当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
・当連結会計年度の売上高は 424億8百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。外出自粛の長期化により消費者の生活様式が大きく変化していく中、当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた顧客の投資抑制により、依然として厳しい状況が続いております。しかしながら、同感染症の影響が現れ始めた前年と比較すると顧客の状況も変化しつつあり、複合商業施設・総合スーパー分野やサービス等分野で過去最高の売上高を達成するなど、受注環境はやや回復傾向で推移いたしました。
・営業利益は22億27百万円(前連結会計年度比65.8%増)となりました。売上高の増加に加え、前年の新型コロナウイルス感染症拡大以降、継続して社内体制を見直し、全面的なコスト削減に努めたことから増益となりました。
・経常利益は22億65百万円(前連結会計年度比63.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億14百万円(前連結会計年度比37.1%増)となりました。
なお、当社グループはディスプレイ事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載に代えて、市場分野別に記載しております。
市場分野別の売上高は次の通りであります。
・複合商業施設・総合スーパー分野では、ショッピングセンターの新規出店数が減少傾向にあるものの、生活必需品を取り扱う総合スーパーで大型案件を受注したことから、売上高は増加いたしました。
・食品スーパー・コンビニエンスストア分野では、中食・内食需要の対応に向けた改装案件の受注が堅調に推移したことから、売上高は増加いたしました。
・各種専門店分野では、巣ごもり需要の影響からコロナ禍でも業績好調の分野においては受注が堅調に推移したものの、全体としては、アパレル等の投資抑制の影響が大きく、売上高は減少いたしました。
・飲食店分野では、緊急事態宣言解除後も来店客数は完全に回復しておらず、主要顧客の投資抑制や同業他社との競争環境の激化が生じております。前年と比較すると売上高の減少幅は縮小しているものの、依然として厳しい状況が続いております。
・サービス等分野では、中期経営目標のひとつである「オフィス・サービス空間の売上比率」拡大に向けた積極的な取り組みにより、サテライトオフィスをはじめとするオフィス関連の売上高が大きく伸長したほか、教育関連施設、医療施設、エンターテイメント施設等の受注が堅調に推移いたしました。
①営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、社内体制の見直しによるコスト削減に努めたことから、前連結会計年度に比べ26百万円減少しております。また、外注費率の抑制に努めたことから、営業利益は、22億27百万円(前連結会計年度比65.8%増)となりました。
②経常利益
当連結会計年度における営業外収益は、主に受取配当金16百万円を計上しております。営業外収益から営業外費用を差し引いた結果、営業外損益は37百万円となり、経常利益は、22億65百万円(前連結会計年度比63.4%増)となりました。
③親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における特別利益は、主に投資有価証券売却益6百万円を計上しております。特別利益から特別損失を差し引いた結果、特別損益は6百万円となり、そこから法人税等を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、15億14百万円(前事業年度比37.1%増)となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。なお、当社グループは、ディスプレイ事業の単一セグメン
トであるため、セグメントごとの記載に代えて、制作品別の受注実績及び制作品別の販売実績を記載しておりま
す。
①生産実績
当社グループは生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
当連結会計年度における受注実績を制作品別に示すと、次の通りであります。
(注) 1.数量については、同一制作品区分の中でも、多種類・多仕様にわたっておりその表示が困難なため記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における売上高実績を制作品別に示すと、次の通りであります。
(注) 1.数量については、同一制作品区分の中でも、多種類・多仕様にわたっておりその表示が困難なため記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは2022年12月期を最終年度とする中期経営計画「基盤構築」における定量目標を掲げております。
その目標と推移は以下の通りです。
(4)財政状態の状況と経営者の視点による分析内容
(資産)
当連結会計年度末における資産は、346億15百万円(前連結会計年度末比8億43百万円増)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ13億47百万円増加し、233億81百万円となりました。主な要因は、完成工事未収入金が1億50百万円、未成工事支出金が2億61百万円減少したものの、現金及び預金が15億28百万円、受取手形が2億74百万円増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ5億3百万円減少し、112億33百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が1億77百万円、無形固定資産が1億97百万円、投資その他の資産が1億28百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、53億17百万円(前連結会計年度末比13百万円減)となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ6億42百万円増加し、47億42百万円となりました。主な要因は、工事未払金が3億60百万円、未払法人税等が1億28百万円、未払消費税等が79百万円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ6億56百万円減少し、5億75百万円となりました。主な要因は、長期借入金が60百万円、繰延税金負債が72百万円増加したものの、退職給付信託の追加設定により退職給付に係る負債が7億98百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、292億97百万円(前連結会計年度末比8億57百万円増)となりました。主な要因は、利益剰余金が6億66百万円、退職給付に係る調整累計額が1億円増加したことによるものです。
(5)キャッシュ・フローの状況と経営者の視点による分析内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ14億54百万円増加(前連結会計年度は30億79百万円の増加)し、147億90百万円となりました。
また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、22億82百万円の収入(前連結会計年度は38億24百万円の収入)となりました。主な収入要因は、たな卸資産が3億26百万円減少したこと、仕入債務が3億29百万円増加したこと、及び税金等調整前当期純利益を22億71百万円計上したことによるものです。主な支出要因は、退職給付信託の追加設定により退職給付に係る負債が7億55百万円減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、89百万円の支出(前連結会計年度は3億11百万円の収入)となりました。主な支出要因は、定期預金の預入による支出が73百万円、有形固定資産の取得による支出が15百万円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億30百万円の支出(前連結会計年度は10億44百万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払が8億88百万円あったことによるものです。
(6)資本の財源及び流動性に係る情報
当社グループの資金需要の主なものは、パートナー企業への支払いである外注費、販売費及び一般管理費であります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費、IT関連投資や雇用費・教育研修費等であります。
資本の財源及び流動性については、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本としており、資金調達につきましては自己資金を基本としております。
また、株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載の通りであります。
(7)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
この財務諸表の作成にあたり当連結会計年度末における資産、負債の金額、並びに当連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金の見積り方法につきましては、「第5 経理の状況 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載の通りであります。
新型コロナウイルス感染症の影響については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(追加情報)に記載の通りであります。
お知らせ