業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種進行による感染症収束への期待と度重なって出現する変異株による感染症拡大を繰り返し、景気の回復は総じて弱い状況で推移いたしました。

 一方で、年度末に向けてロシアによるウクライナ侵攻を起因とする世界的資源価格の高騰やサプライチェーンの混乱、円安の進行により、世界経済の不透明感は益々高まってきています。

 建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移しておりますが、建設業界における労務単価、建設資材価格等の上昇により、厳しい経営環境となってまいりました。

 このような経営環境のもと当社グループは、公共土木施設の強靭化へ向けた製品の獲得と利益向上へ取り組み、合理化・効率化施策を継続実施することにより、災害復旧事業が急拡大した前年には及ばないものの堅調に推移し、売上高は8,317百万円(前期比21.5%減)、営業利益は802百万円(前期比34.4%減)を計上し、経常利益は866百万円(前期比32.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は662百万円(前期比34.7%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

型枠貸与事業

 前年度までの台風や集中豪雨による災害復旧工事の執行による型枠貸与の受注を進めた結果、災害復旧事業が急拡大した前年には及ばないものの売上高は2,182百万円(前期比20.8%減)となり、営業利益は453百万円(前期比43.4%減)となりました。

 

製品販売事業

 災害に対応した河川用護岸ブロック及び土木シート製品の出荷が底堅く推移いたしましたが、売上高は6,134百万円(前期比21.7%減)となり、営業利益は348百万円(前期比17.1%減)となりました。

 

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を従来の「資材・製品販売事業」から「製品販売事業」へ変更しております。当該変更はセグメント名称の変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。

 

 両セグメント共に新型コロナウイルス感染症による、大きな影響はありませんでしたが、その影響については今後も慎重に注視していく必要があります。

 

財政状態については次のとおりであります。

資 産

 当連結会計年度末における総資産は7,303百万円となり、前連結会計年度末比364百万円の減少となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金の減少587百万円、現金及び預金の増加196百万円等によるものであります。

 

負 債

 当連結会計年度末における負債は3,482百万円となり、前連結会計年度末比952百万円の減少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の減少265百万円、未払法人税等の減少210百万円、未払金の減少150百万円及び長期借入金(1年内返済予定含む)の減少166百万円等によるものであります。

 

純資産

 当連結会計年度末における純資産は3,821百万円となり、前連結会計年度末比588百万円の増加となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加607百万円によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、前連結会計年度末に比べ、198百万円増加し、2,721百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により得られた資金は795百万円(前期は2,097百万円の収入)でした。主に税金等調整前当期純利益866百万円、売上債権の減少633百万円(収入)、仕入債務の減少403百万円(支出)及び法人税等の支払額420百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は333百万円(前期は131百万円の支出)でした。主に鋼製型枠等有形固定資産の取得による支出109百万円、保険積立金の積立による支出133百万円及び投資有価証券の取得による支出101百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出した資金は263百万円(前期は771百万円の支出)でした。主に長期借入金の返済による支出196百万円及びリース債務の返済による支出66百万円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.仕入実績

 当社グループは、自社工場を持たず製作・製造委託会社に商品を製造委託しており、生産実績の記載ができませんので、これに代え仕入実績を記載しております。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

製品販売事業

4,758,417

85.9

(注) 1.型枠貸与事業には、仕入実績がないため記載しておりません。

b.受注状況

 当社グループは、受注確定から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:千円)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

型枠貸与事業

2,182,677

79.2

製品販売事業

6,134,803

78.3

8,317,481

78.5

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や当連結会計年度末の状況に応じて合理的と考えられる方法に基づき、商品及び製品の評価、貸倒引当金、退職給付債務、繰延税金資産、投資有価証券等に関する見積り及び判断を行なっております。新型コロナウイルス感染症の当社グループに関わる影響については、現時点では限定的に留まるものと仮定し、その内容を反映させております。これらの見積り等については、見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

  連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針は「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、厳しい事業環境に鑑み、合理化・効率化を継続し、事業変革を進め、既存事業を成長モデルへ再生することにより企業価値の最大化を図ることを経営戦略としております。震災復興事業が収束した厳しい環境の下、当社グループの基本姿勢である港湾、漁港、海岸、河川、砂防分野における波浪、地震、火山、豪雨、土砂災害等に対する緊急性の高い国の防災・減災対策事業へ製品・工法を提供する取組みは、気候変動による自然災害の激甚化・頻発化に直面するなかで、持続可能な社会の実現に貢献していけるものと考えており、粘り強く安定した収益を確保し、販管費及び一般管理費を適切に統制することにより、当初事業計画値に達する以下の結果となりました。

 

 a.売上高及び売上総利益

 災害復旧事業が集中した前年には及ばないものの、前年度までの台風や集中豪雨による災害の復旧工事の執行により売上高は8,317百万円(前期比78.5%、2,274百万円減)となり、売上総利益は2,159百万円(前期比82.4%、459百万円減)となりました。

 

 b.販売費及び一般管理費、営業損益及び経常損益

 グループ会社間での事業運営の合理化、効率化に向けた施策が進捗したことにより、販売費及び一般管理費は1,356百万円(前期比97.2%、39百万円減)となり、802百万円(前期比65.6%、420百万円減)の営業利益となりました。

 また、営業外損益は前連結会計年度に比べて、借入金に伴う支払利息が減少、保有する鋼製型枠のスクラップ売却による棚卸資産処分益が増加したことから63百万円(前期比113.9%、7百万円増)となり、経常利益は866百万円(前期比67.7%、412百万円減)となりました。

 

 c.特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純損益

 法人税等は、税金等調整前当期純利益の減少により、204百万円(前期比75.9%、64百万円減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は662百万円(前期比65.3%、351百万円減)となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資金需要の主なものは、コンクリート二次製品、土木シート製品の仕入代、コンクリートブロック製造用鋼製型枠の補修整備・輸送にかかる費用、販売費及び一般管理費等の営業費用及びコンクリートブロック製造用鋼製型枠の設備投資等であります。これらの資金需要に対しては、営業活動から獲得する自己資金、金融機関からの借入及び所有権移転外ファイナンス・リースによる調達を基本としております。

 当連結会計年度におきましては、営業活動によるキャッシュ・フローとして795百万円の資金を獲得いたしました。投資活動によるキャッシュ・フローについては、保険積立金の積立による支出として133百万円及び新規型枠の取得に109百万円を支出したことにより、333百万円を支出いたしました。また、金融機関への借入金の返済が進捗したことにより財務活動によるキャッシュ・フローとして263百万円を支出いたしました。これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,721百万円となっております。

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得