(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により一部厳しい状況は残るものの、経済活動の再開に伴い持ち直しの動きがみられました。しかしながら、先行きにつきましては、変異株による感染再拡大に加え、半導体や電子部材の供給不足、原材料や原油価格の上昇、ウクライナ情勢など新たな懸念材料も生じ、不透明な状況が続いております。
一方、企業活動においては、ビジネスモデル変革やバリューチェーンの最適化などこれまでにない成長戦略が求められており、情報サービス産業界におきましては、デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)を中心としたIT投資需要が底堅く推移しました。
このような状況のもと、当社グループは当期を最終年度とする中期経営計画(2019年4月~2022年3月)において「DX FIRST」を掲げ、ITソリューション、サービスソリューション、プロダクトソリューションの3つの事業を手掛ける特長を最大限に生かして、各事業の連携強化やIoT、AI、5G/ローカル5G等のデジタル技術を活用したサービス展開により、お客様のビジネスモデル変革やマネジメントサイクルの最適化等、企業のデジタル変革を支える事業展開に注力してまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、受注高は43,177百万円(前年同期比8.1%増)、売上高は43,452百万円(同10.6%増)、営業利益は4,919百万円(同17.2%増)、経常利益は5,025百万円(同18.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,469百万円(同25.5%増)となりました。
この結果、中期経営計画最終年度の経営目標として掲げた「売上高43,000百万円、営業利益4,000百万円(対売上高比率9.3%)」を達成することができました。
当連結会計年度の報告セグメント別の業績は、次のとおりであります。
売上高につきましては、官公庁・団体向けをはじめ、製造業向けや保険業向けシステム開発などが堅調に推移し増収となりました。利益につきましては、増収に伴う利益増のほか、収益性の高い案件の寄与などにより増益となりました。
これらの結果、受注高は13,691百万円(前年同期比4.7%増)、売上高は14,896百万円(同12.8%増)、営業利益は1,968百万円(同51.6%増)となりました。
売上高につきましては、クラウド環境構築サービスやBPOサービスなどが堅調に推移し増収となりました。利益につきましては、事業拡大に向けた体制強化のほか、一部の不採算案件の影響により減益となりました。
これらの結果、受注高は12,386百万円(前年同期比14.3%増)、売上高は11,854百万円(同14.2%増)、営業利益は525百万円(同6.8%減)となりました。
売上高につきましては、組込み開発事業における設備機器分野や通信機器分野を中心に伸長したほか、デバイス開発事業も堅調に推移し、増収となりました。利益につきましても、一部前期の高収益案件の反動の影響があるものの、増収効果により前年の高い利益水準を維持し、増益となりました。
これらの結果、受注高は17,098百万円(前年同期比6.8%増)、売上高は16,701百万円(同6.4%増)、営業利益は2,425百万円(同3.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、有形固定資産の取得や配当金の支払などの支出を営業活動の結果得られた資金により賄い、前連結会計年度末と比べ2,793百万円増加し、15,176百万円となりました。
当連結会計年度の活動別概況は、次のとおりであります。
投資活動の結果使用した資金は、344百万円(前年同期比239百万円の支出の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出243百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出186百万円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、607百万円(前年同期比86百万円の支出の増加)となりました。これは主に、配当金の支払額595百万円によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格で表示しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は仕入価格で表示しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格で表示しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格で表示しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注) 当連結会計年度のソニーグループ㈱グループに対すに対する販売割合は、10%未満であるため記載を
省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)、(追加情報)」に記載されているとおりであります。
当連結会計年度は、ITソリューション事業およびサービスソリューション事業につきましては、政府による各種補助金政策への対応をはじめとした官公庁・団体向けシステム開発やBPOサービスのほか、クラウドサービスなどが伸長しました。プロダクトソリューション事業におきましては、組込み開発事業は設備・精密機器関連や、5G/ローカル5G向けの通信機器開発などを中心に拡大したほか、デバイス開発事業は中長期的な半導体市場の伸びを背景に堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は43,452百万円(同10.6%増)、営業利益は4,919百万円(同17.2%増)、経常利益は5,025百万円(同18.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,469百万円(同25.5%増)となりました。
当連結会計年度の報告セグメント別の経営成績の状況に関する分析・検討内容は次のとおりです。
売上高につきましては、国や自治体の各種補助金申請システム案件のほか、DXを想定したシステム再構築案件などが製造業を中心に好調に推移し、増収となりました。利益につきましては、増収に伴う利益増のほか、収益性の高い案件の寄与などにより、増益となりました。
これらの結果、売上高は14,896百万円(同12.8%増)、営業利益は1,968百万円(同51.6%増)となりました。
売上高につきましては、顧客企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)への取り組みの加速、各種システムのクラウド化、リモートワークの促進などを背景に、デジタルソリューション事業、クラウドサービス事業ともに堅調に推移し、増収となりました。利益につきましては、事業拡大に向けた体制強化のほか、一部の不採算案件の影響により、減益となりました。
これらの結果、売上高は11,854百万円(同14.2%増)、営業利益は525百万円(同6.8%減)となりました。
売上高につきましては、組込み開発事業におきましては、設備分野における放送設備や決済端末関連、通信機器分野における5G/ローカル5G、次世代通信関連などが拡大し、増収となりました。デバイス開発におきましても、画像処理を中心とした半導体市場の伸びを背景に顧客深耕を図り、増収となりました。利益につきましては、増収に伴う利益増などにより、増益となりました。
これらの結果、売上高は16,701百万円(同6.4%増)、営業利益は2,425百万円(同3.8%増)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、36,813百万円となり、前連結会計年度末比4,152百万円の増加となりました。これは主に、商品の減少(397百万円)があったものの、現金及び預金の増加(2,793百万円)、売掛金の増加(1,128百万円)、仕掛品の増加(451百万円)、のれんの増加(172百万円)があったことによるものであります。
総負債は、10,296百万円となり、前連結会計年度末比1,254百万円の増加となりました。これは主に、未払法人税等の増加(603百万円)、買掛金の増加(222百万円)、賞与引当金の増加(221百万円)、退職給付に係る負債の増加(132百万円)があったことによるものであります。
純資産は、26,516百万円となり、前連結会計年度末比2,898百万円の増加となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ0.3ポイント減少し、72.0%となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
情報サービス産業界におきましては、経営やビジネスモデルの変革にITを活用するデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)への強い意欲を背景に、引き続きIT投資需要の増加が期待されます。
当社グループは2022年4月から2025年3月の3ヵ年を対象とする新たな中期経営計画を策定しました。「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立~技術と知によりお客様とビジネスを共創するSIerへの進化~」を基本方針に、お客様に技術を提供するパートナーから企業変革をともに推進するパートナーへ領域を拡大し、事業成長と変革を加速するとともに、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。
d.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、経常運転資金、成長を持続させるための設備及びM&Aを中心とした投資資金を自己資金による調達を基本とし、必要に応じて金融機関からの借入金により調達していく方針です。当連結会計年度末時点で外部からの資金調達を必要とする重要な資本的支出の予定はありません。
当社グループは、その健全な財務状態、営業活動により得られるキャッシュ・フローから当社グループの成長を維持するための将来必要な資金を調達することが可能と考えております。
また、新型コロナウイルス感染症を起因とする懸念も少ないと判断しております。
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