業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、断続的に経済活動が制限されたため、景況は厳しい状況でした。感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で、景気の持ち直しの動きは続いているものの、新たな変異株の拡大が国内でも認知されるなど、先行きは依然として不透明な状況で推移しました。

 当社の主要顧客である大手製造業各社では、次代を見据えた技術開発投資は徐々に持ち直しが進み、当社の受注も回復基調となりました。

 このような状況の中、中長期の成長を見据えた積極採用により、グループのエンジニア社員数は増加しました。また、受注に応えて配属を進めた結果、稼働人員数が増加し、さらに時間外労働の回復により、稼働時間は前年同期で増加しました。

 その結果、連結売上高は、前年同期比105億14百万円(10.9%)増収の1,071億40百万円となりました。連結売上原価は、エンジニア社員の増員に伴う労務費増加により、前年同期比67億14百万円(9.3%)増加の789億17百万円、連結販売費及び一般管理費は、採用関連費用の増加等により、前年同期比12億17百万円(8.6%)増加の154億5百万円となりました。連結営業利益は、前年同期比25億82百万円(25.2%)増益の128億17百万円となりました。

 連結経常利益は、前年同期比26億41百万円(25.6%)増益の129億48百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比22億11百万円(31.5%)増益の92億40百万円となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

エンジニアリングソリューション事業

連結売上高の9割超を占めるエンジニアリングソリューション事業、特に中核事業のエンジニア派遣事業においては、稼働人員数の増加、時間外労働の回復による稼働時間の増加の影響もあり、売上高は、前年同期比101億94百万円(10.7%)増収の1,057億15百万円となりました。営業利益は、前年同期比23億82百万円(23.9%)増益の123億43百万円となりました

当社単体の稼働率(全体)は94.3%(前年同期90.4%)、稼働時間については8.42h/day(前年同期8.31h/day)と前年同期比で増加しました。

 

エンジニア紹介事業

エンジニアに特化した職業紹介事業を行っている株式会社メイテックネクストにおいては、紹介決定数の増加により、売上高は、前年同期比3億13百万円(25.8%)増収の15億30百万円、営業利益は前年同期比2億円(73.1%)増益の4億74百万円となりました。

 

  資産の状況

 当連結会計年度末(2022年3月31日)の資産合計は、前連結会計年度末(2021年3月31日)比で65億51百万円増加し、815億90百万円となりました。これは、流動資産が前連結会計年度末比で60億52百万円増加した事が要因です。

 なお、流動資産の増加は現金及び預金の増加などが主因です。

 

  負債の状況

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比で57億36百万円増加し、363億2百万円となりました。これは、流動負債が前連結会計年度末比で53億96百万円増加し、固定負債が前連結会計年度末比で3億39百万円増加した事が要因です。

 なお、流動負債の増加は賞与引当金や未払法人税等の増加などが主因であり、固定負債の増加は退職給付に係る負債の増加などが主因です。

 

  純資産の状況

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比で8億15百万円増加し、452億87百万円となりました。これは、当期の経営成績の結果による親会社株主に帰属する当期純利益の獲得に、配当金の支払及び自己株式の取得の影響が相殺された事などが主因です。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比45億74百万円増加の497億6百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、前連結会計年度比80億45百万円増加の135億32百万円となりました。

得られた資金の主な内訳は、税金等調整前当期純利益などによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、前連結会計年度比36百万円減少の2億70百万円となりました。

使用した資金の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出75百万円と無形固定資産の取得による支出1億22百万円です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、前連結会計年度比16億7百万円増加の86億88百万円となりました。

使用した資金の主な内訳は、自己株式の取得による支出34億14百万円と配当金の支払額52億73百万円です。

 

③生産、受注及び販売の実績

生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

エンジニアリングソリューション事業(百万円)

78,917

9.29

エンジニア紹介事業(百万円)

合計(百万円)

78,917

9.29

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

受注実績

 当社の事業については、事業の形態から受注金額と販売金額がほぼ同等となるため記載を省略しております。

 

販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

エンジニアリングソリューション事業(百万円)

105,702

10.67

エンジニア紹介事業(百万円)

1,438

28.81

合計(百万円)

107,140

10.88

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

〇経営者の視点による認識

 資金残高にも配慮しつつ、「自己資本の“質と量”の充実」を優先してきました。結果、当年度末における自己資本は450億円以上となり、「自己資本の“質と量”は概ね充実」していると認識しています。

 営業活動により安定的に資金収入を得る一方、大型の設備投資を実施せず、かつ、「利益配分に関する基本方針」に即して総還元性向は100%以内とした結果、当連結会計年度末の現預金は必要運転資金である連結売上高の3カ月以上の490億円以上となっております。

 

〇新型コロナウイルス感染症の影響について

 当連結会計年度においては新型コロナウイルス感染症の影響がありましたが、受注の回復により稼働率が改善し、営業利益率は10%以上を確保致しました。新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明ですが、当社の稼働率は回復基調であり、業績の大幅な落ち込みは無いと想定しています。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)財政状態

 資産合計が815億円と前期比65億円増加となっておりますが、増加の主因は、現預金の前期比45億円増加です。
 なお、現預金は事業運営上の必要運転資金(連結売上高の月商3か月分)以上の497億円であり、問題ありません。

 前中期経営計画の利益配分計画での「エンジニア社員数の増加に伴い自己資本の充実を図り、最終年度2020年3月末の自己資本を400億円に積み増す」「3か年総還元性向は80%程度とする」という方針から、2020年度からの新・中期経営計画では「自己資本の“質と量”」は概ね充実していると判断し、「総還元性向を100%以内」としています。その結果、純資産は前期比8億円増加の452億円となりました。

 

2)経営成績

エンジニアリングソリューション事業の売上高・原価の概要は以下の通りです。

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当社グループの根幹事業であるエンジニアリングソリューション事業は、稼働率と対価を維持・向上しながら、エンジニア社員数の増員することが成長の鍵となっています。

当社の企業努力でコントロール可能な指標として、「稼働率」「エンジニア社員数」「対価」を重要な指標として管理し、稼働率の維持・向上を図るための「受注営業」、エンジニア社員数の増員のための「採用」、エンジニアのアウトプットの維持・向上を図るための「キャリアサポート」を強化していくことが重要だと考えています。

 また「稼働時間」はお客さま先の業務指示の結果の為、当社側でコントロール不可能ではありますが、0.1時間の変動で売上高が約1%変動することから、業績影響の大きい指標の一つと認識しています。

上記要因に基づいた当社グループの主力であるエンジニアリングソリューション事業を構成する当社及び当社子会社のメイテックフィルダーズの経営成績に関する分析は以下のとおりです。

 

当社単体は、エンジニア社員数の前期比2.6%増加と稼働率の前期比3.9%改善に伴う稼働人員数の増加に加えて、時間外労働回復に伴う稼働時間の1.3%増加により、前期比7.8%の増収となりました。

上記売上高の増収が、エンジニア社員の増員に伴う労務費等原価の増加と採用経費等の販管費増加を吸収し、営業利益は前期比22.6%の増益となりました。

 

メイテックフィルダーズは、積極採用に伴うエンジニア社員数の前期比11.8%の増加と稼働率の前期比+4.0%改善に伴う稼働人員数の増加に加えて、時間外労働回復に伴う稼働時間の1.2%増加により、前期比21.1%の増収となりました。

上記売上高の増収が、エンジニア社員の増員に伴う労務費等原価の増加と採用経費等の販管費増加を吸収し、営業利益は前期比46.9%の増益となりました。尚、当期純利益が前期比66.0%の増益となっている要因は、税負担の軽減があったためです。

 

 なお、2022年3月期の各社別の損益、「稼働率」「エンジニア社員数」「稼働時間」等の指標の実績につきましては、当社ウエブサイトに掲載している「2022年3月期決算説明資料」を参照下さい。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 営業活動により135億円超の資金収入を得た一方で、①投資活動による支出は2億円であったこと、②現時点で多額の支出を伴う投資活動を予定していないこと、③資金残高は売上対比の量的水準や流動性と安全性を重視した質的担保を保持していること、を勘案し、現時点で資金を調達する計画はありません。

 株主・投資家との対話を踏まえ、財務活動による支出は高い水準が続いていますが、「利益配分に関する基本方針」に即して総還元性向を100%以内とした結果、2022年3月末の自己資本の水準は452億円となり、現時点で新たに資本を調達する計画はありません。

 

 配当政策については、第4提出会社の状況 3配当政策をご確認下さい。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5  経理の状況   1   連結財務諸表等   (1)連結財務諸表   注記事項   (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する為の客観的な指標等の達成・進捗状況

当社グループの2020年度からの3年間の実行計画「メイテックグループ中期経営計画(2020-2022)The Transformation」の目標の達成状況は以下のとおりです。

 

 

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(注)表示単位未満を四捨五入で記載しております。

 

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