

関連部門の名称

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

 至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

対前連結会計年度比増減額

(△は減)

対前連結会計年度比

増減率(%)

スーパーマーケット関連部門

12,504,954

12,221,101

△283,853

△2.3

フードシステム関連部門

22,360,910

21,224,193

△1,136,716

△5.1

保守メンテナンス部門

2,299,104

2,441,672

142,568

6.2

37,164,968

35,886,967

△1,278,001

△3.4

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   《スーパーマーケット関連部門》

 スーパーマーケット関連部門につきましては、スーパーマーケット販売統計調査(スーパーマーケット協会3団体)によりますと、日本経済の回復テンポの鈍化に伴い、2019年の売上高の伸び率(前年比)は平均で約0%に低下しておりましたが、2020年に入って新型コロナウイルス感染症防止対策のため在宅時間が増え、外食の機会が減ったことなどから、売上高の伸び率(前年比)は高まりました。引き続き、2021年もスーパーマーケット等の経営環境は堅調でしたが、コロナ禍が若干落ち着き、外出の機会が増えたことなどもあり、売上高の伸び率(前年比)は鈍化しておりました。当社グループは経済環境に大きく左右されず、あらゆる営業機会を逃さないために、各グループ会社の強みを活かして、設計や内装施工だけではなく、給排水・空調設備工事や電気設備工事等、店舗内で対応できる事業領域の拡大を図っており、当該部門の売上高は概ね前年並みを維持できました。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は122億2千1百万円(前期比2.3%減)となりました。

 

   《フードシステム関連部門》

 フードシステム関連部門につきましては、外食産業市場動向調査(日本フードサービス協会)によりますと、日本経済の緩やかな回復基調が続いたここ数年の店舗売上高の伸び率(前年比)は平均2~3%台で推移して比較的堅調でしたが、2020年は新型コロナウイルス感染症の流行で大幅に落ち込みました。当社グループの主要顧客である飲食店、小売店、商業施設、ホテル等の営業環境は厳しく、先行きに対しても慎重で、当社グループの受注においてもその影響を受けましたが、2021年の外食産業はテイクアウトやデリバリーが堅調だったこともあり、緩やかながらも回復傾向が見られ、同調査の店舗売上高の伸び率(前年比)はほぼ前年並みに戻っております。しかしながら、コロナ禍を経て、業態の構造変化も見られることから、当社グループは今後も状況や時代に適応したサービスや付加価値を提供できるよう努めてまいります。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は212億2千4百万円(前期比5.1%減)となりました。

 

   《保守メンテナンス部門》

 保守メンテナンス部門につきましては、旧来からの店舗設備機器のメンテナンス体制を整えるとともに、メンテナンス要員の技術力向上を図っております。加えて、各種の専門分野を持つグループ会社を増やし、顧客の依頼に迅速かつ的確に対応することができる保守点検網の拡充を進めており、新たな拠点として2021年4月には島根メンテナンスステーション、同6月には新潟メンテナンスステーションを開設いたしました。また、従来のメンテナンスサービスに加え、当社グループのエースセンター株式会社が担うビルメンテナンス事業も当該部門に寄与しております。当連結会計年度においてはコロナ禍でホテル、空港など多くの商業施設で稼働率の低迷が続きましたが、一方で最悪期は脱しており、各種施設で様々なコロナ対策が進んできております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は24億4千1百万円(前期比6.2%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億9千万円増加し、当連結会計年度末残高は61億1千万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金の増加は16億5千2百万円(前連結会計年度は2億円の減少)となりました。

 これは、棚卸資産が増加したものの、仕入債務及び前受金の増加が要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金の減少は6千5百万円(前連結会計年度は5億3千8百万円の減少)となりました。

 これは、子会社における有形固定資産の売却による収入があったこと、長期未収入金を回収したことで投融資の回収による収入が発生したものの、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出があったことが主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金の減少は4億8千4百万円(前連結会計年度は24億2千7百万円の減少)となりました。

 これは、ストック・オプションの行使による収入があったこと及び新たな短期及び長期の借入れをおこなったものの、長期借入金の返済、配当金の支払いが主な要因であります。

 

生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、一貫した店舗施設制作事業を事業内容とする単一セグメントであるため、制作、商品仕入、受注及び販売実績については、関連部門別に記載しております。

 

(1) 制作実績

 当連結会計年度における制作実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。

関連部門の名称

制作高(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット関連部門

10,904,754

95.9

フードシステム関連部門

20,890,819

102.6

31,795,573

100.2

 (注)1 金額は販売価額で算定しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 商品仕入実績

 当社グループは、スーパーマーケット関連部門、フードシステム関連部門において外部より商品を仕入れておりますが、商品仕入時においてはどの部門で販売されるか確定していないため、関連部門ごとの商品仕入実績の記載は省略しております。

(3) 受注実績

       当連結会計年度における受注実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。

関連部門の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット関連部門

12,879,066

108.7

1,365,843

192.9

フードシステム関連部門

23,512,290

114.6

10,542,200

127.7

36,391,356

112.4

11,908,043

132.9

 (注)1 受注高は、連結子会社取得による増加の影響額を除いております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績を関連部門ごとに示すと、次のとおりであります。

関連部門の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

スーパーマーケット関連部門

12,221,101

97.7

フードシステム関連部門

21,224,193

94.9

保守メンテナンス部門

2,441,672

106.2

35,886,967

96.6

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における資産合計は、269億6千3百万円と前連結会計年度末に比べ10億3百万円の増加となりました。

流動資産は、166億5千1百万円と前連結会計年度末に比べ13億8千2百万円の増加となりました。これは、売上債権が減少したものの、現金及び預金、仕掛品及び未収入金が増加したことが主な要因であります。

固定資産は、103億1千1百万円と前連結会計年度末に比べ3億7千8百万円の減少となりました。これは、長期売掛金及び長期未収入金を回収したことが主な要因であります。

(負債の部)

流動負債は、141億7千4百万円と前連結会計年度末に比べ18億1千1百万円の増加となりました。これは、仕入債務、前受金及び短期借入金の増加が主な要因であります。

固定負債は31億7千4百万円と前連結会計年度末に比べ7億1千2百万円の減少となりました。これは、有利子負債の返済による減少が主な要因であります。

以上の結果、負債の部は173億4千8百万円と前連結会計年度末に比べ10億9千9百万円の増加となりました。

(純資産の部)

純資産の部は96億1千4百万円と前連結会計年度末に比べ9千5百万円の減少となりました。これは、配当金の支払いがあったものの、ストック・オプションの行使による資本金及び資本剰余金が増加したことが主な要因であります。

なお、自己資本比率は35.5%と前連結会計年度末より1.8ポイント減少しております。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、コロナ禍の中でも前向きな顧客の設備投資動向やワクチン接種の普及などを背景とした新型コロナウィルス感染症の抑制による外部環境の好転の見通しなどを踏まえて楽観視できないまでも前連結会計年度の非正常を脱し徐々に正常化が進んできていた中で、世界的な半導体不足や物流体制の混乱に起因する資機材の欠品納期遅延が 多発したことによる工事遅延及び工期延長に伴う引渡し時期あるいは着工時 期の延期やコロナ禍の影響による工事の一時中断の影響、当社顧客の投資マインドが衰えたことはないもののコロナ禍での消費行動や価値観の大きな変化に対応するため顧客の一部による設備投資計画の見直しに伴う一時的な設備投資時期の先延ばし等の影響により、358億8千6百万円(前期比3.4%減)となりました。

 

② 売上原価

当連結会計年度の売上原価は、①当社グループの強みである設計・施工案件においての部門間の早期連携の一層の強化と組織的(体系的)な物件管理体制の確立、②現場における人工管理の徹底、及び③「未来ファクトリープロジェクト」のひとつとして、当社グループである静清装備株式会社の木工(什器)工場の整備と生産性向上に取り組み、グループ全体で売上原価率を前連結会計年度より3%以上の改善を目標として取り組んだ結果、売上原価率は目標こそ達成しなかったものの86.7%と前連結会計年度末より1.3ポイント減少しました。

③ 販売費及び一般管理費

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、業務効率の改善を通じた生産性向上のための各種電子化にかかる費用及び日本の食文化向上6次産業化・地域創生及び東日本大震災復興になおいっそうの貢献ができるよう邁進するための株主優待費用が増加したことにより51億3千8百万円(前期比4.0%増)となりました。

④ 営業損益

当連結会計年度は上記の結果により3億5千万円の営業損失(前期は4億9千8百万円の営業損失)となりました。

⑤ 営業外収益及び営業外費用

営業外収益は、長期債権の回収にかかる遅延利息の受取により受取利息が増加したこと及び為替差益の発生により3億6千7百万円(前期比17.3%増)となりました。

また、営業外費用は、連結子会社にて工事違約金が発生したものの、前期は為替差損を計上していたことにより1億7千3百万円(前期比14.7%減)となりました。

⑥ 経常損益

当連結会計年度は1億5千5百万円の経常損失(前期は3億8千7百万円の経常損失)となりました。その結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、前連結会計年度に比べ0.6ポイント増加し△0.4%となり、総資産経常利益率(ROA)も0.7ポイント増加し△0.6%となりました。

⑦ 特別利益及び特別損失

特別利益は投資有価証券売却益を計上したこと及び主に連結子会社において固定資産売却益があったことにより2億7百万円(前期比109.8%増)となりました。また、特別損失は、主に会計制度委員会報告第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(平成10年5月12日 日本公認会計士協会)第32項の規定に基づき、保有する関係会社出資金につき関係会社出資金評価損を計上したことに伴ってのれん償却額を計上したこと及び和解金の発生により6千1百万円(前期比29.3%減)となりました。

⑧ 税金等調整前当期純損益

当連結会計年度は1千万円の税金等調整前当期純損失(前期は3億7千6百万円の税金等調整前当期純損失)となりました。

⑨ 法人税等

法人税等(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は1億6百万円(前期比24.3%減)となりました。これは主に課税所得の減少によるものです。

⑩ 非支配株主に帰属する当期純利益

非支配株主に帰属する当期純利益は、外部株主が存在する連結子会社の当期純利益(又は当期純損失)の増減の影響を受けますが、当社グループにおける影響は僅少であります。

⑪ 親会社株主に帰属する当期純損益

当連結会計年度は1億2千万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前期は5億1千4百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

その結果、当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前連結会計年度に比べ3.9ポイント増加し△1.2%となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、制作原価、販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、業容拡大等による事務所拡張・メンテナンスステーション開設、移転による内装費用等、省人化及び効率化、間接業務の削減を目的にしたシステムの費用があり、その他の資金需要として、当社グループの分野の強化や技術者の補充を目的にしたM&A費用があります。

 当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達を行っております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は6,163,508千円となりました。

 

(5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、資本効率のバランスを考慮しつつも、安定した収益基盤を確立することに注力することで、売上高営業利益率を高めることを優先課題として、自己資本当期純利益率(ROE)の改善に取り組む方針であります。

 

当連結会計年度に含む直近3連結会計年度の指標は以下のとおりです。

 

指標

2019年度

(第50期)

2020年度

(第51期)

2021年度

(第52期)

中期目標

売上高営業利益率

2.7%

△1.3%

△1.0%

6.0%

自己資本当期純利益率(ROE)

10.7%

△5.1%

△1.2%

10.0%

 

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

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