(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
なお、当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を適用しております。この結果、当連結会計年度の損益に与える影響は軽微であります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響により経済活動の大幅な制限を強いられるなど極めて厳しい状況が続きました。
当社グループの主たる部門である教育関連業界におきましては、少子化や将来的な収入不安定等による個人消費の抑制など厳しい環境に直面しており、それらに対応できる施策が必要となってきております。また、学習指導要領の改訂をはじめとした教育に関する情勢の変化に対応できるサービスの開発・質の向上が今後ますます求められていくものと認識しております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、感染拡大防止と経済活動の両立を図る中で、政府による各種政策が実施され、持ち直しの動きも見られましたが、足元の感染者拡大を受けた自粛要請の強化などもあり、いまだ先行きが不透明な状態が続いております。
このような環境のもと当社グループが今後の更なる成長を実現していくために、提携各社との一層のアライアンスの強化を行い、各社との指導法や教材開発、募集活動等のノウハウの共有を図るとともに、全国の直営会場体制に関しては採算性の重視とスピード感のあるスクラップ&ビルドにより、質と量の両面において教室網の強化を進めております。また全塾生へタブレット端末を貸与し、自社開発のコンピュータ用学習ソフトの塾内利用ならびにオンライン授業ができる環境を整備するとともに、日本全国どこでも受講可能なオンライン塾Go・KaKuを開講し、さらなる顧客獲得を目指しております。
当連結会計年度の当社グループの運営につきましては、教育関連部門における会場新設、講演会やオンライン塾Go・KaKuの開講など売上増加施策に取り組んできましたが、新年度生集客の最重要期である2021年1~2月に新型コロナウィルス感染症が拡大した影響に加え、期中における募集時期に同感染症防止のため自治体・政府からの自粛要請、また同感染拡大防止に関連した学校の学級閉鎖、学年閉鎖、休校が見られたため、新規生の集客において計画を下回る結果となりました。一方で余剰資金の効率的運用を目的とした有価証券等の資金運用により、売上増強に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、13,846百万円(前年同期比16.7%増)、営業損失は株式市場の変動による子会社における有価証券の評価損の発生により9,584百万円(前年は4,017百万円の営業損失)、経常損失につきましては9,552百万円(前年は3,823百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、5,771百万円(前年は3,692百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
イ.教育関連事業
当連結会計年度におきましては、日本全国どこでも受講が可能なAIオンライン塾Go・KaKuを開講し、従来の会場による水平展開とは全く異なる形でのエリア拡大と、既存会場での新規生徒の獲得を目指して活動を続けてきましたが、新規生集客時の新型コロナウィルス感染症の影響もあり、教育関連部門の売り上げは計画を下回る結果となりました。この結果、売上高は2,128百万円(前年同期比16.4%減)となりました。また、不採算会場の廃止など大幅な経費削減を行いましたが、セグメント利益は84百万円(前年同期比50.7%減)となりました。
ロ.スポーツ事業
札幌市内3ヶ所に施設を構えるスポーツクラブZipは、積極的に施設やトレーニングマシンの更新を行いましたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のためスクールを休止した影響を受けました。その結果、売上高は399百万円(前年同期比0.3%減)、セグメント利益は26百万円(前年同期比2.3%減)となりました。
ハ.賃貸事業
賃貸不動産や学習塾部門の教室の管理・清掃に関わる賃貸事業は、自社物件の賃貸料収入の増加により売上高は570百万円(前年同期比5.5%増)、セグメント利益は275百万円(前年同期比14.6%増)となりました。
ニ.資金運用事業
資金運用事業であるSG総研の売上高は10,385百万円(前年同期比29.7%増)、新型コロナウィルス感染症等や世界情勢の悪化による株式市場の大きな変動の影響から、セグメント損失が9,623百万円(前年は4,165百万円のセグメント損失)となりました。
ホ.その他事業
本セグメントは、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、教材の印刷や備品・消耗品の仕入れ販売を含んでいます。当連結会計年度においての売上高は362百万円(前年同期比1.4%減)、セグメント利益は51百万円(前年同期比38.8%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は28,954百万円となり、前連結会計年度末よ14,929百万円減少しました。これは主に有価証券が9,209百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における流動負債は14,973百万円となり、前連結会計年度末より8,242百万円減少しました。これは主に未払金が4,970百万円減少したことによるものです。また固定負債は303百万円となり、前連結会計年度末に比べて25百万円減少しました。これは、繰延税金負債が5百万円減少、役員退職慰労引当金が7百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末における純資産は13,678百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,661百万円減少しました。これは主に利益剰余金が6,057百万円減少、その他有価証券評価差額金が306百万円減少したことによるものです。この結果、自己資本比率は47.2%(前連結会計年度末は46.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、2,801百万円と前年同期と比べ、1,368百万円の減少となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失5,670百万円に、役員退職慰労引当金の増減額△7百万円や未払金の増減額△4,961百万円、未収入金の増減額△607百万円等を加減した結果、支出した資金は5,861百万円(前年同期は979百万円の収入)となりまた。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却などにより、獲得した資金は4,228百万円(前年同期は250百万円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増減額822百万円、配当金の支払額△283百万円、自己株式の取得による支出△273百万円により、獲得した資金は264百万円(前年同期は587百万円の収入)となりました。
当社グループは、教育関連事業及びスポーツ事業を主な経営の内容としており、会員に対して授業又はレッスンを行うことを主たる業務としております。したがって、生産、受注及び販売の状況を示す指標はございません。
標記については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績などを勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため,これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりでありますが、2021年以降は新規生の受け入れも正常化していき、加えて映像授業を用いた在宅学習サービスが本格化するという仮定のもと会計上の見積りを行っております。しかしながら、今後の新型コロナウイルス感染拡大による経済活動への影響については不確定要素があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
1)概要
当社グループの当連結会計年度の経営成績の概要として、連結売上高は13,846百万円(前連結会計年度比16.7%増)、連結営業損失は9,584百万円(前連結会計年度は4,017百万円の営業損失)、連結経常損失は9,552百万円(前連結会計年度は3,823百万円の経常損失)を計上しました。特別損益及び税金費用等を控除した親会社株主に帰属する当期純損失は5,771百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失3,692百万円)となりました。以下、連結財務諸表に重要な影響を与えた要因について分析します。
2)売上高
連結売上高は13,846百万円となりました。余剰資金の効率的運用を目的として、有価証券等による資金運用で売上高は前年同期比16.7%増となりました。
主要部門である教育関連部門におきましては、引き続き高校受験指導を柱としながら、対象年齢の拡大を目指し、大学受験(現役高校生)部門及び中学受験部門の生徒層の確保にも努めてまいります。また、前期に続き、中期的な目標として採算の効率化を目指します。そのためにも、首都圏を中心に新規地域への進出及び不採算地区からの撤退を含め、教室のスクラップ&ビルドを積極的に推進いたします。
また、日本全国どこでも受講が可能なオンライン塾Go・Kakuを開設し、従来の会場による水平展開とは全く異なる形でのエリア拡大と、既存会場での新規生徒獲得をさらに推進してまいります。
スポーツ部門におきましては、会員ニーズの動向や競合他社の状況に常に注意を払い、より質の高いサービスを提供してまいります。
3)売上原価
連結の売上原価は、22,662百万円(前年同期比49.6%増)となりました。これは主に、㈱進学会総研における売上原価が増加したことによります。
4)営業外損益
連結の営業外損益は、32百万円の利益となりました。円安により為替差損20百万円、保有している株式の受取配当金6百万円、受取利息76百万円を計上しました。
5)特別損益
連結の特別損益は、3,881百万円の利益となりました。特別利益では、債務免除益4,000百万円、投資有価証券売却益125百万円、役員退職慰労引当金戻入額12百万円を計上しました。特別損失では、教育関連事業用の資産について減損損失5百万円、投資有価証券売却損244百万円を計上しました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備投資資金につきましては、主に内部資金及び借入金により調達をすることとしております。当連結会計年度の設備投資として51百万円を支出いたしました。次期の当社グループの資金使用については、1,100百万円を予定しております。この設備投資につきましては自己資金で賄う予定であります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
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