文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(経営成績等の状況の概要)
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の断続的な発出等を背景に、個人の消費行動や社会全体の経済活動が大きく影響を受ける形となりました。ワクチンの接種がスタートし、秋期には緊急事態宣言が解除される等、収束に向けた動きも一時的には見られましたが、本年1月にはオミクロン株の感染拡大を受けて、まん延防止等重点措置が再度発出される等、先行きは依然として不透明であります。
こうした状況下、当社グループにおいては、「 Together2023 」をテーマとする新たな中期経営計画( 2021 年度より3ヵ年)に基づき、不採算店舗の閉鎖による固定費の削減や、集配やネット宅配といった収益性の高い営業チャネルへの売上構成比率のシフト、ユニフォームレンタル事業の業容拡大、デジタル化の推進による業務効率の改善等、構造改革の加速化と新たな成長領域の創出に向けた取り組みを進めてまいりました。 2021 年 12 月には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響の長期化を踏まえ、中期経営計画の見直しを行い、取り組みの更なる加速化と規模の拡大を図っております。
当社グループの売上高は、外出自粛・在宅勤務等を背景とするクリーニング需要の低迷等による集品の減少や、レンタル事業における法人得意先の稼働減等により、 351 億3千1百万円 ( 前年比 10.3 %減 ) となりました。営業損失は、不採算店舗の閉鎖等の構造改革を推進し、人件費等固定費の圧縮を図ったこと等から、 29 億7百万円 ( 前年は営業損失 47 億4千2百万円 ) 、経常損失は 21 億7千9百万円 ( 前年は経常損失 44 億3千9百万円 ) となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、固定資産(不動産)の売却益や環境対策引当金を計上したこと等により、 12 億4千9百万円 ( 前年は親会社株主に帰属する当期純損失は 31 億5千9百万円 ) となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「その他」に含めておりましたクリーンサービス事業のうちハウスクリーニング事業を「クリーニング」に含めて記載しており、変更後の算定方法による前年同期の金額と比較しております。
< クリーニング >
個人向けのクリーニング事業は、服装のカジュアル化等を背景に、中長期的に需要が低下する傾向にありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大以降は、外出の自粛や、在宅勤務の普及等の影響により、ビジネスウェアやおしゃれ着のクリーニング需要の減少に一層拍車が掛かっております。こうした状況を受け、当社グループでは、不採算店舗の閉鎖を通じて店舗部門を縮小すると共に、集配部門等の収益性の高い営業チャネルに売上構成比率をシフトさせるチャネルシフト計画を進める等、事業の収益性を改善するための構造改革を推進しております。
需要の低下に伴ってワイシャツや背広等のクリーニング売上が低調に推移したことから、クリーニング事業の売上高は 171 億3千6百万円 ( 前年比 8.5 %減 ) となりましたが、構造改革の進捗に伴い、人件費や賃借料等、実店舗の運営に関わる経費が減少したこと等から、セグメント損失 ( 営業損失 ) は、4億1千8百万円 ( 前年はセグメント損失 ( 営業損失 )12 億2千万円 ) となりました。
< レンタル >
レンタル事業は、主にホテル・レストラン等のリネン品を取り扱うリネンサプライ部門と、コンビニエンスストアや外食産業、食品工場等のユニフォームを取り扱うユニフォームレンタル部門との、2つの部門からなる法人向け事業です。
当事業は、新型コロナウイルス感染拡大以降、厳しい事業環境が続いておりますが、政府の観光立国化政策や HACCP (食品衛生管理の世界標準)の義務化等を踏まえ、コロナ後における需要の回復を見据えた体制整備を推進しております。
リネンサプライ部門においては、年初から緊急事態宣言が断続的に発出されたことを背景に、得意先ホテルの稼働率が低調に推移し、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間や、9月末の宣言解除以降には回復の動きも見られたものの、年間での売上は減少いたしました。また、ユニフォームレンタル部門においては、得意先ナショナルチェーンや外食店舗等の稼働減に伴い、レンタルユニフォームの取扱いが減少いたしました。
これらの結果、レンタル事業の売上高は 158 億5千3百万円 ( 前年比 8.7 %減 ) となりましたが、取引量の減少に対応し、一部工場の休業による生産拠点の集約や、工場の稼働日数の調整等により経費の削減を図ったこと等から、セグメント損失 ( 営業損失 ) は 10 億4百万円 ( 前年はセグメント損失 ( 営業損失 ) 19 億3千4百万円 ) となりました。
< 不動産 >
不動産事業では、不動産の賃貸および管理を行っております。
不動産事業の売上高は4億9千3百万円 ( 前年比 4.4 %減 ) 、セグメント利益 ( 営業利益 ) は4億1千6百万円 ( 前年比 16.8 %増 ) となりました。
< 物品販売 >
物品販売事業では、クリーニング業務用の機械・資材や、ユニフォーム等の販売を行っております。
連結子会社において、クリーニング資材やユニフォーム等の売上が減少したことから、物品販売事業の売上高は4億4千8百万円 ( 前年比 38.5 %減 ) 、セグメント利益 ( 営業利益 ) は9千1百万円 ( 前年比 24.2 %減 ) となりました。
< その他 >
その他の事業として、モップ・マットのレンタル等を手がけるダストコントロール事業を行っております。
当第4四半期連結会計期間において、同事業を手がける株式会社レンテックスの株式を売却し、同社が連結決算の範囲から除外されたこと等から、その他事業の売上高は 11 億9千9百万円 ( 前年比 33.9 %減 ) 、セグメント損失 ( 営業損失 ) は、2千2百万円 ( 前年はセグメント損失 ( 営業損失 ) 4千万円 ) となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー支出2千9百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー収入17億6千1百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー支出17億7千1百万円などにより2千1百万円減少いたしました。その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年比2%減の10億4千4百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失△9億2千7百万円、減価償却費15億5千7百万円などにより2千9百万円の支出(前年比97.8%減)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入17億円などにより、17億6千1百万円の収入(前年比88.8%増)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入れによる収入199億2千7百万円、長短借入金の返済による支出209億1千1百万円、リース債務の返済による支出7億5百万円などにより、17億7千1百万円の支出(前年は7億8千万円の収入)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当グループは見込み生産を行っていないため、該当事項はありません。
販売実績は、生産実績と同一であるため記載しておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載しております。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産合計は、93億6百万円となり、前連結会計年度末の111億5千6百万円と比較して18億5千万円の減少となりました。主に、受取手形及び売掛金の減少3億5百万円、たな卸資産の減少14億5千7百万円によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産合計は、221億5百万円となり、前連結会計年度末の236億9千9百万円と比較して15億9千4百万円の減少となりました。主に、建物及び構築物(純額)の減少4億3百万円、機械装置及び運搬具(純額)の減少4億2千1百万円、投資有価証券の減少3億8千4百万円によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債合計は、112億4百万円となり、前連結会計年度末の142億7千2百万円と比較して30億6千7百万円の減少となりました。主に、短期借入金の減少6億1千万円、1年内返済予定の長期借入金の減少20億1千6百万円によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債合計は、158億3千万円となり、前連結会計年度末の145億2千5百万円と比較して13億4百万円の増加となりました。主に、長期借入金の増加15億6百万円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、43億7千6百万円となり、前連結会計年度末の60億5千7百万円と比較して、16億8千1百万円の減少となりました。主に、利益剰余金の減少12億4千4百万円によるものです。
当連結会計年度の概況につきましては、「第一部企業情報 第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。具体的な経営成績の状況の分析につきましては以下のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は351億3千1百万円となり、前連結会計年度の売上高391億4千6百万円と比較して40億1千5百万円の減少となりました。セグメント別の業績及び主な理由につきましては、「第一部企業情報 第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の売上原価は329億5千8百万円となり、前連結会計年度の売上原価382億5千6百万円と比較して52億9千7百万円の減少となりました。販売費及び一般管理費は50億8千万円となり、前連結会計年度の販売費及び一般管理費56億3千2百万円と比較して5億5千2百万円の減少となりました。
上記の①売上高及び②売上原価、販売費及び一般管理費に記載しました理由により、当連結会計年度の営業損失は29億7百万円となり、前連結会計年度の営業損失47億4千2百万円と比較し18億3千4百万円の減少となりました。
当連結会計年度の営業外収益は10億3千1百万円となり、前連結会計年度の営業外収益6億2千7百万円と比較して4億4百万円の増加となりました。当連結会計年度の営業外費用は3億3百万円となり、前連結会計年度の営業外費用3億2千4百万円と比較して2千万円の減少となりました。
上記の④営業外損益に記載しました理由により、当連結会計年度の経常損失は21億7千9百万円となり前連結会計年度の経常損失44億3千9百万円と比較して22億5千9百万円の減少となりました。
当連結会計年度の特別利益は固定資産売却益16億2千3百万円等により20億5千2百万円となり、前連結会計年度の特別利益13億5千6百万円と比較して6億9千6百万円の増加となりました。
当連結会計年度の特別損失は減損損失1億8千1百万円、環境対策引当金繰入額5億2千6百万円等により8億1百万円となり、前連結会計年度の特別損失1億6千1百万円と比較して6億3千9百万円の増加となりました。
上記の⑥特別損益に記載しました理由により、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は9億2千7百万円となり、前連結会計年度の税金等調整前当期純損失32億4千4百万円と比較して23億1千6百万円の減少となりました。
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計金額4億3千4百万円が、前連結会計年度1億1千5百万円と比較して3億1千9百万円の増加となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は12億4千9百万円となり、前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失31億5千9百万円と比較して、19億9百万円の減少となりました。
当社グループは、新中期経営計画(2021年度より3ヵ年)において、自己資本比率の20%以上確保を目標としております。
当連結会計年度においては、自己資本比率は13.5%となり新中期経営計画 (2021年度より3ヵ年)の目標値は未達となっております。
当社グループは、資金計画に基づき、必要な運転資金や設備資金は、長期の銀行借入及び社債により調達しております。資金の流動性については、充分な当座借越枠を設定することにより、手元流動性を確保しております。
お知らせ